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笑うバロック展(368) ベバリー・バーゲンの「アリア&パスタ」

さすが黄金の1990年代の掉尾を飾るアメリカンな番組。こういう番組は大好きなのですが、そのころの日本ではもう放映できなかったのかも。BSあたりで放映したのかも。ベバリーが稀代の歌手を訪ねてパスタを一緒に。マリリン・ホーン、ドミトリ・ホロストフスキ、トマス・アレン、ベン・ヘプナー、レナータ・スコットと錚々たるゲスト。その中にデレク・リー・レイギンがいました。アメリカらしいタイトルですな。

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リー・レイギンはニューヨークのハドソン河を渡ったニュージャージーのニューアーク出身。少年時代、日曜にアベマリアを歌った教会。人種のるつぼらしい各国料理のそろった街中を散策しペペロンチーノの材料を仕入れます。少年合唱の学校を訪ね、ご自宅らしきところで料理とおしゃべり。

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ピアニストを目指したが、あなたは珍しいカウンターテナーの声域です、といわれ、カウンターテナーって何?歌手になってからは、ロンドンに行ってガーディナーのオーディションを受けなさい、といわれ、ガーディナーって誰?改めて見渡してみると、古楽の世界にはまだ黒い人たちは少ないかもしれません。

きっとご苦労も多かったはず。

古楽の世界だとクラロン・マクファーデンが早くからクリスティの録音などに参加していました。最近はブレヒトとかガーシュウィンとかに進んでいるみたい。ケージの「プライマル・ミステリ」という歌の動画が見られました。

あと若手ではレジナルド・モブレー。「モブレーを見る喜びの1つは、彼の名前が示すPGウォドハウス・パーティゲストよりもマイアミドルフィンズのラインバッカーのように見える大きな背の高い男から美しいアルトが聞こえることです 」最初のプロとしての仕事はミュージカルシアターで、日本で東京ディズニーの歌手/俳優として働いている間、東京周辺のジャズクラブでゴスペル、ジャズ、トーチのキャバレーショーを行いました。

ヨーロッパの白人たちにとって古楽の世界はまだ自分たちのルーツとして自演し、蛮族には譲らない分野という意識なのかもしれません。まだ利益が享受できる分野だと、いうことかも。アジア人はまあ名誉白人という不名誉な立場かしら。

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