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サーベロ S3 verRIM IMPRESSION!(後編)

納車翌日にチームの練習会で限界域での潜在能力を見せてもらった。自分はパワメを着けていないのと、サイコンを変える予定ということでノーデータ、完全感覚頼りでの走行となった。
メンバーの中にTOKYOエンデューロの優勝メンバーの内の二人(E3ランキング1位と四日市ジュニア5位)と、全日本TT U-17 5位がいる。かなり強烈なメンバーだが、そこはチーム内唯一のE1レーサー(要らねぇプライドだ!)として意地でも着いていくし、引きまくる。

THAAD IMPRESSION:エアロ?感じません。

集合地点のコンビニまで家から45分、とりあえずウォーミングアップとして52-17でそれなりに踏みながら走行した。今日(12月15日)はやけに風が強く、まともに前に進まない。ひとまず感じたことは、「横風に煽られまくる」ということである。

まあこれに関してはわりと仕方のないことであるのだが…。リムシェイプ(リム外幅26㎜)やリムハイト(50㎜)からして、横風耐性は高くないことが簡単に伺える。
そんなホイールを着けたバイクで、「煽られません!横風だろうが向かい風の中だろうがぐんぐん進みますよ!」なんて言ったらそれこそステマだ。
横風に関してはホイールの影響が強いので、これに関しては仕方ない。

肝心のフレームの空力性能だが、横風に煽られるということで強く体感できた。どういうことか。本来横風に煽られるのはホイール等の操作軸だ。そこの面積を減らせば物理的に風に煽られなくなる。いや、煽られるという表現が少々分かりにくいか。これからは引っ張られるという表現にしよう。これに関しては空気抵抗を少し勉強すれば合点がいくか。(そこら辺の解説は大手サイトや有名ブロガーの方に任せようか。)風に引っ張られる感覚はホイール主体であり、多少なりともフレームや人の体も風に引っ張られる。そう、多少なのだ。もちろん走行中はヨー角といって、横風でも斜めからの風として計算するため、人体は横風でも向かい風と同じように感じることが多い。

このサーベロ S3というフレームは、横風に全く引っ張られない。以前のフェルト F75にキシリウムエリートを着けた場合と比較すると、前者はホイールが、後者は自転車ごと押される感覚だ。どちらが危ないかは一目瞭然だが、フレーム単体で考えるならば、サーベロ S3は至極横風に強いフレームと言える。

では単純なエアロ性能はどうか。これに関してはインプレは少なくとも今日の時点ではほぼ不可能だ。これに関しては期待されていた方がいるだろう。申し訳ない。ただ1つ感じたのは、爆風吹き荒れるなかでの集団走行で、トレイン後方で明らかに楽が出来るということだ。ここまでの横風&爆風だと、集団後方ですら脚が削られるのが普通だが、向かい風に風向きが変化した瞬間、一気にペダルが軽くなる。辛いことには変わらないのだが、集団の中に居るときでも多少風を感じていた以前のフレームより、明確に風の存在感が弱まった。

FORTH IMPRESSION:快適なフレーム

昨今インピーダンスロスという言葉をよく聞く。これは私がバイク選びでかなり重要視した要素の1つだ。どんなに進むフレームでも、ショックを吸収してくれないフレームは疲れる。その点に関してサーベロというメーカーは、持ち前のカーボン成型技術で対応した。タイヤがクリンチャー(完成車ママ)、7気圧入れた上で走ったが、伝わってくる振動が弱く感じる。どこか角がとれて、スッキリと振動のコアだけ通してくれる感じだ。振動の収束はそこまで良くはないが、そもそも振動が打ち消されている感覚か。ギミックで対応したアメリカメーカーと、純粋なカーボンレイアップで対応したフレンチの混ざったカナダメーカーの気質の違いを感じた。明らかにフレームが振動を打ち消している。エアロロードにしては快適というレベルではない。全バイクの中でも快適性は上位にあるのではと思う。証拠として、ライド後半に疲れを感じなかった。今まで通り踏めたのである。

統括的インプレッション

さて、とりあえずは私の感じたことはこのようなことである。まだ感じたことは多々あるので、逐一追加していくつもりだ。その際は他の記事に纏めようと思う。まだまだ書ききれてないことは多い(特に加速性やエアロ性能、登坂等)ので、しっかりと次の記事で記そうと思う。

このフレームは確かにミドルグレードのフレームだ。フラグシップではない。ブロ選手が使うことはあっても用途は限定的。しかしこのバイクの魅力はもっと近く、私が忘れてしまった感覚を呼び戻してくれるような、官能的な所にあるのだろう。望んで購入したフレームではないが、もともとの期待値が低いからこそ見えてくるものも大きい。何度も言うが、このフレームは速い。しっかりと決戦用のホイールに変えれば課題の登りもなんなくこなすだろう。

私はこのフレームが気に入った。4年間しっかり使わせてもらおうではないか。

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