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「えっ」say

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エッセイをまとめてみました。名前はまだない。
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記事一覧

お前が伺ってんのは人の顔色じゃなく、自分なんじゃねーの?

人にガッカリされることに慣れてしまっている。良くないことだという自覚はある。 僕レベルの…

白川 烈
1か月前
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本当に必要なのは居場所じゃない、逃げ場だ

「生きていてどこにも居場所がないんです。どうしたらいいですか?」 日常ですきあらばザッピ…

白川 烈
2か月前
20

「月、停まります」

今年に入ってから、週に一度バスに乗って取引先の事務所へ打ち合わせに出掛けている。 昔から…

白川 烈
2か月前
20

僕たちは無数のレッテルだらけだ

ほぼ毎日のように通っている喫茶店で、四人掛けのテーブルに、絵に描いたようなヤンキー風のカ…

白川 烈
3か月前
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Nくんから君へ。

今日、芸人を辞めた。僕ではない。知り合いが芸人を辞めた。 梅田の高架下にあるサラリーマン…

白川 烈
5か月前
36

焦げた肉を好きになった理由

「ふたりで焼肉に行けたら、ほぼオーケーですよ」 ある案件の打ち上げで、デザイナーと営業と…

白川 烈
6か月前
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祖父は死んだのではない。いなくなったのだ。

 先月の暮れ、父方の祖父が亡くなった。それは本当に急なことで、入院してすぐに意識不明になり、その二日後には逝ってしまった。さまざまな持病と、さまざまな低すぎる数値と、流行病が重なったらしい。ちょうど入院する一週間前にふたりでランチに出かけたばかりだった。 流行病と、意識がなかったこともあり、病室の外からビニールカーテン越しでの面会だった。窓から見える祖父はベッドに横たわり、あらゆる機械に囲まれていた。ベッドの上に置かれたゴツいデジタル時計が妙に生々しく、僕の心を重くさせる。

名ペット探偵、キャトソン先輩

種族を超越したコールアンドレスポンスを見たことはあるだろうか。 家から駅までの道にある大…

白川 烈
11か月前
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「死んだら一度だけ、好きな花になれるんや」

「花を摘んではいけません。心当たりのある人は名乗り出るように」 月曜日の朝、全校朝礼で校…

白川 烈
1年前
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酒癖の悪い男、トイレからリングイン。

 深夜三時、血だらけで泣きながら懸命に歯を磨いている男が突如目の前に降臨した。顔面に情報…

白川 烈
1年前
15

黙ってられない世の中になってしまった。

 著名なミュージシャンが亡くなった。それも立て続けに、誰かの憧れの人がどんどん亡くなって…

白川 烈
1年前
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体重100キロオーバーの異星人に抱きしめられて号泣した話。

 有名なグルメブロガーの知り合いがいる。どれくらい有名かというと「大阪 グルメ ブログ」…

白川 烈
1年前
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コーヒーにはひとさじの嘘を。

三月二十二日 打ち合わせの時間になっても、クライアントがやってこない。クライアントが指定…

白川 烈
1年前
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まるごと愛されたくなかった人

「何をしてでもモテたい!」という下心が、全身の毛穴という毛穴から分泌されている人を見かけたことはないだろうか。 僕の友人には一人、「何もしてないのにモテまくる」友人がいる。特段イケメンというわけでもないが、そいつのモテっぷりは果てしない。まず一緒に飲んでいると必ず連絡先が一人分は増えている。彼はエンジニアだが、ホストになっていようものなら今頃、芦屋の豪邸でハーレム生活を送っているに違いないと断言できるほどだ。 「モテるってのも考えものだよ」 彼はツイッターにつぶやいたら