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58. わたしがわたしを殺す

時々、自分がとても嫌いになる。

なりたいものに、なると言えない
ほしいものを、ほしいと言えない

言葉が出ない

どうしようもなく
自分をおさえつける自分になる

自分が発した言葉に
責任がとれる自信がないから

なるのがどこか不安で
だから、手に入れたいのか
分からなくなって。

手に入れるには
何かを捨てなきゃいけない気がして、

それは例えば、今の自分みたいなもので

今までの自分みたいなもので、怖くて


いつも宙ぶらりんにして甘えてる。

突きつけられた時
何かの感情を必死に殺そうとする自分がいる
叫びたい何かを必死に、殺す自分

何故。

そのくせ、そういう弱さを認めることが嫌で
悔しくて、苦しくて
それでも喉から言葉は出なくて
なんて曖昧なのだろう。
なんて弱いのだろう。

なりたいなりたいって
文章ではあっけなく綴るのに
その言葉に責任を求められると弱い

あんた口だけ女じゃない
アイドルになりたいだけの女の子と同じ
そう言ってる自分に酔ってるんじゃないの?
覚悟なんてないくせに最低

自分を責める言葉が容赦ない
でもあんたそうやってまた
気持ちよくなってんじゃない?

もうよくわかんないよ
分からないものは分からない
分からないものは分からないんだから
ほっといて

わたしの中のわたしもう
わたしに話しかけてこないでよ!

昔、言われた。
"「生き方の癖」って言葉は、ちょっとずるいね" と。

今なら分かる気がする。
わたし、昔から癖という名をつけて
変われやしないと逃げてたんだわ。

強くなりたい。
自分の感情をちゃんと表出できるくらい
自分の望みに素直になれるくらい

自分で自分を殺さないくらいに

なりたい。なりたい。

ね、ほらまた、なる、と、言えないの。

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