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何をしたいのかわからない

同棲していた彼と別れた時、
一生を捧げられる心からやりたい仕事を見つけ
自分の二本足で歩けるようになったら、
結婚しようと決めました。

ですが、その心からやりたい仕事は、
なかなか見つかりませんでした。
でも食べていかなきゃいけないわけですから
派遣で事務の仕事をこなす。
そんな刺激のない日々を過ごしていました。

24歳のころだったとおもいます。
何を私はしたいんだろう・・・?
自問自答しても全く答えは出てこない・・・。

そのころ一人暮らしの私は、
派遣事務のお給料だけでは食べていけなかったので
夜、パブでウエィトレスのアルバイトをしていました。

そこに来ていた常連のお客様Sさんと時々話すようになり、
いずれ社員でどこかに就職したいんです、と打ち明けていました。

するとある日、Sさんから
「うちの会社に来ないか?」と誘われたのです。
彼は金融系の一部上場企業の人事部の部長でした。
そこに入れば年収もかなり上がります。
このころはバブルなので、
大手、しかも金融系なら、ボーナス10ヶ月分くらい
普通に出ていたと思います。

友人からは、
「いいじゃんいいじゃん!
そこで、結婚相手見つければいいじゃん。
エリートがたくさんいるよ」
と背中を押され・・・。

仕事は人事の事務。
仕事には全く惹かれませんでしたが、お金だけはいい。
私は、承諾しました。
とりあえず入社して、やりたいことが見つかったら転職すればいっか。

彼は両親にも電話をしてくれ、
お預かりしますと言ってくれました(結婚するみたい)。

その会社に行くと彼に返事をした直後、
ある人からまたお誘いがあったのです。

「香港で仕事をしない?」

それは、前に勤めていたパソコン販売の会社の社長からのオファーでした。
私は、その会社で以前、
企業にパソコンを売り、ソフトのセットアップと操作方法を教える
営業兼インストラクターのような仕事をしていました。

今回の誘いは、香港支社に行って、
日系企業に向け同じ仕事をしてほしいということでした。
期間限定で1年間。

私は迷いました。
もちろんその仕事も「心からやりたい仕事」ではありません。
でも、香港という海外暮らしは魅力的でした。
行ってみたい!
香港で働けるなんてめったにないチャンス。

でも、Sさんと約束してしまった。
私は迷いに迷って、Sさんに断ることにしました。
彼に告げると「じゃあ1年待つよ」とのこと。
え~まじ?
そうですかー。じゃあお言葉に甘えて・・・。
私は1年後に帰国してSさんの会社に入社することを約束し、
香港に飛び立ちました。

続く

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