日本は,もはや,貧しい国になっています。多くの日本人は,低賃金ですが,物価の安さに何とか助けられて生活しています。何かを変えないとこの国に未来はありません。お金がなければ,学業も成功しないという事実を直視することも必要です。

今日は,最近,いろいろな人が,指摘している事実について,お話ししてみますね。

まずは,悲しい結論からです。

日本という国は,もはや,先進国ではありません。

経済水準も,国民所得も,多くの経済指標を見ても,日本は,いわゆる欧米の先進国と比べて,大きく遅れていて,もはや,先進国とは位置づけられません。

元先進国の,中進国レベル程度の状態です。

まず,平均的な国民の所得も,先進国と比べて,半分とまでは言いませんが,せいぜい6割程度のようです。

物価も,日本は,非常に安く,先進国と比べると,やはり,半分とまではいかないまでも,6割くらいです。

よく言われる,ビッグマック指数も,日本のビッグマックの価格はとても安く,先進国でのビッグマックの価格と比べると,やはり,6割台のようです。

ニューヨークで,サラリーマンが昼食を外食すれば,日本円で3,000円程度が普通です。

日本の東京では,まだ,ワンコイン・ランチで,500円前後で,昼食が食べられる場合が多いのと,対照的です。

家賃も,毎月数十万円というのはざらで,日本のように,毎月数万円程度でワンルームマンションが借りられるような都市は,先進国では,まず,ないでしょう。

大学の年間授業料も,アメリカなどでは,1年間で数百万円が普通です。

日本人は,日本の大学の年間数十万円の大学の授業料さえ高いと不平を言っていますが,アメリカの常識から考えれば,タダみたいな授業料です。

最低賃金も,日本は,やっと千円程度ですが,先進国では,1,500円以上,2,000円以上のところが増えてきています。

日本の大学・大学院卒の初任給は,概ね,二十数万円程度ですが,やはり,先進国であれば,40万円から,50万円程度が,初任給となります。

日本は,ほとんどの労働者が,低賃金で,働いていますが,物価が非常に安いので,なんとか,生活できているというのが実態です。

ですから,日本で働いている日本人の平均的な労働者が,ちょっと貯金をして,欧米の先進国に遊びに行ったら,まず,贅沢な遊びは不可能です。

ランチで,一人,3,000円以上は普通です。

ディナーなら,一人,10,000円以上は普通です。

ホテルも,日本で言うところのシティホテル・レベルであれば,一泊5万円以上は,当たり前です。

一泊10万円でも,そんなに高級ホテルの良い部屋には泊まれないでしょう。

ディズニーランドの入場料も日本より高いですし,何をしても,ほとんどの場合,日本より,割高です。

奨学金や授業料免除なしで,アメリカなどの大学に留学することは,金銭的には困難でしょう。

アイビーリークなどの,例えば,ハーバード大学の1年間の授業料は,500万円を超えます。

州立(公立)の大学でも,300万円程度は,1年間にかかります。

もはや,平均的な日本人の金銭感覚・物価の感覚で,先進国で,生活することは困難です。

はっきりと言っておきます。

日本は,もはや,貧しい国です。

平均的な日本人は,欧米の先進国の水準で見たら,貧乏人です。

アメリカの大都市では,年収が1,000万円でも,貧困層とみなされます。

日本では,年収が1,000万円なら,かなり富裕層とみなされるでしょう。

年収1,000万円では,先進国では,贅沢はできませんし,貧困層として,何か補助金すらもらえそうなレベルです。

日本と先進国では,これだけの差があるのですが,ほとんどの日本人は,これに気づいていません。

日本にいれば,低賃金でも,物価が安いので,なんとか食いつないでいくことができます。

でも,一歩,海外にわたって,先進国で生活すれば,平均的な日本人は,極貧生活しかできないでしょう。

このような日本の貧困は,いたるところで現れています。

例えば,オンライン授業,オンライン講座などの場合です。

日本人は,オンラインでの受講において,三重苦に苦しめられています。

三重苦の1つ目は,若者の多くは,パソコンを持っていなくて,スマホしか持っていないという状況があります。

これは,先進国では,まず,あり得ません。

先進国では,スマホやタブレット同時に,ほぼ必ず,ノートパソコンやデスクトップパソコンを持っています。

キーボードで入力ができないようなスマホや小型タブレットでは,オンライン授業は,かなり苦労します。

このデジタルデバイスとしてのパソコンを所有していないというのは,日本の若年層の大きな特徴となっています。

これも,最大の原因は,貧困です。

三重苦の2つ目は,自宅に高速度のWi-Fi環境が整っていない場合が多いということです。

スマホのテザリングを利用したり,Wi-Fiルーターはあっても,あまり性能がよくなく,動画や,オンライン授業を快適にできる通信速度を確保できている人は,あまり多くありません。

高性能のWi-Fi環境を整えるには,それなりの初期費用と,毎月の料金がかかります。

スマホの支払いでいっぱいいっぱいの若者たちの多くは,Wi-Fiにお金をかけることがができない場合もあるようです。

これも,貧困の故です。

三重苦の3つ目は,オンライン授業を快適に行える,自分だけの部屋を持っていることが,必ずしも多くないということです。

自分一人で,ワンルームマンションなどに住んでいれば,問題はないかもしれませんが,実家暮らしなどであれば,必ずしも,Wi-Fi環境がある部屋が,自分だけの部屋ではなく,家族の声が入ったり,家族が出入りしたり,生活音が多く入ったりして,オンライン授業に何時間も集中できない場合もあります。

たとえ,自室であっても,学習・仕事の空間と,生活(寝具等)の空間を区別できずに,オンラインで授業や会議に参加すると,ベッドや布団が映ってしまうということも,たくさんあります。

これも,居住スペースが狭いという日本の住空間の貧困から生じている,日本特有の問題です。

つまり,家族がいるリビングルームや,寝室とは別に,書斎や勉強部屋を確保して,そこで,仕事やオンライン授業・オンライン会議ができないという,日本の貧しい住環境があります。

日本で,リモートワークとか,オンライン授業をすると,それ専用の部屋が,自宅にないので,どうしても,生活感丸出しになり,オフィシャル感というか,プロフェッショナル感が出せません。

コロナ禍で,日本の後進性が,特に,強調されて,わかるようになりました。

日本のインフラは最低です。

確かに,電気・水道・ガスなどは,どのアパート・マンションにもありますが,高速光回線のWi-Fiは,すべてのアパート・マンションの必須のインフラとは 考えられていません。

もはや,先進国とは,絶対に言えないレベルです。

日本人は,まじめですから,その悪環境でも頑張る!と言うことなのでしょうが,環境は,結果を左右します。

現在,日本でも,親の所得と,子供の学業成績には,はっきりとした相関関係があります。

学業にお金を使えない人は,学業にお金を使える人に,どうしても勝てないという現状があります。

個別には,そうではない例外はありますが,大きなデータで分析すれば,お金がある人が,学業で成功しやすいというのは,圧倒的な事実であり,否定しようがありません。

成功には,お金が必要であり,学業にお金を使うことは,自分への投資になっています。

投資をしない人と,投資をする人が,勝負すれば,投資をしない人に勝ち目はありません

この国の現状は,先進国を気取ることはできないほど,落ちぶれています。

平均的な国民は貧しく,物価も安く,もはや,日本人が,自分のお金で,世界に飛び出していくということも,少なくとも,金銭的には,困難になってきています。

最近,「上級国民」という言葉が流行っていましたが,日本にも,一部に,高所得の人がいます。

たとえば,地方の中小企業では,社員さんたちは,どんなに働いても,せいぜい,手取りで,20万円台がやっともらえるという人が大半ですが,その中小企業のオーナーや社長さんたちは,月給500万円以上というのは,そこら中にあることです。

つまり,ごく一部の人は,ものすごく稼いでいる一方で,圧倒的な大多数は,貧困にあえいでいるのが,日本の現状です。

でも,日本の物価が安いので,生活が苦しいなとは思いながらも,なんとか生活はしていけるので,世の中,こんなものかと,我慢しながら,生活しています。

富める者はよりお金を稼ぎ,貧しいものは自分の貧しさに苦しみながらも,それを受け入れて,生活しています。

この流れが,変わることはないでしょう。

この国は,時間をかけて,この流れを加速しながら,衰退していきます。

知識人の多くは,このことを予言しています。

富裕層や有能な人は,どんどん,日本から海外に移住していっています。

この国に未来はありません。

すぐに,この国が亡びるとか,沈没するということではありません。

時間をかけて,いまより,どんどん,貧しくなり,富裕層や有能な人は,どんどん海外に移住し,日本に残るのは,貧困層を中心とする人々になるでしょう。

それでも,一部の上級国民は,貧困層から搾取しながら,多くのお金を儲けているでしょうが,もはや,貧困層が貧困から抜け出すのは,不可能な時代となるでしょう。

そして,時間をかけて,この国は,衰退し,経済も,衰退し,社会機能も少しずつ,失われていくでしょう。

それが,日本の未来であり,この未来を変えることは,いまのところ,不可能だと思われます。

もし,何かに希望を見出すのであれば,それは,教育への投資です。

まずは,皆さん自身が,自分の学習・学業に投資することです。

何もせず,無為無策に,今の生活に安住していたら,確実に,貧困層のままです。

さらに貧困になり,おそらく,国家も,社会も,助けてはくれないでしょう。

もし,あなたが,億万長者なら,海外に移住することをお奨めします。

もし,あなたが,超優秀な能力を持っているのなら,海外に移住することをお奨めします。

でも,もし,あなたが,そうでないなら,いま,使えるお金を自分の学びに投資することをお奨めします。

あなたが自分の学びに投資できるお金だけで,あなたの未来を変えることができるかどうかは,はっきり言って,わかりません。

しかし,何もしなければ,自分への投資をしなければ,あなたの未来は,貧困に直面します。

貧しいこの日本という貧乏国で,貧乏人として,苦しい生活をすることになります。

自分の学びへの投資をすれば,未来を変える可能性はあるかもしれません。

確実とは言えませんが,その可能性に賭けてみることしか,未来に希望を持つ選択肢はありません。

今の日本で,未来に少しでも希望を持ちたいのであれば,自分の学びに投資することです。


河野正夫


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