古事記神話 5つのパターン

古事記神話のパターン

①天地初発神話
宇宙に中心があり、天と地が漂っている状態から地の中心ができ、次第に広い野原のように広がっていくという概念は、北方大陸系の宇宙創造神話の影響がみられる。一方、男女神により「国生み」が行われ、住居・灌漑水・天候などを司る「神」、穀物、鉱物、舟などの天然自然を生み出す神話は南方系の神話の影響とみなされる。


②黄泉の国神話
地上の国と地下の国があり、「死」を媒介にして行けるという想定は、さらに道を通過して行く空間的概念を導入している。これは、中国南方の道教神話に接続している。


③政治起源神話
姉が天を司り、弟が罪を犯して、その罪を祭儀で祓い、弟は罰として地上へと追放される。また、女神を殺害すると五穀が体から生成する。その孫が一度地下に行き試練を経て、その後地上を治めるというものは南方系神話の影響といえる。


④海彼の神
中間に海の彼方から来た「神」が国作りに力を貸し、やがて常世国に帰るという概念は南方系とマレイ・南中国的なものとの混合した神話の影響がみられる。


⑤国譲り神話
地上を司る神と、天を司る神との間に争いが生じ、地上の神が国を譲り、天を司る神に命じられた神が統治する。