いちご栽培カレンダー:冬春イチゴ&夏イチゴの違い

夏イチゴ、輸入から国産化へ


いちごは、国内産果実としては国内最大流通量(年間2000億円弱)で、11月翌年5月には、小売店/ケーキ店/スイーツ店の人気果物の1つとなっています。静岡産だと「紅ほっぺ」「章姫」がその冬春いちごに相当します。イチゴは、6-10月の冬春いちごの出荷の無い時期に、従来はカリフォルニアから夏イチゴとして輸入されていましたが、10数年前から、北海道、東北、長野等の夏の高冷地で夏イチゴの栽培が進められています。

いちご栽培カレンダー:冬春イチゴ


冬春イチゴ&夏イチゴの違い静岡いちご「紅ほっぺ」は、9月下旬に定植(育苗された苗の植付)、収穫は11月から始まり、5月末まで続きます。

いちごは、花芽分化、出蕾/開花、収穫のサイクルを繰り返しますが、冬春いちごの最初のサイクル(通称:1番花)は、クリスマス、年末年始の需要に合わせて栽培管理が行われます。

静岡産冬春いちご「紅ほっぺ」の栽培カレンダー

2番目のサイクル(通称:2番花)は、11月に開花、1月中旬に収穫は始まるように栽培管理をして、1番花と2番花の間に収穫の無い端境期を無くすのがイチゴ農家の栽培ノウハウとなっています。

イチゴの旬が3月と言われる理由

春先の3月を迎えると、2番花、3番花、4番花の収穫のサイクルが重なり、収穫量が増加していきます。3月がイチゴの旬と言われるのは、イチゴの市場流通量が増え、店頭販売価格が消費者の値ごろ感のある価格に下がってくるのが理由の1つです。

いちご栽培カレンダー: 夏イチゴ

夏イチゴは、主要な冬春いちご品種の出荷の無い6月下旬から10月に収穫を目指して栽培管理が行われます。以下は、長野県の夏イチゴ生産者(恋姫)の栽培スケジュールです。

夏イチゴの栽培スケジュール

冬春イチゴと夏イチゴの克服すべき課題の違いは、極寒温度と猛暑温度の栽培環境の違い。

冬春イチゴは、12月-2月の氷点下を下回る極寒時期の中での栽培管理、夏イチゴは、35度超の猛暑時期での栽培管理が、各々の栽培課題となっています。

イチゴの最適栽培温度は18-25度とされていますが、猛暑時期(梅雨明けの7月下旬~9月上旬)は、イチゴの花芽分化、開花、収穫のサイクルにとっては厳しい環境とされており、この時期の高温下での栽培管理をどう克服するかが、夏いちご栽培の中で大きな課題となっています。



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