教員採用試験で合格するための,優れた模擬授業を行うための10か条。

模擬授業が上手になり,教員採用試験の模擬授業で合格するために,これまでもブログ等で申し上げてきたことを,もう一度まとめておきますね。

模擬授業の準備をする上で,参考にしてください。

教員採用試験で合格を勝ち取ることができるような,優れた模擬授業を行うための10か条です。

1.最初の1~3分でインパクトを持った興味づけができていること。
最初の1~3分が退屈かつ平凡だと,模擬授業はそれだけで死んでしまう。
最初の1~3分での語りの下手さは,その後の時間では挽回は困難。
語り出しのインパクトと興味付けを磨き上げること。

2.ちょっとした小ネタで授業を始めることはとても効果的。
しかし,小ネタを紹介することが授業の目的ではない。
小ネタを十分に活用しながらも,小ネタを使って何を達成するのかの目標意識が必要。
小ネタの活用はあくまでも手段であって,目的ではない。

3.模擬授業は教師が知っていることを説明したり,教師がやりたい授業技術を披露する場ではない。
あくまでも子どもにとって分かりやすいか,理解しやすいかが重要。
もちろん,教採の模擬授業では,授業者の授業力を評価してもらうのが真の目的。
しかし,子どもが聞いてもすぐ分かるということが必須。

4.模擬授業での話し方のコツは,
A.声の音量は最適音量よりちょっと大きく,
B.話のスピードは最適速度よりちょっと遅く,
C.できるだけ短文を重ねて話し,
D.重用な語句は繰り返しながら話し,
E.はっきり明確で教室の隅まで響き通ように話す。

5.なんでもかんでも,疑問文の形で子どもに話しかけない。
疑問文の形で質問していれば,子どもに考えさせていると錯覚するのは授業下手の素人の証拠。
時には,教師が簡潔に説明する方が子どもの学びになることもある。
与えるべきものは与え,考えさせるべきは考えさせること。

6.ペア活動やグループ活動を10分程度の模擬授業に入れることは,あまりお奨めできない。
模擬授業と実際の授業は異なる。採点官は受験者の授業技術を評価したいのだ。
その場にいない子どもを仮定してグループ活動をやらせてもダメ。
まずは,あなたがどのように子どもに関わるかを見せること。

7.「学び合い」などの学習活動は,10分程度の模擬授業に入れ込むのは無理。
その場に実際の子どもがいないのだから,いくら「学び合い」の考え方を信奉していても,模擬授業でそれを実演するのはほぼ不可能。
模擬授業は,あなたの教育論を主張する場ではない。あなたの授業力の基本を示す舞台だ。

8.指導言とは,発問,指示,説明の3種類。これらの指導言を簡潔かつ明確に使えるようにしておかなければならない。
これらの3つは,それぞれ独立して使うこと。
発問しながら指示をするとか,説明しながら発問するなどは,愚の骨頂。
指導言を正しく使えてこそ,授業者たる資格があると言える。

9.指導言の前には,「予告言」があった方が効果的。
「予告言」とは,発問の前なら「では,ここで,皆さんに質問しますよ。」とか「皆さん,次のことを考えてみてください。」等,説明の前なら「では,説明しますね。」,指示の前なら「皆さんにやってもらいたいことがあります。」等の言葉を置くこと。

10.模擬授業の時間内に,授業目標(めあて)が明らかになるようにすること。
模擬授業はコントではない。
授業目標は必須。
授業目標なく,面白おかしいことをしゃべるだけでは,それは授業ではない。
いくら語る力があっても,語りを授業にできなければ意味がない。そのためには目標を意識すること。

模擬授業を成功させる10か条をご紹介してみました。この10か条を意識しながら,模擬授業演習を行ってみてくださいね!


河野正夫


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