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シーズン1:第1話 サセナッフ Sassenach

はじめに

コロナ禍の2020年において、私の日常を救ったのはドラマ『アウトランダー』でした。ロマンスと歴史とアクションの組み合わせは強力!シーズン1から現在公開されているシーズン5まで、繰り返し視聴し続ける無限ループに入り、このドラマのディープな楽しみを書き連ね、ファン同士で語り合いたい想いで全エピソードに個人的なコメントをつけてみます。これを読む奇特な人は既に沼にハマった人だと思うので、全てネタバレを含みます。良かったらコメントしていってください。

ドラマの原作者はダイアナ・ガバルドン。動物学や生物海洋学、計算科学等の専門家で大学で教鞭をとっていたような才女がロマンティック歴史SF小説を書いてみたら大ヒット作になったという。そんなキャリア転身サクセスストーリーがあるなんてびっくり。

古いダイアナのインタビュー記事によると、執筆前にリサーチのため、ロマンティック歴史小説を複数読んでみると、主人公が処女でレイプされてといったステレオタイプの筋書が多数あったので、これを全部逆にしてやろうと、主人公は既婚で、相手役のヒーローをバージンにして、しかもレイプされる設定にしたそう。そんなダイアナの反骨精神が『アウトランダー』をこんなに面白くしているのね!

シーズン1:第1話 サセナッフ Sassenach

第1話はクレアが過去にタイムトラベルしてハイランダーの兵士たち、とりわけ未来(過去?)の夫、ジェイミーに出会うところが重要なので、前半のクレアとフランクの旅行の描写は登場人物紹介的要素が多いのですが、フランクと牧師の会話は今後のエピソードに重要なのできちんと聞いておかなくてはいけません。

それにしても初登場したクレアの外見的印象は平凡な女優でした。それがエピソードが進むうちに個性的な輝く女優になるのだから面白い。このドラマの肝は主役の2人が視聴者の共感を掴めるかだと思うのだけど、無名俳優だった2人がここまでパーフェクトに役柄に生命を吹き込んだのは素晴らしいとしか言いようがない。

このドラマの魅力の1つはクレアの知性、美しさ、芯の強さ、性を楽しむ姿。廃墟のリアフ城を調査中のフランクに「下着はいてないのよ」と股を開くシーンなどは、これまでのこのテのドラマにはないヒロイン像を提示しており、「やるわね」と視聴者を思わせるはず。

ジェイミーの初登場シーンは薄暗い小屋の中。登場最初からシャツ着てなかったんじゃん!ちょっと顔が汚れているけれど、俳優サム・ヒューアンの魅力が画面からあふれ出ている!

ハイランダー御一行との移動中、銃の傷を負ったジェイミーをクレアが救ったシーンでは、遂に初「サセナッフ」をジェイミーの口から聞けます。クレアによる「ソルジャー」も初セリフ登場。重要シーンだわ、ここ。

クレアとフランクの滞在したホテルの近くで部屋にいたクレアを外から見つめていた謎の男はジェイミーの幽霊だと原作者ダイアナ・ガバルドンが認めていましたね。それを知ってもう一度観るとあの人影がジェイミーに見えるかも。

タイムトラベルの入口となるクレイグ・ナデューンの巨石は実際にはインヴァネス付近にはなく、ルイス島にあるストーン・サークルなのだそうな。(撮影ではセットを使っているとか)ちなみに『アウトランダー』ロケ地を訪ねてスコットランドに旅行するファンが多いらしく、ロケ地ガイド本も販売されています。日本で言う「聖地巡礼」ってやつですね。私もいつか巡礼したい。

ところでクレアはタイムトラベル時に腕時計をしていたのですが、タイムトラベル後に画面登場せずで、あれはどこに行ったのかなぁ…と思っていたらシーズン3:第5話「 自由とウィスキー」で解説がありました。あの時計に付いていた宝石が初回のタイムトラベルのお守りになっていたけれど時計を紛失してしまったそうで納得。



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