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夫の推し

夫にはいわゆる推しの存在がいないらしい。
別にいいんだけど。

恋愛体質の私と違い、学生時代は一途だったようで、好きだと思える人は一人か二人しかいなかったようだ。

私はクラス替えがあるたびに好きな人ができていたため、もう何人の人に惚れたか覚えてもいない。
学校生活をより充実にするために好きな人をつくっていたような気さえする。

5年間恋い焦がれたひとがいたが、夫以外でその彼が一番心を奪われていた期間が長い。


さて夫、好みがわりと一貫していて、色白で切れ長の目をした女性が好きなようだ。

あと、知的なひと。アナウンサーを好む傾向にある。(それから巨乳)

私は色白で巨乳なのは該当するけど、切れ長の目をしていないし、知的でもない。

ちなみに私は夫に一目惚れした過去があるくらい夫はどストライクな容姿であった。

なぜ夫が私を好きになって結婚までするに至ったのか今でもよくわからない。


冒頭でも述べたように、夫は滅多に恋に落ちることがないため、芸能人やアイドルにも特段興味を示さない。
『強いて言うならこの人がタイプかも』程度で、その人が出ているドラマを観ることも、音楽を聴くことも、ファンイベントに参加することもない。

今まで一度たりとも、推し活をする夫を見たことがない。

「推しがいなくて退屈じゃないの?」
なんて失礼な質問をぶつけてみても、
「いらない。その推しなんかに時間やお金を使うのが勿体ない。」と返ってくる始末。

いや、いいんですよ。
夫の推しは永遠に私ってことみたいだから。

…なんて不憫。

世界でたったひとりのファン(夫)のために、私は日夜、自分磨きをしようと心に誓うのでした。


余談、
私の推しを夫に見せてもなんの反応もありません。
妻の推し活にさえ興味がないらしい。

このひと、ヒトという生命体に興味がなくなってるのでは。


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