教員採用試験での不合格を分析するとは?【合格と不合格の分かれ目】第4話
教員採用試験での不合格を分析するとは,どういうことなのでしょうか?
今日は,このことについて,考えてみましょう。
まずは,ちょっとした,たとえ話から。
質問です。
健康になるにはどうしたらいいでしょうか?
一般的には,早寝・早起き・朝ごはん,栄養バランスの取れた食事,適度な運動,ストレスの解消,ワークライフバランスの確立などなど,答えはたくさんあるでしょう。
そして,上記のような答えは,一般的で,それなりに普遍的なもので,「早寝・早起き・朝ごはん,栄養バランスの取れた食事,適度な運動,ストレスの解消,ワークライフバランスの確立などなど」を行えば,多くの人が,それなりに健康にはなるでしょう。
でも,病気になった場合は,どうでしょうか?
質問です。
あなたは先週から,ずっとお腹が痛くて苦しんでいます。我慢していたのですが,今日は,特に,苦しく,血を吐いてしまいました。こういう時は,どうすればいいでしょうか?
もちろん,答えは,病院に行く,医師の診察を受けて治療してもらう,ですよね。
あなたが今,血を吐いて腹痛で苦しんでいるというのに,「早寝・早起き・朝ごはん,栄養バランスの取れた食事,適度な運動,ストレスの解消,ワークライフバランスの確立などなど」を,今これから実践してもダメです。
一刻も早く,専門の医師に診察してもらって,治療を始めてもらう必要があります。
教員採用試験の合格・不合格もこれと同じです。
合格への一般的なアドバイスはありますし,それなりに普遍的なものです。
筆記試験の準備をする。
明るく,元気に,爽やかに,面接で語る。
模擬授業の見せ方を工夫する。
面接での好印象の勝ち取り方を工夫する。
などなど,いろいろあります。
これらは,これらで重要なことです。
でも,不合格を合格に変えるという観点では,これらをすぐにやったからと言って,すぐに合格するとは限りません。
まずは,あなたの不合格の要因や不合格の現状を診断・分析する必要があります。
その上で,どのような合格戦略が必要なのかを立案し,その戦略に基づいて,具体的な改善を行っていく必要があります。
つまりは,こういうことです。
健康な人の多くが「早寝・早起き・朝ごはん,栄養バランスの取れた食事,適度な運動,ストレスの解消,ワークライフバランスの確立などなど」に気を付けているという事実は,必ずしも,血を吐いて苦しんでいる人が,今,そうすれば健康になるということを意味しません。
同じように,教採合格者の多くが,「筆記試験の準備をする。明るく,元気に,爽やかに,面接で語る。模擬授業の見せ方を工夫する。面接での好印象の勝ち取り方を工夫する。」などなどを行っているという事実は,必ずしも,不合格が続いているあなたが,今これから,そうすれば合格できるということではないかもしれません。
合格者の特徴は,ある程度,一般化できますし,普遍的な合格要因もあります。
しかし,不合格の分析は,不合格者に特有な要因を突き止めることが必要で,それをその人の課題として,診断・分析しなければ,解決のための戦略は見つかりません。
ここが科学的に思考できるか,精神論でしかないかの違いです。
医学は,当然に科学です。
病気を治療することは,まずは,科学です。
不合格への戦略も,科学です。
不合格を合格にすることは,科学なのです。
河野正夫
レトリカ教採学院
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