見出し画像

笑うバロック(629) モイヨンくんと独特な声の人たち

マルク・モイヨンくんのエール・ド・クール集を聴きました。
相変わらずの声と歌い回し。鼻にかかったというのか。
「ラ・スーズ伯夫人(アンリエット・ド・コリニー)の詩によるアリア(エール)集」
ランベールのルソンに続き2枚組の大作。レーベルが力を入れていると感じます。姉か妹がハープ奏者で伴奏しながらデュフォーの組曲も披露。

さりげなくバッハの録音で名をはせたミリアム女史も。


バロック音楽の録音を聴いていて、なんじゃこの声はとか、いわゆるクラシックな歌い回しとは違うとかいった歌手に出会うことがあります。
モイヨンくんはフランス風なバスターユとして歌っているみたい。

ロジャーズ・カヴィー・クランプ。
アンサンブル巧者でレパートリも幅広いけれど、単独でクレジットされるケースが少ない。初めて聴いて特徴的な声だと感じた1枚。レスピーギの名曲の原曲さがし。
自然な甘い声のような評判もあります。様々なアンサンブルに参加しても、目立つ声いや耳立つ声とでもいう人でした。

この人は調律に関心が深く、オルガニストの頃に端を発し、初期の声楽のさまざまな時代とスタイルの音楽調律について、アマチュアとプロ向けのワークショップを開催し、講義してきたとあります。声楽アンサンブルの調律の微調整についてエッセイがあったと記憶しています。
ヒリアードの初来日公演で聴いたのかと確認してみたら、この折はパッドモアとポッターでした。

デレク・リー・レギン。
ガーディナーのグルックとカストラート映画のために注目されたカウンターテナー。CDを見つけると買っていたころがありました。
ほっぺが震える映像そのままのような声だと思いました。
すぐわかるジャケットカバー写真でした。

プルティミロが美しい歌で、初めて耳でハッとした録音でした。


ジェラール・レーヌ。
レザール・フロリサン初来日以来、来日の度もっとも多く実演に接した歌手だと思います。
カルミナブラーナとかマッドレーヌとか以外はみな聴いたと思います。


「目立つ」声というのも場合によっては使いづらい声になってしまうのかもしれません。モイヨンくんの活躍を楽しみましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?