見出し画像

『骨髄バンクドナー登録体験記』


 この度リレー・フォー・ライフ・ジャパン滋賀医科大学実行委員会の実行委員2名が、骨髄バンクのドナー登録を行いました。登録の流れや感想を包み隠さずお伝えしたいと思います。これを読んで、一人でも多くの方にドナー登録に興味・関心を持ち、登録をご検討いただければ幸いです。

またこちらのファイルからもお読みいただけます↓

【実行委員A】

はじめまして、僕は20歳の男子大学生。RFLというがん征圧のためのチャリティーイベントの実行委員をしています!今回は、僕の骨髄バンク登録の体験についてお話させていただきたいです。

骨髄バンクとは、白血病など血液の病気により、正常な血液が作られなくなってしまった患者さんに骨髄移植や末梢血幹細胞移植を行うためにドナーとなりうる人のHLAデータを調べて登録しておく機関です。骨髄バンクに登録することにより、患者さんが求めるHLAの型と一致したHLAを持つ健康な人がすぐにドナーとして、骨髄または末梢血幹細胞を患者さんに提供することができるようになります。たくさんの患者さんを救うためには、できるだけ多くの人の骨髄バンクへの登録が必要になります。

 最初は自分も「骨髄バンクに登録するくらいならなんてことないから、ぱっと登録しちゃおう」それくらいに考えていました。しかし、骨髄バンクに関して詳しく調べているうちに、そうでもなくなってきました。自分が登録するかどうか悩んでいた理由は3つあります。1つ目は、骨髄バンクに登録して自分のHLAと適合する患者さんが見つかった時に、自分が骨髄や末梢血幹細胞を提供できない状態であったら、責任感や罪悪感に苛まれてしまいそうだと感じたことです。例えば、適合通知が届いた時、自分が血液の病気であったり、自分の大切な人が大変な時であったりした場合を考えました。骨髄バンクに登録したのにも関わらず患者さんを救うために自分がドナーとなることができないとき、救える可能性のある命をそこで見捨ててしまうという決断になりかねないという点が難しいところでした。2つ目はドナーへの侵襲です。骨髄移植では骨盤の髄液を採取するため、術後の痛みが数日間続くことや、ごく稀に穿刺部付近にしびれや痛みが長期間残る知覚的症状が現れることがあるそうです。そこへの恐怖は少しありました。3つ目は、自分が骨髄バンクに登録することについて、1つ目や2つ目などの理由で、自分の周りの大切な人たちが、負の感情を持ってしまうかもしれないということでした。これらのことを考えると、骨髄バンクに登録するかどうか悩みましたが、答えは出ませんでした。でも登録の前にずっと考えていても自分に答えは出せないとも感じました。だから、登録会場に行ってみないと始まらないと思い、骨髄バンクに登録してみることにしましたが、登録の説明をしてくださった方は優しく説明してくださった上、大学の授業で扱った内容とも深く関連していたので少しだけ親近感が湧きました。骨髄バンク登録に対して、僕が抱えている以外にも様々な悩みがあると思いますし、それが登録前に解消されるものかどうかもわかりません。しかし、誰かの骨髄バンクへの登録が誰かの尊い命を救うことに繋がるなら、それはきっととても素敵なことだなと思います。

【実行委員B】

 はじめまして。私は今年のリレフォのイベントで白血病に関する企画を担当することになり、白血病と骨髄バンクについてある程度勉強することができました。そして気づいたら骨髄移植可能年齢の20歳に自分がなっていることに気づきました。献血にはよく参加していたため、骨髄バンクの存在はよく知っていました。正直このままだとずっとドナー登録することはないだろうし、せっかく今年のリレフォのイベントで白血病に関する企画を担当することになったのだから、何かのご縁だと思い、ドナー登録を決めました。正直1人では少し寂しかったので実行委員の中で一緒に登録してくれる方を募集したら、1人いてくださったので嬉しかったです。在学中にもし骨髄提供をすることになったときのために、学生課の方に骨髄提供で授業や実習、試験を休む必要がある場合どのようにすればよいのか尋ねました。すると「各授業の担当教員がやむを得ない理由での欠席と判断されたら、欠席が認められて追試などの対応が取られる」とのお返事をいただきました。出席に厳しい先生だったら無理だなと思いましたが、まあなんとかなるだろう、なんとかするのだろうと楽観的に考えることにしました。

 びわ湖草津献血センターで献血と一緒に登録することにしました。実際に行くと「滋賀骨髄献血の和を広げる会」という、滋賀県内で骨髄バンク啓発活動をされている団体の説明員の方がとても丁寧に、かつテキパキと説明してくださり、本当にわかりやすかったです。些細な質問にも丁寧に答えてくださいました。ドナー登録について調べていたものの、知らないこともあり、登録会に参加してしっかり説明してもらえて良かったと思いました。登録を決めるまではかなり悩みましたが、実際に登録するとなったら案外直前で迷うことはありませんでした。なぜなら正直今の自分の状況を考えると、迷う行為はあまり意味がないなと思ったからです。移植を受ける方の病状にも左右されるし、HLA一致の通知が来てもそのときの自分の状況次第だなと思ったのです。

 ドナー登録に関する様々な同意書にサインをして、自分のドナーカードをもらって、いよいよ採血に向かいました。いつもの献血の流れとどこが違うのかなと思っていたら、献血前の血液検査(ちくっと薬指の先から血をとるやつ)の代わりに献血をする逆の手から2ml採血されただけで、他は普段の400mlの献血となにも違いませんでした。ほんとに簡単だなと思いました。採血してくださった看護師さんに、ドナー登録までして偉いね!と言われて純粋に嬉しかったです。これは余談ですが、びわ湖草津献血センターでは、自動販売機にある飲み物が飲み放題で、好きなお菓子も1つもらえて、待ち時間に漫画も読めて、次の献血は絶対ここでしようと決めました。

 若い人のほうが40代50代の方よりも、健康で骨髄の状態がよかったり、移植可能期間が長かったりするので、私たち若い人に登録をしてもらうことが大切なのだということを、登録員の方が教えてくださいました。私たち若い世代の登録者数が増えるといいなと思いました。そのためには、骨髄バンクの正しい知識を啓発したり、休暇制度を充実させたりする必要があると感じました。また本人の登録しようという意思だけでなく、家族や周りの人の理解も必要だと思いました。

 しばらくして白血病と骨髄移植を経験し、元気に過ごされている方とお話させていただく機会があったのですが、その方が、僕がドナー登録をした話を聞いてとても喜んでいらっしゃる姿を見て、自分のした登録が本当に意味のあるもので、登録してよかったと感じました。

【おまけ】
今回ドナー登録をして、頂いたものを紹介します。

重要情報の再確認の紙
日本骨髄バンクの広報誌『NEWS』
ドナー登録のしおり『チャンス』
骨髄バンクの漫画『モリオの冒険』
骨髄バンク・臍帯血バンク ハンドブック『いのちのバトン』
ドナーカード
献血で頂けたもの(ティッシュ、ラップ、モバイルバッテリー、ハンディファン、お菓子など)














よろしければサポートお願いします!頂いたサポートは、がん患者さんやがん研究のための資金に使わせていただきます。