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根拠を示す

今日、とある商社の営業の人が社内のある部署に来て、その商社に発注した製品に関して、商社側がよくわからない指摘をしたらしい。聞くところによると、今の条件ではAという製品ではなく、Bという製品のほうが一般的だということだ。1年以上前から色々な条件を提示して最適なものを選定してもらったはずなのに、選定した側がいちゃもんを付けている。おかしな話である。それにAではなくBのほうがよいという根拠を聞いても、的を射た回答をすることもなく、では何を理由にそんなことを言ったのか、聞けば聞くほど謎である。

製品の特長自体を把握できていなかった点もさることながら、今更、その指摘をして一体どうしようというつもりなのだろうか。もし、本当に別の製品にしたほうがいいのであれば、正確な代替案を示すべきだ。根拠がきちんと言えていない時点で、代替案どころではないだろうが、それならばどうしてそのような発言をするのだろうと思った。

思い付きだけで発言すると、信頼を失うパターンに見事に当てはまっている。この手のことをやらかすのは、大体口数が多い(多すぎる)人によくある。喋っていることを自分の中で反芻しているのだろうか?と疑問に思うのだが、あまり顧みていないのだろう。「雄弁は銀、沈黙は金」とあるが、沈黙していることが必ずしもいいとは限らない。しかし、根拠のないことを話して相手を不安にさせるくらいならば、やはり黙っていたほうがいいのだと思ってしまう。

翻って、自分自身も相手に何かを説明するときに、きちんと根拠を示せているかと自問する。話しやすい相手だからといって、思いのままに口を開いていては、言う必要のないことを言ってしまう危険性がある。自分が発現する前に、今一度、冷静になって考えることを、今日の事案は教えてくれる。

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