英語との出会い、そして英語の歌について

 1978年に中学生になった。英語という未知の領域は地方の普段外人を見た事がない(正確にいうとコカコーラの宣伝していたヨーヨー外人なら見たことがあった)中学生にとって心ときめくものであったと記憶する。学校の授業では飽き足らず、ラジオ講座のテキストを駅前の本屋で購入し、朝6時くらいから早起きして、何やら学校の先生の発音とは一味違うリズムと歌ってるような響きに取り憑かれた。
 その年の夏に親戚の叔父さんによりフォークギターが我が家に持ち込まれ、僕はフォーク少年になった。最初のテキストには「薔薇が咲いた」や「シクラメンのかほり」が載っており、どちらかと言えば座って弾く(テキストには写真入りで女の子が片足を持ち上げる台に乗せて座って弾く奏法が示されていた)式だったがまもなくアリスの冬の稲妻を夜のヒットスタジオで見てギターは立って弾くのがカッコいいと知った。   
そして秋になり、ドラマ「西遊記」が始まり主題歌のモンキーマジックが大ヒット。その頃には月刊明星の付録の歌本でコードの概念を覚えていたのでゴダイゴの歌もレパートリーに入る…ん?歌えない。英語の歌は日本語とは違う。なんか音が詰まったり繋がったり、時には聞こえない音がある。その時から何かが変わった。日本人が外人のバンドメンバーを従えて英語の歌を歌う。それがヒットチャートに上がる。あと10年もしたらみんな英語で歌うのでは。少なくともヒット曲の半分くらいは英語になる!そう思っていた。
 果たして現在、僕の予想は外れた。でも僕は今でも英語の歌を作ってる。だってかっこいいじゃない?

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