ホイールの結線についての考察

SACRAの結線云々についての発言で気になったことがあるので自分なりの結線についての考察を落とそうと思う。

まずは自分の立場、意見を明確にしよう。

・結線についてはどうでも良いと思ってる。
・ホイールに関しては体やフレーム、タイヤとの相性が大切。
・過剛性だと進まない。

というところか。

私としては結線されたホイールで一つ良いことがあった。それは西武園競輪場にて計測した1kmTTで1分13秒というタイムを出せたことである。

それなりに気温が高く、風もない好条件とは言えど、ホイールはスポークホイール(わっぱ)でDHバーを使用していない。調子はよかったが、それ以来ほぼ同条件だと1分14秒程のタイムになることから、やはりホイールが良かったということもあるのだろう。

なら何故に結線に対して私はそこまで肯定的でないのか。理由は「スポークホイールのメリットが薄くなるから」ということに限る。

そもそも私はトラックが専門ではない。どちらかと言えばロードが専門だ。故に私のペダリングはトルク型、つまり踏む、引くという一連の動作が長く続くタイプだ。

そういうタイプは基本的に柔らかくしなやかなフレームだと相性が良い。というより瞬間的な「タメ」があるとペダリングのリズムが合いやすい。

つまりスパーンと加速するより、リズムをとりつつ加速するフレームと相性が良いのである。

ホイールに関しても同じだ。私はフルクラムのホイールは根本的にダメだ。ダンシングのタイミング、ペダリングのリズムが全く合わない。キシリウムも軽く硬めのリムなので許容範囲内ではあるものの、少し合わなかった。

逆に剛性が低い10年前のイーストンEA90SLXは、リム剛性が低く(その分かなり軽い)、チームの仕様でスポークのテンションが高いこともあり自分のリズムにピタッとハマったホイールだった。

スポークの僅かなたわみと、リムのたわみ、フレームのたわみが偶々ジャストミートだったわけだ。ここに結線が入るとどうだろう。イーストンのリアは2-1組なので結線できる場所は限られてくるが、やはりリムのたわみ方が変わってくる以上リズムは狂うだろう。

しかしトルク変動の少ない回すペダリング(ケイデンス型)だと話は違ってくる。彼らは常にクランクにトルクをかけられるので、剛性は高いほど相性が良くなる。限度はあるが、柔らかいホイールのリズムを変えるため(剛性を上げるではない)に結線をするのはアリだ。

そもそもスポークホイールのメリットとは、単に振動吸収性が高いことである。そのメリットを薄くしてまで結線をするメリットは私にはない。

そもそも結線をしたところで、構造体としての剛性は上がらない。単にスポークテンションを見かけ上高めているだけである。駆動剛性もそこまで上がらない。それならスポークテンションを上げた方が良いだろうと思う。

結論

結線をするべき局面、すると良いかもしれない乗り手

・競輪選手(前輪は絶対的に必要だと思う)
・高回転系のペダリングをする選手
・ホイールのリズムを変えたい時
・フレームが柔らかく、ホイールが共ブレして進まない時

結線をすべきでない局面、しなくても良い乗り手

・非競技者
・トルク型ペダリングの選手
・硬いフレームを使用している選手
・ジャイアント、カデックスのホイールを使用している選手

というところか。私個人は結線否定派ではない。しかし結線肯定派でもない。結局は相性なのだ。

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