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「並べただけ」を卒業する音楽系まとめ記事の書き方:テーマ・コンセプト・アイデア+繋がり・流れ

※ ここでいうまとめ記事は、複数のアーティストをまとめて語るものすべてを指します。

まとめは集客力のあるコンテンツです。あなたのブログの顔となりえます。一方で「ただ並べただけ」にもなりがちです。そうではなく、整理された構成で、取りあげたテーマに起こっている「何か」を捉えたような、読んだ人がワクワクするような記事を書きたいですよね。

この記事では、そういう記事を書くためのテーマ選びから実際の書きかたまでを書いていきます。

1. 興味リストを作る

「書きたいこと」がぼんやりとでもわかっていないと何も書けませんし、読者にも何も伝わりません。「書きたいこと」をしっかりとみつけるために、興味リストを作ってください。興味リストとは、自分の興味のある出来事や、おもしろいとおもったことをひたすら書き出したものです。

分野や形式は問いません。ゲームでも政治でも、本でもラジオでも、なんでもよいです。

たとえばこんな感じ↓

・オタク文化とヒップホップ
・○○(国内若手ヒップホップアーティストA)
・××(国内若手ヒップホップアーティストB)
・「日本だけでなく海外でも」という言い回し
・DJのおもしろネームセンス
・おもしろツアー名
・海外メタルバンドメンバーのゲーム実況動画
・音楽家や音楽ライターが育児やグルメについて発信すること
・本『△△××○○』
・ゲーム『×○△■』

このリストから、まずはテーマを選びます。

(興味リストはまとめ記事だけでなく、あらゆるアウトプットの基礎となります。多少時間がかかっても完全なものを作っておくのをオススメします)

2. リストからテーマを決める

リストの中から、まとめ記事にできそうな話題を拾い上げて「テーマ」として仕上げます。基本的には自分の一番興味のあるもの・書けそうなものから選ぶとよいです。

ただ、テーマの範囲は気にしておいてもいいかもしれません。ある調査によると、新規読者は1000文字以下、リピーターは3000文字以上を好むようです(ただし、リアルサウンドは2000文字前後の記事が多い)。記事が2000~3000文字の範囲に収まりそうな場合、テーマを縮小 or 拡大して、文字数を減らし or 増やすとよいでしょう。ただし、構成や調査がしっかりしていれば、最近は50バンド並べていたり2万字を超えていたりしても多く読まれる傾向にあるように思います。基本的には3000文字以上を目標にするといいです。

以下、前段の興味リストをもとに少し具体的に考えてみます。

「おもしろツアー名」や「海外メタルバンドメンバーのゲーム実況動画」、「国内若手ヒップホップアーティスト」
 → そのまままとめ記事にできそうです。また、「海外メタルバンドメンバーのゲーム実況動画」を「メタルバンドメンバーのゲーム実況動画」に拡大したり、「国内アーティストのゲーム実況動画」と変化させたりもできますね。

「音楽家や音楽ライターが育児やグルメについて発信すること」+「海外メタルバンドメンバーのゲーム実況動画」
 →要素を抜き取って「音楽家のグルメリポート動画まとめ」というテーマも考えられます。また、このテーマの範囲が広すぎたら「ロックバンドのグルメリポート動画まとめ」と縮小化できます。

テーマの範囲は書きながら調節します。あまり悩まずに、「これおもしろそうだな」とおもったらとりあえずそのテーマで書きはじめてしまいましょう

テーマが決まったら、コンセプト(What, 何を伝えるか)を考えます。

※採用・不採用にかかわらず、考えたテーマは興味リストにまた加えておくとよいでしょう。

3. コンセプト:伝えたいことをみつける

「ただ並べただけ」のまとめ記事から卒業するのに一番重要なのが、コンセプト(What, 何を伝えるか)です。コンセプトは「あなたがそのテーマの何をおもしろい・意味があると思っているか」と言いかえることもできます。たとえば「日本の若手ヒップホップアーティストまとめ」なら、海外との同時代性なのか、多様性なのか……。

コンセプトはあなたの価値観を映し出し、記事に軸を通します。軸の通った記事の積み重ねが、あなたのブログっぽさを形づくっていきます。あなたに共鳴してくれる読者も増えるに違いありません。

といっても、コンセプトを事前に明確に言語化できるケースはそう多くありません。書いている途中や、書きあがったあとに「あ、自分はこういう点をおもしろいと思ってたんだな」と気づく場合も多々あります。

というわけで、コンセプトをみつけるために、まずそのテーマの中心となるアーティスト・出来事を3~5つほど書きだして、概要を書いてみましょう。そうすると、それぞれの項目の類似点と相違点がみえてきます。その類似点と相違点を意識しながら、さらに項目を付け足したり、構成を練ったりすることで、自然とまとめにコンセプトがみえてきます。この辺の書きかたはのちほど説明します。

……ちなみに、「おもしろツアー名」のような、テーマがそのままコンセプト(おもしろさ or おもしろくなさ)になっているものは、コンセプト探ししなくてよいので楽です。

コンセプトによって書き方が変わる
とはいえ、コンセプトは記事の書き方にも関わるので、早めにわかるに越したことはないです。

たとえば同じ「国内若手ヒップポップアーティストまとめ」でも、コンセプトが違えば取りあげるミュージシャンも語りかたも違うものになるでしょう。

海外との同時代性を伝えたい
海外のトレンドと合うようなミュージシャンを取りあげ、音楽性の比較や当人らの海外シーンへの造詣を中心に説明する。

音楽性の広がりと多様性を伝えたい
硬派なグループからアイドル、アニソンまで取りあげ、それぞれのシーンの特徴を説明する。

あふれる「好き」を伝えたい
好きなミュージシャンを集めて、どこがどんな風に好きかを熱っぽく語る。

もちろん、これらすべてを詰め込むこともできます。その場合、後述の構成が複雑になる点には注意が必要です。

コンセプトは具体的なほうが書きやすいですし、読むほうもわかりやすいです。たとえば3つめの例「溢れる『好き』を伝えたい」はもう少し具体的にしたほうがよいでしょう。ここ数年で目立つようになった「好き」をエモーショナルに語るような記事も、実はコンセプトが具体的なことがほとんどです。

4. アイデア:どのように伝えるかを考える

テーマ、コンセプトとは別に、アイデアも考えましょう。

アイデアは「How, どのように伝えるか」です。読みやすさ・伝わりやすさに関係します。適切なアイデアにすると、閲覧数やシェア数も大きく伸びるでしょう。

たくさん紹介するのか。ランキング形式にするのか。時系列順にするのか。テーマごとに書くのか。分類して整理するのか。研究的に書くのか。ネタっぽく書くのか。エモーショナルに書くのか。擬似対談形式にするのか……(そもそもまとめという形式もアイデアのひとつともいえますね)

コンセプトが伝わりやすいようにアイデアを決めていきます。想定読者との相性にも気をつけてください。また、範囲が広すぎるテーマの範囲を、「トップ10」といったアイデアで擬似的に狭めることもできます。

ただし、アイデアにはかなりの種類があるうえ、何が正解なのかがわかりにくいところでもあります。基本的には「自分が書きやすい・おもしろいと思った書きかたで書く」でよいです。

困ったらランキング形式にしてみる
「自分の書きやすい・おもしろいと思った書きかた」がわからない場合、とりあえずランキング形式をオススメします。

・構成が勝手に決まる
・ボリュームの調節がしやすい
・読者もわかりやすい
・価値観が強くでやすい(話題になりやすい)

と良いことづくめです。

ただ、テーマとコンセプトが練られていないとよくある凡記事になってしまうので注意してください。また、毎回ランキングだと飽きられます。さまざまなアイデアを試して周囲の反応をみながら、語り口のバリエーションを増やしつつ得手不得手を見極めるのをオススメします。

5. 繋がりと流れを駆使して構成を考える

ここからは、実際の文章の書きかたについて説明していきます。

ここでは繋がり流れを意識しましょう。

(1) 繋がり:類似点と相違点を意識する
ここでいう「繋がり」は、ひとつひとつの項目の関係性です。類似点と相違点を意識してミュージシャン・作品を繋げていきます。

類似点と相違点を組みあわせていくと「そのテーマに起こっているおもしろい何か」≒コンセプトが浮かび上がってきます。たとえば「日本の若手ヒップホップアーティスト」という大きな類似点の中でも、地域に着目すると細かい違いがある。逆に、これまではまったく別物として考えられていたアーティスト同士に、思わぬ繋がりがある。そうして色んな項目が繋がり、比較されていく文章は、読み手に「何か」の存在を予感させる、ワクワクするもになります。

また、単純にテクニカルな点でも役に立ちます。類似点は項目同士の繋がりをスムーズにする働きがあり、散文感・凸凹感を薄めます。相違点は逆に文章に引っかかりと広がりを生みます。類似点とあわせることでスムーズさにもひと役買います。読者にとって読みやすく、飽きにくい文章になるのです。

類似点と相違点を文章に組み込むには?
類似点と相違点では、以下の4つの点に着目するとよいです。

・音楽性:繋がりの基礎となる。
・人間関係:音楽性の繋がりを強化するほか、思わぬ繋がりもみつかりやすい。調べやすい。
・地域:音楽性や人間関係と深く関係している。
・時代:時代で整理するのは基本中の基本。

これらは情報として比較的調べやすいので、類似点と相違点も捉えやすいです。もちろん、社会性、政治、言語など、これ以外にもさまざまな観点があります。状況に応じて視点を広げていくとよいです。

例をあげましょう。

ラッパー A
早口でまくしたてるようなラップが特徴。

ラッパー B
ラッパー A とおなじクルーに所属している(類似点:人間関係)。A と対照的にひとことひとことを噛みしめるようなフロウが特徴(相違点:音楽性)。

ラッパー C
噛みしめるようなフロウといえばこのひとも(ラッパー B の相違点から展開した類似点:音楽性)。

ラッパー D
噛みしめるようなフロウ(類似点:音楽性)の元祖はラッパーDだった(相違点:時代)。ただしラッパーCとはトラックとの合わせかたが異なる(相違点:音楽性)。

このように、類似点と相違点で各項目を繋げていきます。

(ちなみに、ランキングや時系列順などのアイデアを採用した場合、その時点で繋がりと流れの大部分ができあがっています。そういう意味でも楽です)

(2) 流れによって整理されたまとめになる
ただ項目同士を繋げていくと、話題があっちこっちにいってまとまりがなくなってしまいます。項目自体も、その項目を説明する情報も、最終的にはコンセプトを読者に伝えるために必要なものだけを取り上げるようにしましょう。そうすることで、文章に流れが生まれます。流れは「情報を並べただけの記事」を「整理されたまとめ」にします。

ひとつひとつの項目が繋がり、すべてがコンセプトに向かって流れている状態が理想です。

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(項目をあらわす ○ が繋がってかたまりをつくり、すべてがコンセプトに向かう。コンセプトという串に項目で練った団子を通していくイメージでもいいです)

こうすると記事に一貫性と奥行きがでます。

たとえば「2010年代の日本におけるヒップホップの多様化と文化成熟」というコンセプトだと以下のようなかんじ。(あくまで例で、実情をあらわしたものではありません)

ヒップホップファン向け(便宜上「本格派」とします)
・海外トレンドを取り入れたラッパーが増えている。
・ラッパーAは、海外のプロデューサーAを迎えている(コンセプトに繋がる情報)
・いっぽうで、国内独自の進化を遂げたものも多い(相違点)。

非ヒップホップファン向け(便宜上「普及型」とします)
・国内独自(類似点)といえばアニメやアイドルへの普及も目覚ましい(本格派に対する相違点)。これによって、これまでヒップホップを聴かない層へのラップの普及に繋がった。
・非ヒップホップリスナーへの普及ということでいえば(類似点)、ネット配信などで人気を博すアマチュアラッパーも増えてきている。ただし、これは海外(相違点)と同時代的(類似点)に起きている。

最後に多様性と文化成熟について、それっぽい言葉でまとめます。

図にすると以下のような形になります。

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(海外トレンド、国内独自、ネット文化、アニメ親和性という項目がすべてつながって、最終的にコンセプトが導かれる)

そうすると、各項目が絡みあい、ひとつのコンセプトに向かっていく流れが生まれます。読者は物語が大団円を向かうような爽快感を受けることでしょう。

ウェブ記事的な流れも意識する
ただ、今のウェブだと、がちがちに構成した記事より、200文字前後で意見が完結する文章がたくさん並んでいるような記事が好まれる印象もあります。まとめサイト的な記事といえばいいでしょうか……。そのため、トピックごとに小さい結論を細かく出すような流れにするとよいです。

6. きちんと調査する

記事を書いている途中で「あ、ここについてあんまりわかってないな」「ここ情報が足りないな」という部分が必ずでてきます。そこを放置して書き進めると記事の質はさがります。「不足していると感じたら調べる」を意識しておきましょう。また、調べてもわからなかったら「わからなかった」こと込みで書きます

7. まとめ

(1) 興味リストを作る
(2)~(4) テーマ・コンセプト・アイデアをはっきりさせる
(5) 繋がりと流れを意識する
(6) きちんと調査する

そのうち、私の過去の記事をもとに、私の具体的な書きかたをみていく記事も公開しようとおもいます。そのうち……

Photo by Janita Sumeiko on Unsplash

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