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ビックカメラ(3048)優待。

内容はビックカメラ商品券。

 ビックカメラは国内2位の家電量販店で、100株保有した場合、権利確定月の2月に商品券が2000円分、8月は保有期間に応じて1,000〜3,000円分送付されます。有効期限は半年ちょっとです。(2022年時点)

優待は5月、11月中旬以降に到着。

 100株を3年以上保有で年間5,000円分の商品券が送付されると聞けば、聞こえは良いのですが実際は、2,000円と3,000円に分けて送付され有効期限が半年なので、高額家電の購入と言うよりは電気小物や日用品向きです。

 同じ5,000円引きであれば、上新電機(8173)は2,000円以上の購入で200円割引される割引券25枚(権利月は9月)が1株以上の保有で送付されるため、50,000円以上の家電を購入する際の優待は上新電機が適しています。1株2,000円前後なので、一度でもフル活用すれば元が取れます。

 とは言え、ビックカメラの優待も5月到着分が11月末まで有効、11月到着分が5月末まで有効で、優待券が到着したその日から店頭で利用できる(検証済み)ことから、開始時期は定められておらず、5月下旬と11月下旬の僅かな期間は、半年前に送付されている優待と併せて使用可能らしいです。私は優待券が紙切れになる方が嫌なので、到着したらすぐに消費してしまい、2期分を同時に利用したことはありません。

 参考までに2022年8月期で廃止となった、日本BS放送(9414)のビックカメラ商品券は金券タイプで有効期限がありませんので、コツコツ貯めて高額商品購入時に利用したい方はこちらが向いています。また、お釣りが出ますので、ビックカメラの優待券と組み合わせて1,000円以下の端数だけ日本BS放送の優待券を併用することも可能で、コジマ(7513)の優待券も併用可能です。

日用品取扱い店舗が近場なら使える。

 業績や配当に関して特筆すべき点はありませんが、長期保有により優待利回りだけで4%を超えるのは魅力的です。有効期限が半年先までと短いので、数千円の電気小物や日用品の購入に充てるような使い方が向いているため、近隣にそう言った店舗がある場合は保有することで生活コストが削減できます。

 ECサイトでも優待券を郵送することで後日指定口座に返金される形で利用可能ですが、郵送料金が株主負担であることと、特定記録郵便または簡易書留推奨のため、数千円の優待券に対して200円以上も料金を要するため、そこまでする位なら、あまりビックカメラに拘る必要性を感じません。

 また、ビックカメラSuicaカードと相性が良く、日常使いならビックポイントとJREポイントの双方が0.5%ずつ貯まるため、優待券を利用する際、それなりにビックポイントが貯まっていて端数が賄えたりします。

 SuicaやJRの特急、新幹線を利用する方であれば、純粋に交通機関専用クレカ兼ビックカメラのポイントカード的な使い方も可能であるため、サブカードとしても使い勝手が良いです。最低でも年イチは使用しないと年会費が発生するため、半年毎に送付される優待券で端数を決済するのは、サブカードで年会費無料条件を維持するために都合が良かったりします。

東が西武で西東武を鉄道員がガチ解説。

 池袋に本店を構えていることからビックカメラの歌には「不思議な不思議な池袋〜東が西武で西東武〜」と首都圏の東側を走っている筈の東武鉄道が西口で、西側を走っている西武鉄道が東口な池袋あるあるが出落ち感万歳で歌われている。

 西武鉄道の当初の起点は巣鴨で、東武鉄道は下板橋と言う件は鉄道マニアなライターに譲るとして、鉄道員らしく日本の鉄道史の観点で東武東上線の異端さに触れて行きたい。

 歴史を遡ると戦前に乱立気味であった鉄道を統廃合する目的で、陸上交通事業調整法が1938年に交付された。これは動力車操縦者の学科講習における安全に関する基本的事項の教材で触れられるが、暗記要素が強く、試験後に内容を覚えている物好きはあまり居ない。

 特に世界で最初のストックトン・ダーリントン鉄道からリバプール・マンチェスター鉄道(最初の旅客運送)の件は暗記するだけなら2行だが、「会計の世界史」を読むとドラマそのもので教養が深まります。

 本題に戻ると、陸上交通事業調整法の内容としては、山手線から放射線状に伸びている国鉄の中央本線、東北本線、常磐線を境界線として、その間のエリアにある零細鉄道は大手と経営統合する趣旨で、中央本線より南側は東京横浜電鉄(後の大東急、分社後は現:東急、小田急、京王、京急)、中央本線と東北本線の間は武蔵野鉄道(現:西武)、東北本線と常磐線の間は東武、常磐線より東側が京成傘下となった。

 例外として、総武鉄道(現:東武野田線)の船橋-柏間は京成ブロックではあったものの、一体運行している路線をわざわざ分断するのも如何なものかと言う至極真っ当な意見から、京成エリアではあるものの、東武が殴り込む構図が出来上がっている。

 しかし、全ての定石を無視しているのが東武東上線で、前身の東上鉄道は完全に西武ブロックであり、本来の趣旨なら"西武"東上線となるのが筋だが、開業時に出資者が集まらなかった際に、東武鉄道の社長である根津嘉一郎さんが出資して会社を創設しており、事実上の東武傘下だった内情から神の見えざる手が働き、東上鉄道だけは陸上交通事業調整法による統合対象外路線とされたことで、西武エリアに東武路線が飛び地で鎮座する事態となった。その名残から東上線池袋-川越市間の主要な路線バスは、東武バスよりも西武バスと言う摩訶不思議な現象が発生している。

 歴史にifはないが、陸上交通事業調整法の道理のまま現在を迎えていれば、池袋駅は東口も西口も西武鉄道だったことだろう。それが、出資者が絶対な資本主義社会であったことから「東が西武で西東武」のねじれが発生して、ビックカメラの歌が生まれたと考えると感慨深いものがある。

最後に、

 投資は自己責任です。あくまで私個人が投資しているものを紹介しているだけなので、内容を鵜呑みにせず、参考程度にして頂けると幸いです。未来は誰にも分かりません。自分の頭で考えて納得した上で、身銭を投じて頂きたいのと、特定銘柄を推奨しているわけではないことを予めご了承ください。

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