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(BKTC-N)の 「スペシャルティコーヒー大全」を読まれた方に Tipsティップス(7) 2012.10.07

SCAJ展示会の前後に様々なセミナーやプレゼンが行われました。海外から来日した生産者の貴重なお話もたくさんうかがいました。SCAJ展示会では、情報公開が試飲つきで行われます。また来年も楽しみです。
その中に、スペシャルティのトレンド先進国コスタリカの「ハニー精製法」に関することがいくつかありました。「Tipsティップス」の続きとして参考までに記します。(BKTC-N)

コスタリカの精製方法の分類(E社資料)

「水洗W---ハニー---自然乾燥N」がすべて製品化されている生産国が増えています。エチオピア、ブラジルが「自然乾燥N」側から精製の多様な選択肢を広げたのに対して、コスタリカは「水洗W」側から広げたといえます。コスタリカの取り組みは中米域に影響しています。

コスタリカは、比較的気候変動の影響が少なくすんでおり、乾季の雨量が保たれていることから「ハニー」は生産しやすい条件といえます。しかし、スペシャルティ時代の生産処理選択は、消費国の多様な要望にできるだけていねいに答えることから決定しますので、消費国の要望の変遷が生産量に占める各精製方法の割合に反映されるといえます。

よく聞く「マイクロミル(小規模生産処理工場)」についてもお話がありました。
例えば下記のD社ミルですが、ミルの周囲に[a-b-c-d-e]の5フィンカ(農場)があります。それぞれ2から6ヘクタール程度のフィンカで、合計が30から40ヘクタールほど。
ここは、1家族が5フィンカ1ミルを持っている場合ですが、他にも3家族がそれぞれに1、2フィンカを持ち共同で1ミルを所有する場合もあります。

各フィンカはそれぞれの条件に合わせて、栽培品種などを選定しています。
[a+b]フィンカは「ブルボン、ゲイシャ」、[c+d]フィンカは「カツーラ、カツアイ」、 [e]フィンカは「カツーラ」という具合です。(最近は、SL28という品種を植えることがトレンドになりつつあります)
収穫した赤い実「チェリー」をミルに運び処理します。当然「フル・トレーサビリティ」が可能です。マイクロミルは、およそ「5~50袋/1日」の精製処理ロットで操業しているものをさします。

ていねいな収穫や乾燥が可能になります。
そのため、農場の中の一区画だけを「レッドハニー」で作ってください、という注文をすることが可能になります。例えば乾燥場に十分な面積がとれない場合、一部機械乾燥を導入するケースもあります。

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