教員採用試験を,面接中心の受験枠で,あるいは,2次試験から受験される方へのアドバイスです。

教員採用試験を,面接中心の受験枠で,あるいは,2次試験から受験される方へのアドバイスです。

講師特別枠,現職特別枠などで,1次試験も,2次試験も,個人面接や集団面接,模擬授業などの人物評価中心で受験される方,あるいは,昨年度の教採で1次試験に合格され,2次試験で残念ながら不合格になった方で,今年度の教採の1次試験が免除されるという方は,人物評価(個人面接,集団面接,集団討論,模擬授業等)で,合否のほとんどが決まるということになります。

この形の受験であれば,教採の準備の負担そのものは,随分と少なくなります。

それはとても良いことなのですが,人物評価の試験,あるいは,2次試験で,毎年,落ち続けるという人も実は珍しくないのです。

例えば,ある年に1次試験に合格し,次の年に2次試験から受験したけれども不合格になり,またその次の年に1次試験から受験し,1次試験に合格し,2次試験で不合格になり,またまた,その翌年に2次試験から受験し,2次試験で不合格になり,またその次の年に・・・・・というような悪夢のサイクルに陥ってしまう人もかなりいらっしゃるのが現実です。

このような悪夢のサイクルに陥ることなく,人物評価での教採の受験枠,あるいは,2次試験に確実に合格するためにはどうすればよいのでしょうか?

人物評価試験に合格するために知っておいていただきたいことは,以下の3点です。

1. どんなに高倍率の校種・教科であっても,2次試験自体の競争倍率は,(講師枠での集団面接の場合も高くて),2倍から3倍であり,中高の専門教科の筆記試験の1次試験のときのような高倍率ではない。

2. 2次試験は人物評価試験なので,個人面接,集団面接,模擬授業等で,自分の人間的魅力,教師としての資質を採用側(面接官)に共感を持って聞いてもらえるように伝える必要がある。

3. 個人面接・集団面接と模擬授業なら,特に演習しなくても何とかなるという甘い意識は捨てなければならない。

この3つの内,特に重要なのは3つ目です。

2次試験は,多くの自治体で,個人面接と模擬授業などですので,特に特訓をしなくても何とかなるという風に甘い考えを持っている人が意外にも多いのが現状なのです。

そして,そういう甘い考えを持っている人が毎年,不合格になっています。

例えば,筆記試験免除で,1次試験も,2次試験も人物評価である集団面接や個人面接で受験する人は,多くの場合,臨採か講師,あるいは,現職教養などの方々ですから,日々,教壇に立って授業をしています。

もちろん,それは人物評価試験の準備にならないわけではありませんし,日々の授業や指導の経験から学ぶことは大きいものがあります。

その経験から,教師としても人間としても成長することは間違いありません。

しかし,経験だけからでは,教採の面接と模擬授業という試験形式での人物選考(競争)に打ち勝つ合格力が自動的に付くとは言い難い側面があります。

はっきりと申し上げます。

たとえ臨採や講師の仕事に日々打ち込んでいたとしても,教採の個人面接や模擬授業のことを全く意識せず,ただ何となく試験本番の日まで過ごしたのでは,合格は望めません。

むしろ,教壇に立った経験がほとんどない大学生の方が,教採での人物評価の試験で,好印象で合格して最終合格を決めることも少なくありません。

なぜなら,大学生は教壇に立った経験がないので,しっかりと面接や模擬授業などの人物評価試験のための演習を繰り返しているからです。

臨採や講師という絶好の経験のチャンスを手にしている人が,現状に甘えてしまって人物評価試験の準備を怠ることによって,合格を逃しているのは残念なことです。

現在のような教採の試験制度が本当に良いのかどうかはわかりません。

でも,現在の教採の制度で受験する限り,しっかりとした準備と演習をした人だけが合格します。

このことを忘れず,これから,個人面接,集団面接,模擬授業などの準備と演習を積み重ねていくことが何よりも重要です。

面接の演習で重要なことは次の3つです。

1. 面接官と対面して話すだけで,人間的魅力や教師としての資質を感じてもらえるような話し方ができるようになること。

2. クリアでユニークでポジティブな話し方を身に付け,話が分かりやすく,話していて心地よく,話しの中に共感を感じるような語りができるようになること。

3. 自分のこれまでの経験・人生の中から,自分の想いを固め,それを自分の言葉で情熱を持って伝えることができるようになっておくこと。

模擬授業の演習で重要なことは次の3つです。

1. 短時間(5分~15分)で授業の受け手(採点官)を授業に興味を持って引き込み,採点するのを忘れて授業に聞き入るくらいの"interesting"な授業を行う力を身に付けること。

2. 普段の授業よりもはるかに演出力を持って,発問,説明,指示などの指導言,板書,机間指導などを「見えるカタチ」で行えるようになること。言い換えるならば,授業技術の「見える化(可視化)」ができるようになること。

3. 普段の授業は本当の教育だが,模擬授業は採用試験としてのオーディションの性格があるので,盛り上がる授業を脚本,演出,演技する能力を身に付けること。

上記のようなことをしっかりとやり抜いた人が,2次試験に合格します。

レトリカでは,これからも,上記のような特訓を続けていきます。


河野正夫

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