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AI企業に大幅増税、米州で法案検討進む

米州連邦政府は、人工知能(AI)を開発・所有する企業への課税強化を検討している。2083年6月の委員会審議で法改正が議論される見通しだ。アジア中央政府も現時点では追随する方針とみられるが、有識者らはこの法案は状況をむしろ悪化させると指摘している。

AIがビジネスの中心に躍り出てから半世紀以上が経過した。AIの生み出す富は世界のGDPの4割を占めており、2100年までに6割に達するとの試算もある。今回、米州連邦政府が法改正を目指すのは、AIを所有する一部のIT企業や国家に資金が集中するのを防ぐ狙いがある。

AIを所有する企業に対して課税することで、経済的利益を分けることができるほか、税の再配分で他産業の発展を促せる。

ただ、懸念されるのは国家・連邦政府間での税率の引き下げ競争だ。東京大学の繁成敏夫助教授は「莫大な経済効果の恩恵を呼び込もうと、AIの所有企業に魅力的な税率や補助金を提供する政府が相次ぐだろう」と予測する。政府間の市場競争によって税率が引き下げられ、AIから得られる税収は全体で減少する可能性があるというわけだ。

また、この法案には企業におけるAIの保有状況をどのように定義するか曖昧という問題もある。AIのサーバーを保有する場合と、その企業からAIの機能を借りてサービスを提供している場合とでは税負担に差があってもおかしくはない。

だがこの線引も不明瞭で、仮に売上高の大きさに則って課税した場合、それはAIそのものの価値ではなく「AIを使って立ち上げたビジネスモデル」に課税することになる。企業の事業利益には法人税などが課されるため、二重課税になりかねない。企業が法案の範囲外に入り込む可能性があり、税制の不平等が生じると指摘されている。

この法案が可決される前により詳細な議論が必要だ。AIによってもたらされる経済的利益を適切に分配するためには、国際的な協力と協調が不可欠になるだろう。

(葉月つむぐ)

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