見出し画像

今の生活はネウロから始まった

たまたま「#人生を変えた一冊」なるタグを見つけたので私も考えてみたのですが、自分の人生、ましてや今のオタクオタクした生活を語るうえには欠かせない作品があるので今回それについて書こうと思います。

なお、厳密には一冊ではなくその作品全巻なので上記のタグの趣旨とは少し異なります。


では本題に入ります、その作品とは……

画像1

そう、週刊少年ジャンプで「暗殺教室」や現在連載中の「逃げ上手の若君」を描いている松井優征さんの最初の連載作品である「魔人探偵脳噛ネウロ」という作品です。




原点と呼ぶ所以

中学時代、ニンテンドーDSソフトの「ジャンプアルティメットスターズ」に参戦していたのがきっかけでこの作品に出会った私はその魅力に取り憑かれてすっかり虜になってしまいました。


「いや、ハマっただけならべつに他の好きな作品にも言えることだし原点ってどういうこと?」と思うかもしれませんが、この作品には他の好きな作品とは決定的に違うハマり方がありました。


それは「インターネットに初めて触れた」という点です。

それまでローマ字もろくに打てずPCに全く馴染みがなかった私でしたが、ある日なんとなくYahooで「魔人探偵脳噛ネウロ」と頑張って打ち込んで調べてみたらそこには壮大な世界が広がっていました。

各話の解説や考察、作品やキャラについて語る掲示板や膨大なイラストに同人作品、有志によるアニメーション動画など全く見たことがない世界に終始圧倒されました。

これまで学校の友達と語り合う程度にしか「共有」を知らなかった私にとってそれは革命的で、この「魔人探偵脳噛ネウロ」を100%以上に楽しむ土台を手に入れたのです。

その過程でYouTubeやニコニコ動画などを知り、それらの関連動画の項目をひたすら辿った所から後に生きがいとも言えるようになる「涼宮ハルヒシリーズ」や「東方Project」と出会っていき今のオタク生活が本格的にスタートします。

「ネウロという作品をもっと楽しみたい」という気持ちがインターネットへの道を切り開き、そこから今のオタク生活が始まったから「原点」というわけです。



ざっくりとした解説と登場人物

私にとってのネウロという作品の存在の立ち位置を書いたところでこの作品の解説や登場人物をざっくり紹介します。


・あらすじ
魔界の住人の魔人である「脳噛(のうがみ)ネウロ」は、他の魔人とは違い悪意を持って作られた「謎」を解き明かした際に放出されるエネルギーを主食という突然変異種。
彼の圧倒的な食欲で魔界の謎は瞬く間に食い尽くされ、次なる餌場を人間の住む世界へと定め地上に降り立った。

一方その頃、人間界では女子高生「桂木弥子(かつらぎやこ)」の父親が何者かに殺害される事件が発生。
この事件には解決を困難にさせる大きな「謎」があった。
父親を失い失意のどん底に落ちた弥子の前に現れたのは、この事件の「謎」に釣られてやってきたネウロであった。

ネウロは人間の世界では特異すぎる魔人という存在である以上人目を忍ばなければならない身、そこで自身の謎解きを弥子が解いたことにすることで効率よく食糧を確保することを画策する……



・登場人物

画像2

脳噛ネウロ
この作品の主人公。
圧倒的な頭脳とパワーを持ち、それらに加え魔界777ツ能力(どうぐ)と呼ばれる某未来の猫型ロボットもびっくりなとんでもアイテムの数々で謎を解いていきます。
魔人として目立つことを嫌い、弥子を探偵役に仕立て上げて自身は助手を演じ公の場では猫を被っていますが、実際は弥子を含め人間への思い入れは「自分の食糧確保の手段」程度にしか思っておらず弥子を日常的にいじったり犯人には拷問のような攻撃を仕掛けたりと超がつくほどのドSでもあります。
人間界では画像左のような青年の顔に化けていますが、本来の顔は右のオウムのような顔をしています。

画像3

桂木弥子
この作品のもうひとりの主人公。
口に入るあらゆるものを食う超大食感という点を除けばどこにでもいる普通の女子高生です。
父親の事件をきっかけにネウロに半ば強引に探偵役に仕立てあげられ、ただネウロに言われるがままに自身の手柄として事件を解いたことにされてしまいます。
しかし、いくつかの事件に触れ様々な人達と関わることで彼女にも心境の変化が訪れていき、その変化が今作における最大のテーマへとなっていきます。


他にも様々なキャラクターが登場しますが、一巻を読むぶんにはこの2人を抑えておけばOKです。




魅力

今作は謎解きという要素がある以上推理物のように見えますが実際は違います。

ネウロが人間では不可能なとんでもない能力
で手がかりを集めるうえ、推理パート内で初めて出てくる情報も大量にあるため普通に読んでて読者が謎を解くのは不可能です。

「なんだそれwじゃあ推理物として破綻してんじゃねえか」と思うかもですがそうなんです、それで合ってます(笑)
なんなら単行本一巻で作者が「これは推理物の皮をかぶった単純娯楽漫画」と自分で言っちゃってます。


この作品の魅力はとにかくクセの強いイラストと性格をしたキャラクターが織り成すドラマ性や、話の合間に入る思わずニヤリとしてしまうような現実の世間への皮肉や風刺など一言でいうならば「毒気」にあります。

そして話が進むにつれてこの作品の根幹における伏線が次々と回収されていく爽快感も魅力のひとつです。

そういったストーリーの根幹にまつわる事柄への伏線回収について作者の松井優征さんは「綺麗に作品を終わらせることをモットー」と語っておりそれはデビュー作である今作にも存分に発揮されていて、きっと読み終わる頃には気持ちのいい満足感で満たされていることでしょう。

「邪道」だらけな設定なのに気持ちのいい王道のような流れがあり、そういう他に類を見ない独特な作品はいつ読んでも古臭さを感じないのも強みです。

決して万人受けする作品ではありませんがその不思議かつ爽快感あふれる魅力に捕まれば最後、ページをめくる手が止まらなくなること必至です。




最後に

以上が私のオタク生活の原点である「魔人探偵脳噛ネウロ」との出会いと紹介になります。

スマホアプリ「ジャンプ+」では3話まで無料で読めますので、もし気になった方はぜひ読んで楽しみを「共有」しましょう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?