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香料会社って何をしてるの?

香料会社という存在をご存知でしょうか?

就職活動、社会人生活で初めて知る方がほとんどでしょう。世間の認知度は非常に低いと思います。


「香料会社?香水作ってるの?」

私も初めて香料会社という存在を知った時にはそれくらいの認識でした。しかし、皆さんの想像以上に香料会社は日常に根付いた存在です。


そんな謎に包まれた香料や、香料を製造する香料会社の正体を解き明かしていきましょう。

香料が使われている商品


香料は食料品、日用品、化粧品など、日常の至るところに使われていて、私たちの生活に彩りを与えてくれています。
香りや香料というと「香水」のイメージが強いですが、香料市場においては一部でしかなく、食べもの、飲みもの、シャンプー、柔軟剤、歯磨き粉、さらにはタバコなどに使用されています。

香料の呼び名 フレーバーとフレグランス


香料は、使用用途によって「フレーバー」と「フレグランス」の2種類に分けられます。フレーバーは食品用途で、フレグランスは食品以外の用途で使用されます。

日本においては、フレーバーが香料の売上を支えています。海外では、香水文化が根付いており、フレグランスの売上も大きいようです。例えば、外国産の柔軟剤はニオイが強烈だと感じることもあるでしょう。海外に行くと建物中

つまり、香料には香水以外にもさまざまな用途があり、多くの香料会社は食料品や日用品に使う香料を作っています。

フレーバー(flavor)


口に入れる商品に使う香料をフレーバーと呼びます。食料品に使う香料はもちろんフレーバーです。他には、タバコと歯磨き粉に使う香料もフレーバーに分類されます。

フレグランス(fragrance)


口には入れない商品に使う香料をフレグランスと呼びます。フレーバー以外のシャンプー、香水などの日用品がフレグランスに分類されます。

フレーバーとフレグランスに分ける理由


消費者の安全を守るために分類されています。香料成分には、食べると害がある成分、皮膚につくと害がある成分などがあります。食べては駄目なのか?触れては駄目なのか?これらで線引きされています。だから、口に入れるタバコや歯磨き粉がフレーバーに分類されるのです。


香料って安全なの?


食料品や日用品の中には、「無香料」を謳い文句とした商品があります。一見、香料は無い方が良くて、香料は悪者のような印象を受けます。しかし、香料の安全性は法律によって厳密に守られています。上記のフレーバーとフレグランスの分類のように、ルールもさまざまです。

フレーバーはほとんどの場合、食品から見つかった成分から構成されます。しかも、香料を使って食品を美味しくするには、過剰量入ることはあり得ません。

砂糖や塩は適量ならば美味しいですが、多過ぎると美味しくなくなりますよね。また、過剰量摂取すると、砂糖だろうが塩だろうが健康被害が出ます。一方で、美味しいご飯を作ろうとすると、健康被害を及ぼすほど過剰量使うことはあり得ません。
これは、香料にも同じことが言えます。多過ぎると美味しくないので、使用量は自ずと制限されるのです。

ポイント
・法律で使用できる成分が決まっている。
・食品・天然物から見つかった成分で構成される。
・食品・天然物に含まれる量から大きく逸脱することはない。


このことから、フレーバーが安全であることが保証されています。フレグランスも基本的には同じ理屈から安全性が担保されています。一部、自然界では見つかっていない香気成分を開発して使用することもありますが、それは別途安全性を調査しています。

したがって、「無香料」という情報を正確に解釈すると、安全性ではなく美味しさなどの嗜好性に関わる情報であると言えます。好き嫌いの判断材料になり得る程度かと思います。

有名な香料会社


日本の売上トップ3は、高砂香料工業、長谷川香料、小川香料です。いずれも食品用の香料の売上が半分以上を占めています。

世界の売上トップ3は、ジボダン(スイス)、フィルメニッヒ(スイス)、IFF(アメリカ)です。グローバルで見ると、香水文化も根付いている欧米が強いです。香料の聖地であるフランスのグラース地方から香料会社が発展したことを考えると自然なことだと思います。

ちなみに、国内トップ2の高砂香料工業と長谷川香料は世界の香料売上トップ10にランクインしています。香料業界では日本企業も大いに活躍していることが伺えます。特に、高砂香料は海外売上比率が50%を超えており、隠れたグローバル企業となっています。

まとめ


謎に包まれた香料会社の謎、少しは知っていただけましたでしょうか?違った視点で商品を覗いてみるのも面白いかもしれません。

もっと香料のことを知りたいよー、という方は「長谷川香料」の書籍がオススメです。

長谷川香料

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