見出し画像

収益で見るバルセロナの移籍事情 2021夏~前編~

こんにちは!近年サッカー界ではピッチ外の問題が大きく話題になったことを皆さんも覚えてるでしょうか?特にFFPなどのお金に関する問題についてです。バルセロナも他人事ではなくアルトゥール・ピャニッチの件でも大きな話題になりました。

そのことについて大手の雑誌に特集が組まれるほどサッカー界での注目度は高まったように感じます。

例えば、移籍金が1億€だとしてもクラブの収益として1億€そのまま入ってくるわけではありません。そこでバルセロナにおける移籍金ではなく、収益ではどうなるのだろうか。と疑問を持ったので少し調べて見ました。暇つぶし程度になれば幸いです。

以下、注意点です。

・今季で契約が切れるメッシは除く
・ミンゲサやモリバ等のBチームの選手は除く
・上記以外のトップチーム22名を計算
・バルセロナに支払われる移籍金は、現在(2021/5/12)の市場価値がそのまま支払われたと仮定する。
・参考として、売却の可能性がない選手も記載
・黒い背景の部分は(最高市場価値 / 現在の市場価値 / バルサ加入時の移籍金)


勿論「高い収益を得られるので、この選手は売却すべき」とは全く思っていません。なぜこの選手じゃなくてあの選手が売られようとしているのか?などの疑問を解決するための一つとして考えてくれればと思います。

では前編では22名の中から収益を得やすい11名を紹介していきたいと思います。



1. Ansu Fati

最高市場価値 €80m / 現在 €80m / 移籍金 €0

現在怪我に苦しんでいるアンスですが、彼の市場価値はメッシとフレンキーと同じくバルサでトップの8000万€。

また彼の移籍金は0円なので、(放出時の)移籍金がそのまま収益になると考えます。

なので、収益は8000万€

また、これはブスケツ、リキ、セルジロベルトにも同じことが言えるので、彼らの収益の説明は省き、収益金額のみ記載します。



2. Marc-André ter Stegen

最高市場価値 €90m / 現在 €75m / 移籍金 €12m

2014年5月にボルシアMGから1200万€(5年契約)で加入したテアシュテーゲン。現在まで2017年に5年、2020年に5年の契約延長を行なっています。

なので、延長前後で簿価の変更があります。2020年の延長時の簿価は192万€。延長後から1年の売却と考えるので(実際は7ヶ月)移籍時の簿価は153.6万€。

テアの市場価値は7500万€なので、この金額を移籍金と仮定すると、収益は7500万 - 153.6万 = 7346.4万€になります。

市場価値が高く、移籍時の簿価がかなり低いので、収益が大きくなっています。



3. Pedri

最高市場価値 €70m / 現在 €70m / 移籍金 €21m

2020年8月に2年契約でラス・パルマスから加入しました。移籍金はボーナスを含めて2100万€と考えます。

彼は契約更新を行っていないので単純に考えることができます。1年あたりの減価償却費は1050万€、加入してまだ一年なので、移籍時の簿価も同額。

よって収益は、7000万 - 1050万 = 5950万€ 

獲得時の移籍金に対して、現在の市場価値が高いので、収益が大きくなる結果になりました。



4. Sergi Roberto

最高市場価値 €60m / 現在 €25m / 移籍金 €0

収益は2500万€。



5. Jordi Alba

最高市場価値 €70m / 現在 €25m / 移籍金 €14m

2012年7月バレンシアから1400万€、5年契約でバルセロナに加入。そして2015年6月に5年、2019年3月に5年の契約延長を行いました。

そのためテアシュテーゲンと同様に、計算がややこしくなります。計算過程は省きますが、延長後の一年あたりの減価償却費は22.4万€。2021年夏に売却すると仮定するので、延長後から2年での売却になります。

つまり、移籍時の簿価は56万€。移籍金は現在の市場価値2500万€が支払われると仮定するので、収益は2500万 - 56万€ = 2444万€

加入時の移籍金が低く在籍年数が長いので、移籍時の簿価が低くなり、移籍金に対する収益が多く得られる結果になりました。



6. Ousmane Dembélé

最高市場価値 €120m / 現在 €50m / 移籍金 €135m

バルサ史上初の1億ユーロ超え選手としてバルセロナに加入したデンベレ。また100試合出場のため+2000万€され、移籍金は1億3500万€になります。

5年契約での加入、今年で4年目のため、累計の減価償却費は1億800万€。つまり、移籍時の簿価は2700万€になります。

よって収益は5000万 - 2700万 = 2300万€になります。

ただ、デンベレがここまで安く売られるとは思いません。もし移籍金を7000万€と仮定すると、収益は7000万 - 2700万 = 4300万€になり、移籍金次第ではかなりの収益を得られることになります。



7. Ronald Araújo

最高市場価値 €25m / 現在 €25m / 移籍金 €5.2m

2018年8月に170万€(現在520万€)で5年契約を結び、バルセロナBに加入しました。そこから2019年10月にトップデビュー。今シーズンからトップチーム昇格を果たしました。

アラウホは加入3年目。よって移籍時の簿価は208万€。

よって、収益は2500万€ - 208万€ = 2292万€

移籍時の簿価がかなり低いため、大きな収益を得られる結果になりました。



8. Frenkie de Jong

最高市場価値 €90m / 現在 €80m / 移籍金 €86m

2019年7月にボーナスを含む8600万€、5年契約で加入したフレンキー。

昨年10月に2026年までの6年間の契約延長を行いました。その為延長前後で簿価が変動します。
延長時の簿価は6880万€。延長後から1年(実際は7ヶ月)での売却により移籍時の簿価は5733.3万€。

よって収益は8000万 - 5733.3万 = 2266.67万€。

まだ在籍年数も短く、移籍金も高かったので、移籍時の簿価は高くなりました。

彼は市場価値が高いため、ある程度の収益は得られますが、移籍金に対しての収益は低くなります。



9. Riqui Puig

最高市場価値 €25m / 現在 €18m / 移籍金 €0

収益は1800万€



10. Sergio Busquets

最高市場価値 €80m / 現在 €10m / 移籍金 €0

収益は1000万€



11. Sergiño Dest

最高市場価値 €25m / 現在 €25m / 移籍金 €21m

バルセロナ初のアメリカ人選手として、2020年10月に2100万€、5年契約でバルセロナに加入しました。

加入1年目なので、累計の減価償却費は420万€。移籍時の簿価は1680万€。

よって収益は2500万 - 1680万 = 820万€。

一年目の選手にしては収益を得やすい結果になりました。



最後に

どうでしたでしょうか?恐らく、収益を得やすいこの11名は残留すべき選手が多かったのでは、と思います。

つまり後編で紹介する収益が得にくい11名の選手に、売却候補の選手が多くいます。(言い換えると、お金に困った時に前編で紹介した11人が、アルトゥールの様に売却されやすい。)

また、カンテラの選手が収益を得やすいことも分かったかと思います。カンテラの選手は全員この11名に入っていました。
バルトメウがカンテラを売っていた理由の一つも、このためではないでしょうか。

ここまで読んんでいただきありがとうございます。少しでも参考になれば幸いです。

後編では、収益を得にくい11名を紹介するので、そちらも是非読んでみてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?