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バルセロナ所属の”幽霊選手” マテウス・フェルナンデスとは

2020年の11月にこの記事を書きましたが現在見れない状態なので、noteに再考したいと思います。また執筆してから7ヶ月ほど経っているので時間があれば、新しくマテウスフェルナンデスについて書こうと思います。

今回はマテウスフェルナンデス選手について書いてみます。
先日Hikotaさんの「みんなで作るバルセロナ名鑑」にて、マテウスフェルナンデスを書かせていただきました。ここでは500文字程度しかかけなかったのでなぜこの様に書いたのか等を説明していきたいと思います。

獲得経緯等書いてるのでまずはこちらを読んでください!!⬇️
https://note.com/hikota/n/nce4b59c7a745

調べた分できるだけ書こうと思ってますので気になるとこだけでも目次から見てください笑

あくまで考察記事です笑。



選手概要

バルセロナ公式サイトではこう紹介されています。

"ブラジル人選手は、その優れた守備能力と後ろからのボール出しに長けている"
マテウス・フェルナンデス・シケイラは、1998年6月30日に、イタボライ(ブラジル)で生まれた。バルサに2020年、冬の移籍でやってきたが、バジャドリードに半年間、レンタル移籍した。ミッドフィルダーは、ボラフォゴのユースカテゴリーでスタートし、2016年にトップチームでデビューを果たした。ボタフォゴのトップチームで過ごした2年間で、76試合に参戦し、2得点4アシストを決めて、2019年にパルメイラスに移籍した。その前に2018年、ブラジルのカンピオナートを制覇している。

経歴

2016-2018 🇧🇷ボタフォゴFR
2019-2020 🇧🇷SEパルメイラス
2020 →🇪🇸バジャドリード (loan)
2020-   🇪🇸FCバルセロナ

パスブロック

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(2枚目: 2017年 3枚目: 2018年)
これはピッチのどこで、どのようなプレーが多いのか?について表しています。

中央で黄色が意外と多いことから長いパスは得意のように思えます。そしてサイドの方で紫に近い色があるので、サイドでドリブルを仕掛ける選手ということが分かります。



比較

次に「デヨングとブスケツ」と「マテウスフェルナンデス自身」との比較をしていきます。

デヨングとブスケツは2019-20シーズンのリーガのデータ、マテウスフェルナンデスは2018年ボタフォゴRF時代のデータと比較します。


「デヨングとブスケツ」との比較

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 2人より優れている点
・Shoot(シュート)
・Dribble(ドリブル)
・Aerial(空中戦)

シュートの意識は中盤の選手にしては高い数値だと思います。(シュートの巧さについては後述します。)そしてドリブルですがブラジルの選手なのでここは上手そうです。ただバジャドリードでの試合では特に仕掛ける様子はありませんでした。バルセロナ的に嬉しいのは空中戦の強さです。バジャドリード時代の試合を見ても、ここはバルサの選手の中では強い方だと思います。

 2人より劣ってる点
・Ball retention(ボール保持力)
・Link up(連携)
・Ground duels out of poss(タックル)

ここにおいてGround duels out of possの数値の低さは、「タックルの悪さ」を表します。守備が上手いと選手名鑑で書いた気がしますが、これを見るとタックルで奪う守備は上手なくないかもしれません。

そしてバルセロナの選手において致命的なのは「ボール保持力」と「連携の低さ」です。これについても後述します。


マテウス自身との(2017,2018,2019)

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(赤い丸:数値が高い 青い丸:数値が低い)
上から2017年(ボタフォゴRF)、2018年(ボタフォゴRF)、2019/20(バジャドリード)です。

まず数値が高い赤い丸を見ていきます。3年間とも数値が高かったのはShoot, Dribble, Ground duels in possです。
特に中盤からのシュートがバルサは少ないので、これは良い点です。Dribble,Ground duels in possが高いことから、前に運ぶ能力が高いということが分かります。

次に青丸を見ます。Ball retention, Link up, Ground duels out of possが3つとも特に低いです。デヨング・ブスケツと比較した通り、ボール保持・連携面・タックルの数値が低いです。

ただこれはあくまでボタフォゴ・バジャドリードでの数値です。なのでそのチームのプレースタイルに数値が影響するので、必ずしも弱点とは言い切れません。



優れた後ろからのボール出し

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CRヴァスコダガマvsパルメイラスの試合(スタメン出場の 6試合の内の1試合)を例に説明します。

CRヴァスコダガvsパルメイラスの36:55のプレーです。
マテウスは非常にシンプルなパスで前進するための2つの良い選択肢を持っていました。しかし、彼は確信を持てなかったのかCBの選手に戻しました。

なので彼は保守的なプレーヤーな気がします。(数少ない先発での出場だったのも含め)


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次は76:29でのプレーです。
これはマテウス・フェルナンデスが後ろからのボール出しに長けていることを示しています。彼は前の例と同様の状況でボールを持っていますが、今回は3人の相手選手の間に完璧なボールを入れました。彼は明らかに、自分の確信が持てたプレーには、このような素晴らしいパスをすることができます。

特にエイバル戦で感じましたが、パスは本当にうまいです。彼のプレースタイルは、バルサの選手の中だと"ブスケツ"に近いイメージを持ちました。



連携

先ほど比較の場面では、連携面では劣っていると紹介しました。しかし自分は、チームの戦術によって数値が低くなったと思います。というのもバルサの選手はLink up の数値が全員90近いです。

そこで彼の良い連携面がバジャドリード時代で見られたので紹介します。

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アトレティコ戦
これは味方(確かグアルディオラ)との連携でアトレティコの守備を崩したシーンです。ワンツーに近い形で崩しています。味方に渡した後も、敵を引き付ける動きをして味方にスペースを提供しました。

エイバル戦でも味方とのいい連携がありました。バジャドリードで先発したのは2試合のみで、その2試合ともこのような動きができていたので、まぐれではないと思います。



飛び出し

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アトレティコ戦
これはバジャドリードのカウンターの場面です。左サイドでグアルディオラが少しタメを作ったのとほぼ同時にマテウスは空いてるスペースに飛び出しました。彼は割と足が速いです。

しかし最後のシュートは少し残念で、全く威力のないシュートでした。データ比較の項目で前述したように「シュートの意識」は高そうですが、シュート自体はそこまで上手くないのかもしれません。

ただこの試合は基本ポジションのアンカーでは無く、442のトップ(ボール被保持時)でしたし、何よりヨーロッパのデビュー戦で、相手はアトレティコでした。(対時した選手は現アーセナル所属のパーティ)
それでこれだけのプレーができるのは驚きでしたし、中盤ではどこでもやれるユーティリティ性も見せてくれました。



空中戦の強さ

バルサは空中戦が強い選手は少ないですから、これはバルサにとって魅力的な強みです。ただ身長は183cmと特別高くありません。しかし、エイバル戦では空中戦でかなり強かった印象があります。コーナキックからヘディングでゴールチャンスもあったので、ここは期待できそうです。



優れた守備能力

彼は守備的な選手なのでここは気になるところです。

まず奪取能力などは置いといて、彼のフィジカル面はまず問題ないと思います。ビダル程はなくても現時点のバルサの中盤では2,3番目に良いのではないでしょうか。実際アトレティコ戦ではパーティにほぼマンマークで付いていました。

ダッシュ能力においては、守備的デュエル(10.28回/90')、守備的デュエル勝率(65.1%)、インターセプト(4.49回/90')とかなり好成績を納めています。

色々なデータと自分が試合を見て感じたのは、マテウスフェルナンデスはガツガツ食いついて守備するタイプでは無く、パスコースを切りながらの守備が得意に思えます。運動量(スタミナ)等はデータが少ないので分かりませんが、特に気になりませんでした。

ただ1つ気になるのは、守備への戻りが遅い時があることです。足は遅くないんですが、時々気になる場面があります。彼はパルメイラス時代、中盤で一番多くのファウルをしていました。荒いという理由ではなく、彼が正しく戻っていたら問題なかった場面でのファウルが多かったそうです。

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これはクルゼイロECvsパルメイラスの前半23分のシーンです。
マテウスフェルナンデスの戻りが遅れたために、CB間に大きなスペースが生まれてしまい相手ストライカーにチャンスを与えています。

パルメイラス時代では土壇場のタックルでミスを補うことも多かったようですが、自分も試合を見てここが大きな弱点に感じました。



まとめ

攻撃面
・パスが上手い
・ドリブル
・飛び出し
・連携面
・シュート意識は高いが、上手くない


守備面
・空中戦が強い
・奪取能力
・タックル(対人)は苦手?
・フィジカルが強い
・戻りが不安(ネガトラが遅い)


精神面・その他
・保守的
・礼儀正しい
・中盤でのユーティリティ性


基本彼は守備的選手なので、守備面で多くのことを書こうと思いましたが、アンカーとして出場した試合を見たことが無くあまり書けませんでした笑

彼は緊張しやすい(?)のかもしれませんが、パスなど見てもポテンシャルは勿論あると思います。彼のバルサでの今後を考えると、無難なのはBチームかローンでした。しかしトップチームに登録されたのでローンが無難だと思います。

またパルメイラスサポーターの方が言うには「時にはブスケツになり、時にはビダルになれる」と言っており、期待はできます。個人的にはクーマンがワイナルドゥムを獲得してやりたかった事を、マテウスならできなくもないと思います。(現在はモリバがいますが)

ここまで長々と書きましたが、自分自身調べてくうちに彼に期待し、ファン(恐らく日本初)になりました笑。



追記

多少変更を加えて記事を編集しましたが、ここからは、マテウスについてに報じられたニュースをまとめてみます。

マテウスフェルナンデス
出場時間:17分(ディナモキエフ戦)のみ
タイトル:コパデルレイ


ニュース(2枚目はmd)

アンドレカリーがマテウスについて言及したツイートはリプ欄に続きがあるので気になる方は是非。

自分はかなりマテウスフェルナンデスについて報じられているニュースを調べましたが、見ての通り、バルサの選手にしては圧倒的に情報が少ないです。
この記事を書くきっかけも、それが理由の一つではあるのですが笑


現状マテウスにとって、バルサでかなり厳しい事は明らかです。来シーズン移籍するのか、ローン移籍をするのか、Bチームに行くのか分かりませんが、僕は応援しています。

ここまで長々書きましたが、読んで頂き本当にありがとうございました。この記事で、マテウスフェルナンデスという選手を知るきっかけになれば幸いです。

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