見出し画像

メッシ退団により激減したバルセロナのデータ #1

お久しぶりです。あーるえふです。
今回はメッシがバルセロナから退団して明らかに変化した数字・データについてですが、個人的に面白い数字を見つけたので紹介したいと思います。
普通にツイートでも良かったのですが、見つけた面白そうなデータから関連性も見てみたかったので、noteにまとめてみます。

なんのデータについてかは、ご察しの良い方は気づいていると思いますが、フリーキックについてです。
メッシが退団してから、バルセロナはフリーキックのゴールがありません。
ラフィーニャの惜しいフリーキックが本日ありましたが、なんと、本日2023年5月3日のオサスナ戦でバルセロナがフリーキックから得点を奪えないまま、丁度2年が経ちました。

一時期、フリーキックのスペシャリストが山程いた様な記憶があるバルセロナですが、正直今のバルセロナには期待できるほどの選手はいません。

しかし、得意な選手の有無だけでフリーキックの得点が無くなったかは疑問だったので、色んなデータを調べてみました。

*戦術的な話は考えず、あくまで数字だけに注目したいと思います。
*考察というよりは、ただ思いついた事や数字を書いてみました。
*2022/23シーズンは、ここまで32試合分のデータをシーズン換算して他シーズンと比較を行っています。



そもそもフリーキックが少ない

まず最初に気づいた点は、そもそもフリーキックの数が激減しています。

フリーキックの数といっても、ゴールを狙えない様な遠い距離のフリーキックは含めず、厳密にはフリーキックによるシュート数が激減しています。

メッシ在籍時(水色)とメッシ退団後(青)

棒グラフがフリーキックのシュート数。
赤い折れ線グラフが直接フリーキックで決まったゴールの数を表しています。

メッシが所属していた2015/16~の6シーズンでの平均フリーキックシュート数は52本でしたが、退団後は約15本程度と71%以上も減少しています。

グラフの通り、面白いほど減少しています。
これはメッシの退団がかなり関係していると言ってもいい気がします。

では、そもそもなんでフリーキックによるシュート数が激減したのでしょうか?



ファウル数が少ない

1番最初に考えつくのはファウルが貰えてないから。だと思います。
調べてみると以下の様になりました。

メッシ在籍時(水色)とメッシ退団後(青)

ファウルの数を棒グラフで表し、近似曲線も付けています。
前のデータ程ではありませんが、減少を確認できます。

メッシ在籍時の平均ファウル数が543と全てのシーズンで500を超えていますが、退団後の平均ファウル数は約470であり、在籍時と比較すると70程度の減少が見られます。

しかし、このデータではファウルの位置まで特定する事は難しかったので、次は直接フリーキックを狙えるバイタルエリア付近に関するデータを見てみたいと思います。



攻撃エリアへのパス

ここでは、アタッキングサード(ファイナルサード)へどの程度ボールが配給されているかを見てみます。


アタッキングサードへのパス数

結果はこのようになりました。

メッシ在籍時(水色)とメッシ退団後(青)

2020/21シーズンのパスが特に多いですが、退団したシーズンにかなりのパス数が減少しています。

確かメッシは年齢を重ねてきて、ファイナルサードへのパス数は増加傾向というデータがあったはずです。その為、2020/21シーズンに特出しているのでは無いかと思います。

しかし、あくまでファイナルサードへパスを行った数なので、この数値と直接フリーキックの数に大きな関係は無い様な気もします。


ペナルティエリアへのパス数

オープンプレーでのクロスによるペナルティエリアへの侵入。フリーキック、コーナーキックによるペナルティエリアへの侵入は含まない。

メッシ在籍時(水色)とメッシ退団後(青)

これも10%程度の現象が見られます。

しかし、このパスには前述の通りクロスやコーナーキックによるパスを含みません。
つまり、ペナルティエリアへのパスのほとんどが、バイタルエリア付近からのパスと考えても良いような気もします。(もちろんブスケツのロングパス等等はあるが)

そう考えてみると、この数字の減少と直接フリーキックの減少の関係はありそうです。



攻撃エリアでのポゼッション

次はポゼッションに関するデータです。
アタッキングサード(ファイナルサード)でのボールのタッチ数がどう変化しているかを見てみます。

アタッキングサードでのタッチ数

メッシ在籍時(水色)とメッシ退団後(青)

2020/21のタッチ数が目立つものの、メッシ在籍時には8000回以上を記録していた数字が、退団後には7500付近に減少しています。

在籍時の平均から約14%の減少が見られました。

近似曲線を見ても減少傾向ではある為、この数値と直接フリーキックの関係はありそうです。


ペナルティエリアでのタッチ数

そこまでフリーキックに関係ないかもしれませんが、一応ペナルティエリアでのタッチ数の比較もしてみます。

メッシ在籍時(水色)とメッシ退団後(青)

もう少し変化しているものだと予想していましたが、メッシ在籍時の平均から約5%しか減少していませんでした。

ここはもっと深く考察してみると面白そうですね。 



決定機創出

これは簡単に言うと、得点の機会を生み出す為に行ったアクション数です。

決定機創出にも種類があり、オープンプレーでのパスによる決定機創出、1対1の突破からの決定機創出、シュートから、被ファウルから、ディフェンスからの5つがあります。

こちらは綺麗な右肩下りのグラフを取得できました。

セットプレーを除くオープンプレーのみの決定機創出しか無いので、ほとんどがバイタルエリア付近からのアクションだと考えられます。

特にパスとドリブルからの決定機創出が減っているのと、今シーズンに関してはファウルによる決定機創出が減っています。

今まで上げたようなデータが、直接フリーキックを狙える位置でのファウル数減少に多少なりとも影響しているのでは無いかなと思いました。



本当にメッシの影響?

2021-22はもう一つバルセロナにとって大きな変化がありました。

もちろんチャビ監督の就任です。
このデータの変動はメッシの退団だけではなく、チャビ監督の影響も少なからずあると思います。

結果はなんとなく分かると思いますが、一応紹介した6つのデータのリーガランキングの内、メッシが何位に属しているかを確認し、どの程度の貢献があったのかをみてみます。

ファウル数
2017/18  80 (4位)
2018/19  66 (11位)
2019/20  70  (7位)
2020/21  99 (1位🥇)

アタッキングサードへのパス数
2017/18  211 (6位)
2018/19  200 (7位)
2019/20  228 (2位🥈)
2020/21  246 (2位🥈)

ペナルティエリアへのパス数
2017/18  131 (1位🥇)
2018/19  140 (1位🥇)
2019/20  122 (1位🥇)
2020/21  131 (1位🥇)

アタッキングサードでのタッチ数
2017/18  1351 (1位🥇)
2018/19  1343 (1位🥇)
2019/20  1403 (1位🥇)
2020/21  1687 (1位🥇)

ペナルティエリアでのタッチ数
2017/18  250 (2位🥈)
2018/19  164 (7位)
2019/20  208 (2位🥈)
2020/21  211 (2位🥈)

決定機創出
2017/18  43 (1位🥇)
2018/19  36 (1位🥇)
2019/20  36 (1位🥇)
2020/21  34 (1位🥇)

このように、全てのデータで上位に入っています。

これらを踏まえると、メッシがいなくなったこととバルセロナのフリーキックが激減した事は関係があると思います。



豆知識 (?)

普通の人がメッシの蹴り方をすると、捻挫するらしいです。
詳しい話は↓のツイートから



最後まで読んでいただきありがとうございました。😄
戦術も考察もクソもなく、ただ単に考えたことを殴っただけなので、感想やこれらのデータからもっと深い考察がある方などはリプや引用RTなどしてくださると嬉しいです。


追記 (2023/9/17)

ついにメッシ以来となる直接フリーキックが決まりました!実に2年4ヶ月ぶりの得点となりました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?