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金持ちになるためには、まず金が必要だ。


町田康 死闘三日 下積みのチンジャオより

お金本 | 夏目 漱石, 国木田 独歩, 泉 鏡花, 下中 弥三郎, 佐藤 義亮, 永井 荷風, 正宗 白鳥, 種田 山頭火, 小川 未明, 辻 潤, 金田一 京助, 山村 暮鳥, 北原 白秋, 武者小路 実篤, 萩原 朔太郎, 石川 啄木, 谷崎 潤一郎, 石川 武美, 葛西 善蔵, 菊池 寛, 内田 百閒, 室生 犀星, 夢野 久作, 直木 三十五, 芥川 龍之介, 渋沢 栄一, 小泉 八雲, 二葉亭 四迷, 正岡 子規, 田山 花袋, 野間 清治, 左右社編集部, 吉川 英治, 江戸川 乱歩, 金子 光晴, 加藤 謙一, 吉屋 信子, 宇野 千代, 横光 利一, 井伏 鱒二, 川端 康成, 壺井 栄, 石川 淳, 三好 達治, 稲垣 足穂, 草野 心平, 森 茉莉, 羽仁 説子, 山本 周五郎, 小林 多喜二, 堀 辰雄, 幸田 文, 平林 たい子, 坂口 安吾, 高見 順, 太宰 治, 白洲 正子, 森 敦, 織田 作之助, 柴田 錬三郎, やなせ たかし, 山田 風太郎, 鶴見 俊輔, 遠藤 周作, 池波 正太郎, 吉行 淳之介, 立原 正秋, 北 杜夫, 羽仁 進, 田辺 聖子, 野坂 昭如, 小松 左京, 有吉 佐和子, 石原 慎太郎, 赤塚 不二夫, つげ 義春, 赤瀬川 原平, 石ノ森 章太郎, 佐野 洋子, 南 伸坊, 北野 武, 橋本 治, 村上 春樹, 忌野 清志郎, 中島 らも, 魔夜 峰央, 有栖川 有栖, 山田 詠美, 町田 康, 穂村 弘, 角田 光代, 村田 沙耶香 |本 | 通販 | Amazon Amazonで夏目 漱石, 国木田 独歩, 泉 鏡花, 下中 弥三郎, 佐藤 義亮, 永井 荷風, 正宗 白鳥, 種田 山 www.amazon.co.jp

 タイトルは「お金本」から拝借したもので、この本は文豪のお金に関するエピソードを題材にしたエッセイ集であり、本書の表紙や見返しはパワーワードの嵐となっている。

 そのうちのひとつでもある、第三章の町田康さんの文中にある「金持ちになるためには、まず金が必要だ」という、進次郎構文のような、禅問答のような、それでいて身も蓋もない残酷な事実でもある、この言葉が目についてクスッと笑ってしまった。

 現にトマ・ピケティ氏が21世紀の資本論のr>gで、金融資本が増え続けるスピードは、経済成長のスピードを凌駕し、何の再分配もしなければ、お金持ちはお金持ちであり続け、経済格差が指数関数的に広がっていく事実を、数百年分の統計データをもとに証明している。

 ゆえに「金持ちになるためには、まず金が必要だ」は論理的には正しいが、方法論が一切考慮されておらず、感情論としては、それができたら苦労していないと思うのがパンピーの悲しい現実でもある。

 とはいえ、冒頭に紹介した「お金本」では、クセ強めな文豪の独特な金銭感覚がまとめられているため、庶民の参考になるようなライフハックはほぼほぼ記されていない。

 アンパンマンの生みの親でもある、やなせたかし先生の「お金がもうかる正しい原則」として、「良心的な面白い仕事をすることです」と一応のアンサーは記されているものの、こちらに関しても、それができたら苦労していないと、より一層、やせたかなしい気持ちになる。

 漱石先生の言葉を借りれば、そもそも文豪は大衆がイメージするほど儲けていない。現に私の家は借家だ。家の買い方も分からない的なボヤきも、お金本の中で垣間見れる。

 この本からは離れるが、「13歳のハローワーク」で村上龍氏が、作家は最後に行き着く仕事だと記している辺りからも、著述業の温度感というか、世間とのギャップは窺える。

お金は使わなければ貯まる。

 さて、お金本を持ち上げるのはこれくらいにしておいて、まずは金持ちになるために必要な金を、いかにして集めて資本力を増強していくかの方法論を、n=1ではあり、100%の再現性は保証できないものの、私の経験則から記していきたい。

 そんなことを豪語する私が何者かと問われれば、「怪しい者です」以外に答えようがないが、高卒で社会に出て手取り13万円で「お前が終わってんだよww」状態から、20代にして老後資金問題は解決し、20代単身者の上位1%に相当する純金融資産を保有。

 金融資産運用益、いわゆる不労所得があるのをいいことに、身体が壊れたのを口実に退職して、それからは就労もせずにダラダラと暮らし、たまには旅行に行ったり、ウナギを食べたり、オシャレをしたりする現状に至った知見が、ひとつでも参考になれば幸いである。

 唐突だが、橘玲氏が提唱しているお金持ちの方程式をご存じだろうか?
(収入−支出)+(資産×運用利回り)

 これを見ると分かるように、4つの要素しかなく、実にシンプルである。そして、4つの要素のうち、最も重要なのは資産と考えるが、多くのパンピーは資産ゼロスタート。それがあったら苦労しない。

 運用利回りに関しても、正しい金融リテラシーを持ち合わせいない人が多数派で、預金こそ正義な状態だと運用利回りはゼロに等しい。高校生の金融教育が始まったとはいえ、教える側の知識もにわか仕込みで、殆どの人は運用経験が乏しいため、後ろの2要素は生活防衛資金(半年〜1年分の生活費)が貯まってから考えれば良いと個人的には考える。

 つまり、最初は(収入−支出)だけ意識すれば良い。収入は私のようにロクに稼げない労働集約型産業で、正規雇用手取り13万円みたいな罰ゲーム状態からスタートすると、そこから収入を増やして挽回するのは難しい。

 そうなると、支出を減らす方向にしか残された道はなく、結論としては、お金は使わなければ貯まるという、当たり前の理屈に行き着く。

いかに無理なく支出を引き締めるか。

 今思えば、手取り13万円で「お前が終わってんだよww」状態から社会人生活がスタートしたのは、無理なく支出を引き締める観点で重要な要素だった。

 正規雇用の枠組みであれば、手取りがこれ以上落ちる心配がない最下限であり、否応にも耐乏生活に慣れる必要があったことから、基礎的な生活コストを安くする倹約の知見が10代のうちに得られたのは、資産形成の観点で大きなアドバンテージだったからだ。

 まず先取り貯蓄の計画を立てる。最初は1年間で100万円貯めることを目標に、毎月5万円、年2回のボーナスで20万円を生活口座から貯蓄口座に移動した。

 当時、手取り13万円だった私の場合、差し引き8万円。毎月8万円で生活するにはどうしたら良いか、知恵を絞る格好となった。

 結論から記すと、今の支出をベースに削ることを考えると、心理学のアンカリング効果により、バイアスが生じて判断が歪むため、衣食住を満たすには最低限、何が必要かを出発点とした方が洗練される。

 私の場合は住宅、生活インフラ、食費”以外は”別に無くても死なないため、必ずしも必要ではない出費と位置付け、段階的ではあるが削減していった。

 民間保険はネットで契約できる火災保険(不動産屋のセット契約は大概ボッタクリ)と、車持ちなら自動車保険が必須なだけで、生命保険も養育中でない限り不要。子どもが巣立つと保険を掛ける必要性も薄れるから掛け捨てで十分。

 公的保証の知識があれば、民間保険がいかに無駄か理解できるため、FP2級まで勉強するのが費用対効果の高い自己投資になるだろう。

 ラテマネー、酒、タバコの見直し。自炊&水筒でコンビニや自販機から距離を置く。図書館などの血税で運営されている公共施設を最大限活用する。クレカのポイントを侮らないなど、ゲーム感覚で倹約が染み付くと、金持ちになるためにまず必要な金が貯められる体質になっているだろう。


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