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大坂なおみ選手に見る「プロのアスリート」という仮面

今回の大坂選手の「インタビュー拒否」について、その原因がメンタル的な要因であれ彼女の思想であれ、どうでも良い。彼女が期してか期せずか、どちらにしろ晒してしまった、「プロスポーツ」が存在しうる基盤に興味があるだけだ。

テニスの大会に出て、賞金を獲得して暮らす。大会の主催者は入場料やテレビの放映権、会場での物品販売などで収益を得る。収益を最大化するためには、テニスの試合が興味を持たれる必要がある。

興味をどのように持たれるか。まず、テニスの技術であろう。観客が魅了されるグッドプレイを連発する、神がかったプレイヤーの技量。

プロのアスリートが、その腕前だけで存在できれば、インタビューを受けるかどうか、そんな事は問題にもならなかっただろう。しかし、試合があり、勝者がインタビューを受ける、そうした儀礼の上に成り立つプロの試合は、その儀礼に従わない人物を排除する。

正確に言えば、排除しなければ、「プロの試合」が成り立たない。手順を無視した試合(=番組)は、視聴者を離れさせる。試合の、テニストーナメントの価値を下げる選手を出場させるとするなら、その選手にそれ以上の価値がなければ釣り合わない。

インタビュー拒否は、テニスの試合、それがよって立つ「プロテニス」の否定に繋がりかねない。それは当然、「プロスポーツ」の否定でもある。

大坂選手と言えば、BLM(ブラックライブズマター)が盛り上がりを見せた時に、その運動に賛同するマスクを身に付けた記憶が新しい。
「テニス」の上手さがテニスプレイヤーの価値であれば、このパフォーマンスも、意味がない事になる。テニスの上手さと、思想の強さは何の関係もない。

大坂選手が「日本の」選手であるかはともかく、アジア系、つまり「非白人」であるが故に、そのパフォーマンスは許された。むしろ、彼女自身の商業的なスタイルの強化につながった。

プロスポーツは、そうした選手の「キャラ」に依存する。プロスポーツを、「商業的に利用されるスポーツ」に拡大しても良い。選手の過去や、友人や監督からのコメントが、スポーツの放映において、ひんばんに語られる事か。

大坂選手がメディアを利用してきた、というわけではない。プロのスポーツ選手は、メディアの上にしか成立し得ないからだ。だから正確には、メディアが大坂選手を利用しづらくなった、と言うのが正しい。そして今後、同じような反逆者が現れる事を防ぐために、彼女をバッシングする。

彼女が、今後、違った方向で活躍する事も可能だと思う。テレビタレントがYOUTUBEに、テレビ的な価値を上げるための思惑もあるとしても、活動の拠点を移したのに習えば良い。YOUTUBEというメディアに乗るにしても、自分の動画であるのだから、自由は広がるだろう。

それをやるには、おそらく、大坂選手はエリート過ぎるとは思うが。

あなたの心のスキマが埋まりましたら、ソーレッ!エイヤサッ!エイヤサッ!エイヤサッ!あなたのいいとこ見てみたいっ♡エイヤサッ!エイヤサッ!エイヤサッ!