松下まり子 「居住不可能として追放された土地」at KEN NAKAHASHI

松下まり子さんの絵画を見た。一見すると何が書いてあるのか分からないものもあるが、じっくり見ていくと何となく人っぽい何かだとか、木っぽい何か、虫っぽい何かなのだろうなと判別できる。

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大胆な筆遣い。幾重にも重ねられた絵の具は時に混ざり合っている。色使いは全体的には暗いものが多い印象だが、補色が多用されているのか目の前に迫ってくるような勢いが感じられる。

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私は何度が彼女の作品をみたことがあるのだが、初めて見たときは、気持ち悪いのに何故か目が離せなくて苦しくなったことを覚えている。生々しく、剥き出しの何かを見せつけられたような気がしたのかもしれない。

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作家の目には対象物がこのように見えていると仮定すると、果たして自分が見ている世界と他の人が見ている世界は本当に同じなのかと考えさせられる。

たしかに私たちが通常見ているものは光学的に映し出されているものだけではない気がする。この場所は柔らかい雰囲気だ、あの人は張りつめた感じのする人だ、などの様々なものを見ている。

私ももっと世界から様々な情報を受け取る工夫をして生きていきたい。


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