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帰国子女の大学受験

大学の帰国子女枠入試はずるい?

わたしは帰国子女枠で大学に進学したいわゆる「キコク」である。

大学受験において、キコクはずるい、と言われがちである。実際に経験してきたわたしに言わせると、正しくは「帰国子女枠入試は科目数が少なく、国公立大学を2校以上出願できる点が一般入試と比べて不平等である」だ。
※理系学部は数学等が求められることがあるため、ここではわたし自身が経験した文系学部の大学受験について紹介する。

帰国子女枠がずるいと言われる所以

センター試験が不要

まず、帰国子女入試はいわゆるセンター試験が不要である点。(正確には、任意でSATといわれる全米標準テストの提出が求められるので、多くの志願者はそれを受けることになる。)
帰国子女にとっては、「赤本?なにそれ?」である。

入試科目が小論文+英語のみ

東大の場合、入試科目は
小論文(日&英/独/仏/中/伊など)
外国語(英語&独/仏/中のいずれか)
面接
である。

国公立大学の受験ではセンター試験や二次試験で複数科目が求められる中、多くの帰国子女枠入試は小論文と外国語(主に英語)と面接のみ

英語で授業を受けてきた帰国子女にとって、英語は難しい問題ではない。小論文も書き方のコツさえ掴めれば安定して高得点を得られる。

国公立大学を併願し放題

日程さえ被らなければ、東大と一橋大学、横国など複数の国立大学を併願することも可能である。一般入試と比較し、不平等である点は以下の3点である。

  1. センター試験が不要

  2. 科目数が少ない

  3. 複数の国公立大学を併願できる

多くの大学の帰国子女枠の入試科目は小論文+外国語+面接なので、早慶上智や地方国立大学などが受け放題。帰国子女にとって、小論文と英語を押さえておけば、関関同立やGMARCH以上のレベルの大学に進学するのはとても容易いことである。

そのため、多くのキコクは早慶上智以上の大学を目指し、滑り止めでGMARCHを受験する。実際、少々学力に不安があると自負していたわたしの友人らは、無事MARCHのいずれかに進学した。

このいわゆる有名大学への進学のし易さが、キコクの大学受験がずるいと言われる所以である。

まとめ

もし海外の学校に行くことで進学先の心配をしているなら、杞憂である。帰国子女にさえなれば、GMARCHは約束されていると言っても過言ではない。

子どもを帯同させるか悩んでいる保護者の方。進学先を心配している中高生諸君。父親(母親)の海外の赴任先についていくだけで、GMARCHの切符が手に入る。外国の学校の卒業時期の都合上、1年間入学は遅れてしまうが、人生において大した問題ではない。必死に受験勉強をする友人を横目に、楽に大学進学してみてはいかがだろうか。

最後に

帰国子女枠の出願資格は、

  • 海外において外国の教育課程に基づく高等学校(10~12年生)に、2年以上継続して在籍した者

  • IBなど、その国の大学入学資格として認められているバカロレアの資格を有する者

などがある。

東大をはじめ多くの大学が出願資格としている国際バカロレア、通称IB(International Baccalaureate)は、主にインターナショナルスクールに導入されており、日本の高2と高3に当たる時期に受ける。

帰国子女入試でIBの得点は内申点のように扱われるが、このプログラムで高得点を得るには、勉強漬けの2年間を過ごすことになるだろう。高校からインターナショナルスクールに進学したわたしもIBを取得した訳だが、IBの2年間は、二度と経験したくない地獄の2年間であった。

無論、一般入試でも地獄の受験勉強をしている人はいるはずだ。ただ、キコクだけが能天気な高校生活を送れることはない、とだけ明言しようと思う。


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