リングの行方

次男から彼女と別れたという連絡がきた。松本に遊びに来てくれたこともあるし、東京でも何度か会ったり、次男の留守中でもわたしの顔を見に来てくれたりと気さくで小柄な可愛い彼女だったので、淋しいな〜と思うけれど仕方がない。

いつも次男の薬指に光っていたペアリング。お互いどうするんだろう、なんて考えていた。

プレゼントのアクセサリーって別れた後に、お返しする派としない派に分かれる。わたしはもちろん返さない派で、指輪は太ったから無理だけど、ネックレスなんかは今でも身に付けることがある。
こんな事もあった。昔付き合っていた人に別れ話を切り出すと「指輪返して」って言われて返したら目の前の畑に投げていた。もったいない！

夫と付き合い始めた頃、部屋にアクセサリーの箱があった。「これつける？」って言われて見ると、ピアスが二つ並んでた。元カノに返されたものだったけど、そもそもわたしはピアスの穴を開けてない。使い回しにもならない。
聞いてないのに、当時は元カノの話をよくされたので会ったこともないのに頭の中で想像が膨らんでいた。

結婚して十数年経った頃、ひょんなことから、ママ友の友達に夫の元カノがいることが分かった。「あ、ピアスの人！」世間は狭いな〜なんて思う程度で普通は終わるはずが、「ミコちゃんと3人でランチしたいって」とママ友に言われた。
さすがに、それはおかしいでしょ〜と思い断ったけど、続きがあった。
「息子の給食着のお下がりが欲しい」って元カノが言っていると聞いた。だけど思いっきり黒マジックで名前が書いてある。それでもいいって言われて渡したけれど、結局顔を合わせることはないまま今に至る。

息子と彼女のペアリング。どんな気持ちで二人は外したのか。リングの行方を今度聞いてみよう。