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人生はダンスのようだ

自分の人生をふりかえってみたら、ダンスに例えてみたくなった。今回はそんな「人生のダンス」について。


ダンスは楽しい

 実はここ数年で、踊ることの楽しさを覚えてしまった。別に「シャルウィーダンス」のように社交ダンスを始めたわけではない。ただ音楽に合わせて自由に身体を動かす。振り付けも決まったステップもなしに踊る。そんな時間が楽しくてしかたがない。
 ほら、こんな風に。

そもそもダンスって…。

 そんな私も、もとからダンスが好きだったわけではない。
 過去の記憶をたどってみると、ダンスと言えば体育の授業。チームでダンスをつくる時間があったと記憶している。メンバーで相談し、決めたとおりに踊る。高校の学校祭では体育館がディスコさながら、大音響と派手な照明の中、全校生徒が踊り狂ったこともあった。
 その当時の私にとってダンスの経験はこんな風だった。どんな風に踊ればいいんだろう?どんなステップが正しいんだろう?私の踊りは他の人からどう見えているんだろう?かっこわるくないだろうか?そんなことばかりを考えて、全くダンスを楽しむことができなかった。頭と身体がバラバラで、頭ばかりが働き、身体の動きはまるでロボットのようにぎこちない。それは、ダンスというにはほど遠い経験。
でも、そもそもダンスって、そんなものではないですよね?

踊る人と何がちがうのだろう?

 あるとき「踊る人」と出会った。その友人は内側から流れ出るように自由自在に身体を動かし、音とと共に踊っている。踊る人自身の存在と分かちがたいダンス。頭と心と身体、究極の自己一致、全体性Wholeness。
 ああ、いいなぁ。自分には無理だなぁ、と思っていた。でも、いったい何がちがうんだろう?もちろん、身体能力は各段に違っている。それから、踊る技術も私にはない。でも踊れない私には、そもそもそれ以前の何かが足りないように感じていた。

流れとともに生きる

 プロセスワーク(*1)を学び始めて、身体を自由に動かすことが多くなった。いわゆるムーヴメント・チャンネル(*2)から気づきを得るという体験を何度もした。どんな動きが出てくるかわからないのに、まず動いてみる。動きに身を任せる。そして、しっくりくる動きを見つける。そして、そこからどういうわけか思いがけない気づきを得るのだ。
 そうしていくうちに少しずつ、どこに向かうのか確証もないけれど、流れに身を任せて動くことができるようになってきた。ダンスが楽しくなってきたのも、そんな体感覚が身についてきた頃からだ。
 自分の身体の動きに浸り、瞬間瞬間に起きてくる感覚についていく。まるで自分の身体を取り戻したような感覚。ぎこちなさも消え、流れるように全体性をまとっている。気がつけば、「正しい動き」や「決められたステップ」を探ることも、周りからのジャッジを気にすることもなくなっていた。
 思えば人生もまた、ダンスのようなものなのかもしれない。正解を探したり、行先を決めて進んでいっても、思い通りにいかないことがよく起きる。たとえ頭で決めた行先ではない所にたどり着いても、流れの中から新しい智慧を受け取り、また新しいダンスを始めることができる。
 「流れとともに生きること」の確かさは、自分の人生をふりかえってみても実感を持ってうなずける。

人生のダンスを踊り切る

 とにかく私の場合、人生の後半に入ってから、思ってもいない所にたどり着いてしまう経験が続いている。長く続いた葛藤の末の離婚、次男の不登校、長男の闘病と死。どれも思い描いていた人生とは真逆の出来事だった。
 手にしたかったものの多くを失った。打ちのめされ、どうしてこんなことが起きるのか、と思うようなことがあった。それでも、そこから多くのものも手に入れてきたと思う。それらを経験したからこそ理解できたこと、気づいたことがある。
 流れに翻弄されながらも、流れとともに生きること。そこから何かの意味と智慧を見つけていくことが、「人生のダンスを踊り切る」ということなのだと信じている。

 人生が1つの大きな流れ、プロセスだとしたら、私たちはその流れをよく感じ、見つめる必要があるように思う。流れが滞っているなら、そこに見るべきなにかがあるのだろう。流れる方向が変わったとしたら、そこに新しい変化への智慧もやってきているに違いない。
 
 あなたも、流れとともに、流れを感じながら、
 人生のダンスを踊ってみませんか?


(*1)プロセスワーク
私は、流れとともに生きる智慧をプロセスワークから学びました。
みなさんにも、ぜひ体験してもらいたいと思っています。
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「心理学」というと「気持ち」を「言葉で」話すイメージが一般的ですが、「プロセス指向心理学(プロセスワーク)」では感覚や動き、イメージなども大切な情報源としています。
普段意識していない感覚や、周りに起きていることも、すべて自分と関係のある「過程(プロセス)」と捉えていく、ユニークなアプローチです。”一見望んでいない出来事や問題の中にさえも必要な答えがある”と考えるこの心理学の特徴は、幅広い場面に応用できます。個人の心理に留まらず、コミュニティの構築や社会問題というグループや関係性を対象にしています。
西洋でユング心理学から発展してきましたが創設者のアーノルド・ミンデルは物理学(量子力学)の出身です。また東洋的な思想であるタオイズム、シャーマニズム、先住民の智慧、禅などの世界観の影響を受けています。
非言語や動きを大切にするこのプロセスワークは、レクチャーと体感を通じて学んでいただくことをおすすめします。
(*2)ムーヴメント・チャンネル
人が発する言語・非言語のメッセージをシグナルと呼ぶ。シグナルは様々な形で現れ、その種類をチャンネルと呼ぶ。ムーヴメント(動き)チャンネルの他、視覚・聴覚・言語・身体感覚・関係性・ワールドチャンネルなどがある。(教える人によって種類の数は違うそうです)

【札幌開催】2024/6/28Fri-6/30Sun

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