収益で見るバルセロナの移籍事情 2021夏~後編~
こんにちは!こちらは先日に公開した前編の続きです。
まだの方は前編からお読みください🙇♂️
前編に書いてあるので、説明は省きます。
『移籍金による収益の大きさ≠市場価値(移籍金)の大きさ』ということは、理解した上でご覧いただければと思います。
以下、注意点です。
・今季で契約が切れるメッシは除く
・ミンゲサやモリバ等のBチームの選手は除く
・上記以外のトップチーム22名を計算
・バルセロナに支払われる移籍金は、現在(2021/5/12)の市場価値がそのまま支払われたと仮定する。
・参考として、売却の可能性がない選手も記載
・黒い背景の部分は(最高市場価値 / 現在の市場価値 / バルサ加入時の移籍金)
勿論「高い収益を得られるので、この選手は売却すべき」とは全く思っていません。なぜこの選手じゃなくてあの選手が売られようとしているのか?などの疑問を解決するための一つとして考えてくれればと思います。
では収益を得にくい11名を紹介していきたいと思います。
12. Gerard Piqué
最高市場価値 €50m / 現在 €12m / 移籍金 €5m
2008年5月にマンチェスターUから移籍金500万ユーロ、4年契約で加入しました。2010年、2014年、2018年、2020年に契約更新を行い、現在2024年まで契約が残っています。
これらを計算すると延長後の1年あたりの減価償却費は1.67万€。今夏で売却と仮定すると延長後から1年での売却(実際は7ヶ月)になるので...
収益は 1200万 - 5万 = 1195万€ になります。
13. Samuel Umtiti
最高市場価値 €70m / 現在 €10m / 移籍金 €25m
2016年夏に2500万€、5年契約で加入したウンティティ。2018円6月に2023年までの契約更新を行ったので、契約前後での簿価が変わります。
契約後の簿価は1500万€。3年後での売却となるので、移籍時の簿価は600万€。
よって、収益は 1000万 - 600万 = 400万€。
14.Trincão
最高市場価値 €30m / 現在 €25m / 移籍金 €31m
今シーズンから3100万€、5年契約で加入したトリンカオ。
計算は単純で、移籍時の簿価は2480万€になります。
よって、収益は、2500万€ - 2480万€ = 20万€。
現在の市場価値の値段で彼を売却しても、会計上はほぼ±0になります。
15.Junior Firpo
最高市場価値 €25m / 現在 €10m / 移籍金 €18m
2019年夏にベティスから1800万€、5年契約で加入。
トリンカオ と同じく計算で単純で移籍時の簿価は1080万€。
よって収益は、1000万€ - 1080万€ = -80万€。
フィルポから会計上での収益はマイナスになります。
16. Martin Braithwaite
最高市場価値 €12m / 現在 €9m / 移籍金 €18m
2020年2月に特別なルールで加入したブライスワイト。移籍金は1800万€、4年契約での加入でした。
計算により、移籍時の簿価は1125万€。
よって、収益は 900万€ - 1125万€ = -225万€。
17.Neto
最高市場価値 €18m / 現在 €10m / 移籍金 €26m
2019年に4年契約、2600万€で加入したネト。
計算により、移籍時の簿価は1300万€。
よって、収益は 1000万€ - 1300万€ = -300万€。
1300万€以上のオファーが来ると、ネトは売却される可能性が高そうです。
18.Matheus Fernandes
最高市場価値 €4m / 現在 €2m / 移籍金 €7m
2020年にいつの間にか加入していたマテウス。5年契約で移籍金は700万€。
移籍時の簿価は560万€。
よって、収益は 200万€ - 560万€ = -360万€。
まだ、彼の移籍金がパルメイラスに支払われていないという記事を見たのですが、現在ではどうなのでしょうか...
来季もクーマンが濃厚な今、個人的にはレンタルで出場機会を確保し、実力を見せて欲しいとは思います。
19.Philippe Coutinho
最高市場価値 €150m / 現在 €40m / 移籍金 €135m
2018年にクラブ史上最高額でコウチーニョと5年契約で加入。
加入から3年半が経ったので、移籍時の簿価は4909万€。
よって、収益は 4000万€ - 4909万€ = -909万€。
加入時の移籍金が異常に高いのと、加入時から市場価値が異常に下がったことが要因で、収益は得にくい結果になりました。
20. Clément Lenglet
最高市場価値 €60m / 現在 €25m / 移籍金 €35.9m
2018年にセビージャから3590万€、5年契約で加入したラングレ。
2020年10月に6年の契約延長を行いました。そのため簿価が変動しています。計算により延長時の簿価は1795万€。さらに計算すると移籍時の簿価は1496万€。
よって、収益は 2500万€ - 1496万€ = 1004万€。
値段次第ではかなりの収益を得られる結果となりました。
-1004万€と勘違いしていた為、この順位にいますが本来なら11番目に収益を得やすい選手です。
21. Antoine Griezmann
最高市場価値 €150m / 現在 €60m / 移籍金 €120m
グリーズマンは2019年夏にアトレティコから、サッカー史上6番目の移籍金で加入しました。
加入から2年なので、移籍時の簿価は7200万€。
よって、収益は 6000万€ - 7200万€ = -1200万€。
7200万ユーロ以上のオファーがないと、会計上、収益はマイナスになる結果になりました。
22.Miralem Pjanic
最高市場価値 €70m / 現在 €20m / 移籍金 €60m
ということでバルセロナで1番収益を得にくい選手は、放出優先度の高いピャニッチになりました。
ピャニッチは、今シーズンにアルトゥールと実質トレードの形で、バルセロナに加入しました。この時移籍金は6000万ユーロ。
4年契約のため、移籍時の簿価は4500万ユーロ。よって...
収益は 2800万€ - 4500万€ = -1700万€。
ただ、他クラブからの彼の評価は高いままです。それなりの移籍金は想定でき、高給取りで、来季もクーマンの可能性が高い今日、収益がマイナスでも放出するのが無難な気もします。
最後に
見てもらったように収益を得にくい選手は、放出候補の選手が多かった様に感じます。つまり、財政難のバルセロナにとっては、あまりいい結果ではないということですね。
前編も見て貰うと、『移籍による収益の大きさ≠市場価値の大きさ』が分かったと思います。
恐らく、EUROやコパアメリカの前後で市場価値の変動があると思うので、その際は、また更新します。
ここまで読んでいただき有難う御座います。少しでも参考になって頂ければ幸いです。
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