#57「涙」
#50「共感」に綴ったように、僕はあまり泣かない。
じゃあ自分以外の人はどうだろうかというと、確かに周りを見てもあまりことさらに涙脆いという人は見当たらない。
まあ、そもそも日頃からそこまで涙ぐましいイベントが多発しているわけでもないし、それもそうなんだけれど。
ただ、そんな知人友人たちがぐすんときた瞬間に立ち会ったことは度々ある。冠婚葬祭の場だったり、よほど良い映画を見た時だったりだ。『君の名は。』をじゅんじゅわとツバサ・レイガンと3人で見に行った時、ツバサは顔をぐしゃぐしゃにしていた。そのまま3人で焼き肉を食べて帰ったのはいい思い出だ。
ところが、こと僕自身においては特にそういう場にあっても目頭に熱を感じることが少ない。年々、人間らしい心を失ってしまっているんだろうか。
と思いきや逆に、全く思いがけないところで、じんわりと涙が滲み出すことがある。
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特に有益な情報はありませんが、読んだ方にとって普段目も向けないような他愛のないもの・ことに改めて触れるきっかけ、あるいは暇潰しになったら幸いだなと思っています。
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