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ジャッキー・サコッチオの個展「Knife Edge」@THE CLUB 銀座

コロナ禍をポートレートとして表現する

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Portrait (Scarred Faceless) 2020 Oil and mica on linen 200.6 x 269.2 cm]

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Black Hole(Yellow Convex)2020 Oil, mica and oil pastel on linen 200.7 x 200.7 cm

ジャッキーサコッチオさんの個展に行ってきました。

現在は予約制になっており、1時間1組のみの入場という、非常に贅沢な環境になっています。

個人的には、抽象画の鑑賞には時間と環境も重要な要因になると思っていますので、少しでもご興味ある方はこの機会にぜひ。

ジャッキーサコッチオさんの作品は、絵の具を滴らせた二つの巨大なキャンバスを、引きずり、刷り合わせることにより、キャンバス上に偶発的な網目模様をつくり、その上にドットやスクエアを描き入れるようです。

偶発的で不確実なものと人工的なものを組み合わせることによる表現が巨大なキャンバス上で行われている様は圧巻です。

色使いも非常に多彩な作品が多く、眺めていると自分の立ち位置が不明確になってめまいを催すよう感覚になります。


「本展覧会では、崩壊する社会の現状に⽬を向けた作品を選び、私たちの社会が今どのようなところへとよろめきつつあるかを映し出そうと試みました。

「Portrait (Scarred Faceless) 」では、まるで天界の戦から⽣じたかのような⾊彩と躍動が浮かび上がり、搔き乱された地上が姿を現します。

不死⿃の⾶翔か、あるいは徹底的な破壊か。

その答えは誰にもわかりません。

いくつものレイヤーが織りなす複雑性が、不安な精神状態と社会の⾃⼰⽭盾を映し出すポートレイトとして、この危機に打ち勝つ力になることを願っています。」―ジャッキー・サコッチオ

初めてご覧になる方は、ジャッキーサコッチオの大型作品がオススメですが、個人的に気になったのはこちらの小さな作品でした。

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Scarred Portrait 2  2020 Oil and mica on linen 58.4x 55.2 cm]

大型のものと比較すると、サイズも色使いも非常に優しいものに感じました。こちらはコロナ禍における希望を表すような一枚かなと思いました。


それともう一枚、初出しのドローイング

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Drawing 12 Colored pencil on paper 20.3×20.3cm

ジャッキーサコッチオさんはキャンバス特有の制作方法を用いない場合でも多色遣いで線とピクセル主体の作品になるのだなと感嘆しました。徹底した生き様が表れているようでとても素敵でした。


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