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コミュニティ復興におけるコーディネーターの役割 / ふくしま12市町村の移住相談窓口ってどんなところ? (10月1日)

■コミュニティ復興におけるコーディネーターの役割 〜中尾公一『震災復興過程のコミュニティ形成に係る行政・NPO等・地域住民の協働』

「住民の住環境や生活環境の厳しさがある中、住民は復興に関する行政の意思決定情報を要望する一方で、行政は震災復興に関連する作業量の増加と、意思決定や住民への情報伝達に遅れ、かつ、決定事項のみを伝達するという中で、住民組織と行政との間の意思疎通に齟齬が生じやすかった」p64
「支援団体の震災復興のコミュニティ支援は、一方的な支援提供ではなく、住民一人ひとりの対話を通し、住民自身が理想を考え、行動することを後押しし、一緒に試行錯誤しながら実現させていくという、地道で時間がかかる「黒子の支援」であった」p64

中尾公一『震災復興過程のコミュニティ形成に係る行政・NPO等・地域住民の協働』

 非営利組織の研究者による、東北復興時のコミュニティ形成において、NPOが果たした役割を分析した論文より。

 復興期において、行政の意思決定と情報伝達がどうしても遅れるます。他方、現地の非営利組織(NPO)が、時に行政と住民の橋渡し役を担い、コミュニティ形成で役割を果たしていきます。

 福島の場合、地域がまるごとの避難を強いられたため、行政と住民のコーディネイトがなかなか機能しがたかった側面がありました。

 福島への移住を考える上でも、示唆があります。特にUターンではなくIターン型で福島に入る方にとっては、仕事・住宅・暮らし等の面で多様な情報とつながりが必要になります。行政やまちづくり会社だけで全面的にそれを担うのは難しく、先輩移住者や戻られた地域住民の皆様と、移住者が繋がっていく機会や場が必要です。

論文はこちらから全文閲覧できます。

論文のPDFはこちら→
https://www.zenrosaikyokai.or.jp/.../2017/04/koubo64.pdf


■ふくしま12市町村の移住相談窓口ってどんなところ?

 南相馬市、飯舘村、川俣町の移住相談窓口の雰囲気を、センターで取材し、紹介しています。

「福島12市町村の「移住相談窓口」では、移住に関する質問や相談ができるのはもちろん、各市町村の基本情報から仕事や住まい、移住支援制度、地域コミュニティへの入り方など、相談者一人ひとりに合わせた情報を提供しており、誰もが気軽に利用し、現地の生の情報を得ることができます」

 移住支援センターでは、ネットを中心にまずは福島12市町村の移住の状況を幅広くお伝えしています。その後、具体的に各地域に関心をもって頂いた方は、市町村ごとの相談窓口にお訪ねいただき、現地をめぐったり、仕事や住宅の状況を知っていただくことになります。昨年来、ほぼすべての地域で相談窓口が設置され、日々丁寧に対応して頂いています。

 こうした相談窓口は待つだけでなく、移住に関心をもった方に積極的にはたらきかけて、地域とつながってもらう役割を果たすことも期待されています。

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