見出し画像

本当に高齢者による交通事故が増えている?警視庁・公的機関の統計と比較してみた

今回池袋にて、高齢者による交通事故が発生しました。
妻子の方が亡くなられ、ご遺族の方にはかける言葉も見つかりませんが、ご冥福をお祈りするとともに、けがをされた方には一日も早い回復をお祈りしております

さて、その後立て続けにニュースでは事故が発生しているように感じませんか?

果たして、実際はどうなのでしょうか?

まず、
1、高齢者による交通人身事故は増えているか?
2、交通事故件数は増えているのか?

について考察してみたいと思います

私の主観、そして私の周りにいるごく一般的な考え方をする家族のニュースに対する反応を聞きました
1、高齢者による交通事故が増えているからなんとかしなくては
2、最近ニュースで交通事故が立て続けに起きているように感じる

というのが感想でした。
また、約10万人のチャンネル登録者がいるYoutuberえらてん氏(Twitter→@eraitencho)が、Twitterにてフォロワー3万名にたいして上記2件の質問を投げかけた所、一定数から回答が得られ、私の家族と同じ回答だったとのことでした。

この上記2件の情報を元に世論感情を推しはかるのは若干情報元が弱いかもしれませんが、ニュースの報道する姿勢・イントネーションからしても、上記2件の感情が一般世論にはある、とい風に感じています

そこで以前もご紹介したように、「本当にそうなのか?」という風にまず、一旦一歩離れて客観的に考えてみて頂きたいのです。
マス・メディアが今そのようにニュースで訴えている2件の内容につき、本当なのか?と

1、高齢者による交通事故が増えているのか?


警視庁のHPから、高齢者の人身事故発生状況
を確認してみました。
https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/smph/about_mpd/jokyo_tokei/tokei_jokyo/vta.html


高齢者による交通事故は年々件数が減っています。
また、死亡事故もH28、H29年にはいったん上昇しているものの、ほぼ横ばいという風にグラフからは見てとれます。

実際は、高齢者による交通事故・人身事故は減っているのです。
車の高機能化、高齢者による痛ましい交通事故などのニュースに後押しされて、自主返納などが進んでいるのかな?とこちらはあくまで想像ですが推察しました。
また、実際は高齢者はどんどん数が増えています。にもかかわらず高齢者による交通事故が減っているということは、実態としてはこの数字以上に、高齢者が引き起こす事故件数の確率は減っているのではないか、と推察します。

では、何故皆さんが「最近高齢者による交通事故が増えている」と感じているのか?
それは、正しい認識だと私は思います。
要は「視聴率を稼ぐことによってスポンサーからお金をもらっている、雑誌、新聞を売っているマス・メディアが、お金を稼ぐために、目立つ事故を大げさに取り上げ、それを読んだ皆さんが素直に”高齢者による交通事故が増えているように感じる”」と感じたのだと私は考えます。

警視庁はそのような、お金に絡んで統計を出すことはあり得ませんので、現実の数字は上記HP及び表が現実です。
しかし、マス・メディアはお金を儲ける為に、皆さんが興味を持ちそうなものであればなんでも書きたて、興味を引こうとします
それが仕事で、商売だからです。

なんとなく、「マス・メディアは中立なのではないか」という風にお考えでしょう。
それは「マス・メディアが中立のふりをしている」だけです
そうすれば、皆さんが、素直にニュースを見てくれて、信じてくれると思っているのだと思います

確かに今回の事件はとても痛ましく、温厚な私の旦那も「もし私と娘が同じ事件に遭遇して突然いなくなってしまったら、自分は犯人を殺したくて仕方ないと思う。ていうか殺しにいってしまうと思う」と言っていました。
それはきっと皆さん同じ気持ちを抱えていらっしゃると思いますし、被害者の旦那様もそうだと思いますし、何より事故を起こしてしまった方もご自身に妻子がおり、自分がそう思われても仕方ないと思っているかもしれません

こういう事件だからこそ、マス・メディアはこぞって事件を書きたてたのです。
ニュースをご覧になった方にとても印象が残る事件であったから。
これは立派な情報操作の一部ではないのかな、と極論を言えば私はそう考えます
実際は高齢者の交通事故発生件数は死亡事故含め減っている、横ばいであるという事実がそれを裏付けています

そもそもマス・メディアは商売であらゆる報道をしています
そういう目で、まずマス・メディアを見るという考え方を、心の片隅にでも置いて頂けたら、幸いです

2、交通事故件数は増えているのか


公益財団法人交通事故総合分析センターによる統計
http://www.itarda.or.jp/situation_accident.php

こちらはグラフではないので若干わかりにくいかもしれませんが、H29、H30年度において、交通事故発生件数、死亡事故、重傷事故、敬称事故、死者数、負傷者数、全てのカテゴリーにおいてマイナス統計が続いているのが一目瞭然になっております。

交通事故は、減っているのです
その原因は、交通事故が減るようにスクランブル交差点に変えたり、また車の性能が上がっていること、などが理由としては想像できます

なのに、何故「最近は酷い交通事故が多い」と感じるのでしょうか?
それも、やはりマス・メディアによる「商売としての情報操作」という風に私は考えます。

ここまで、現実の数と、マス・メディアによるニュース内容に開きがあると、受け取った情報を素直に受け取る国民を騙していると言っても過言ではないのではないのでしょうか?

だから、法律学では「情報は、必ず得をする誰かがいると考え、考察せよ」ということを学びます。
私も流石に実際に調べてみたらここまで現実との開きがあるとは思わず驚きました。
そういう意味では「実際の実数をしっかり精査してみよう」と思うきっかけを与えてくれたnoteに感謝です。
マス・メディアはあくまで視聴率を稼ぐために目立つニュースを積極的に取り上げるモノである、と思って、ある意味バラエティ番組の一種というか、考えるきっかけになる材料を提供するもの、という程度にしか思っていなかったのですが、ここまでくると、開いた口がふさがらないと思いました。
こういう統計を出す公的機関の数字は、絶対に間違いがあってはならない、そして公平性がなにより重視される為、私はマス・メディアの一般の人にわかりやすいニュースよりも、こちらの統計の方が事実なのではないかと考えます

確かに、実際池袋の交通事故事件は、本当に言葉にできない悲しさを伴う辛い事故でした。それには何ら変わりはありません。
しかし、だからといって高齢者による交通事故が増えている訳でもなく、もっと他にニュースにすべき大事な情報は他にもあるような気がしてなりません。
特に国会周辺。
私は以前、北朝鮮拉致被害者の方を小泉首相が帰還させることに成功した一連のニュースの裏で、「自衛隊をどこの地域にでも派遣することができる」危険な有事法制を通していたこを知っています。しかもそれは憲法に抵触する恐れがとてもある法案で、そちらにニュースのフォーカスが向けば批判必至でした。
事件・事故に関わらず、大きなニュースが長時間にわたって報道されているのを見ると、あの苦々しい思いがよみがえります
今後も何か一件注目したくなるような、派手な事件などをマス・メディアが強く押して報道している場合には、こうやって一歩引いて考えてみる、ネットで実際の統計を見てみる、ということを少しでも考えて頂けたら、この記事を書いた甲斐があるかな、と思います。
ただし、法律学の分野については、弁護士事務所HP・弁護士会などが出している法律知識はやはり本業の方が書いているので正確な場合が多いですが、国民にわかりやすいように、という観点と、何より弁護士さん自体がとても忙しい為、間違いがないかの確認が確実に取れてない場合などもあるので、ネットによる法律の情報はあまり信用ならないと思って下さい
勿論、私の記事もです

本当に法律で困られた場合は、必ず司法書士さん、弁護士さんなどの実務専門家への相談をオススメします。
ネット上にある法律の内容は、たまに私ですらわかるような、バカバカしいミスが堂々と書かれていたりするので、信頼はしない方がいいです

もし心に響いたならば……投げ銭のひとつやふたつやみっつやよっつ!!よろしくお願い致す!(笑)