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吃音者がスマートスピーカー使ってみた

アメリカでは保有率が1/4を超えているのに日本ではそんなに流行っていないスマートスピーカー。友人の家にあったのを見て何かと便利そうではあったものの、声で操作するというのが吃音の自分にとってどれくらい便利なものなのかいまいち想像がついていませんでした。
先週気になって調べてたらちょうど今ビックカメラがセールをやっているじゃないか!ということで購入してしまいました。本当はイタリア旅行行くはずだったんですがウィルスの影響でおじゃんになってしまったのでその浮いたお金で買いました。

前半はスマートスピーカーのレビュー、後半は吃音者としての感想になってます。

購入したもの
Google Nest Hub (ディスプレイ付きのスマートスピーカー)
https://store.google.com/jp/product/google_nest_hub

Google Nest mini (スマートスピーカー)
https://store.google.com/jp/product/google_nest_mini

Nature Remo (赤外線リモコンで操作する電子機器を管理できる機器)
https://nature.global/jp/landing-page-dm-g

Google Chromecast (TVでストリーミングできるようにする機器) 
https://store.google.com/jp/product/chromecast

設置

AlexaではなくGoogle系にしたのは、NetflixやYoutubeなど普段自分が使っているサービスを多く網羅しているのがGoogle系だったからです。音声認識の精度も良いと聞いて即決でした。

ベッドサイドにNest Hub, キッチンの壁にNest Miniを設置しました。
部屋もそんなに広くないので最初はNest Hubだけにしようと思っていたんですが、キッチンにも設置したら皿洗いや料理で手持ち無沙汰になるときに遊べるかなと思ってキッチン用にも1台購入しました。結果的にこの選択は結構良かったと思ってます。

ChromecastはスマホやNest Hubの動画をストリーミングできる機器で、TVにCEC対応(HDMIで機器が制御できる機能)がついているならスマートスピーカーに話しかけるだけで電源を消したりnetflixを再生できたりします。「ただいま」って言ったらTVが付いてニュースが流れる的な近代SF体験がしたかったので購入しました。

Nature Remoはスマート家電ではない電子機器でも赤外線リモコンで動くものならスマホなどから操作できるようにするスマートリモコンと呼ばれる機器です。これからスマート家電が増えるまでの緩衝材として利用しようと思い購入しました。エアコン・TV・照明・扇風機用にしています。

初体験

設置が終わっていよいよ初めてのスマートスピーカーです...
自分が想定していた使い方として、ピンポイントで見たいもの聞きたいものを調べるよりはちょっと疲れた時とか休憩したい時にフラっとお願いしようかなと思っていたので、緩い言葉でどれくらいやってくれるのか試してみました。

(自分)「OK Google, Spotifyでいい感じの音楽を流して」
(Nest Hub) 「分かりました、Spotifyでいい感じの音楽を再生します」

流れてきたのはケツメイシの「いい感じ」という曲でした。


そうじゃねーよ!!!!!!ってめっちゃツッコミましたね。
元々記録されているフレーズなら抽象的でも結構聞いてくれるんですが、こちらが意図した動きをしてくれるのは全体の75%くらいの印象です。まぁ何もしてくれないわけではないのでないよりマシか...

OK
「リラックスできる音楽を流して」
「エアコンの温度をちょっと上げて」
「Netflixで進撃の巨人を見たい」

NG
「さっき流した曲もう一回かけて」→ Daft Pankの『One More Time』が流れる
「適当にラジオ流して」→ Spotifyが流れる
「Netflixで異世界かるてっと見たい」→そんなものはないと言われる(新しめのアニメだと対応していない?)

結構念入りに設定してあげないと、思った通りには動いてくれないみたいです。スマートスピーカーに命令するはずが、スピーカー様が動いてくれるようにこちらで話し方を微妙に変えながら様子を伺う始末。これはAIに人間が支配される日も近いですね!!Google様がお決めになった言葉を話す模範的な人間になりましょう。

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吃音者だからこその困りごと

ここからは吃音者としてのレビューになります。
自分は独り言だと吃音は出ないので、スマートスピーカーに対して話すときはどうなのかわからなかったんですが、結論から言えばしっかり吃りました。これはまぁそうだろうなとは思っていたので気にしてないです。

想定通りだったところ
スマートスピーカーは声だけで操作できるのが嬉しいところなんですが、吃音者にとっては「声でしか操作ができないところ」がネックになる時が多々あります。少しでも声以外で操作ができるように、ディスプレイがついているNest Hubを購入したのですが、Nest Hubも文字入力は声しか対応していません。例えばYoutubeで東海オンエアの動画を流そうにも、「OK Google, .................................t, t, 東海オンエアの動画を流して!」となったときには反応してくれず、ちょっともの悲しい気持ちに包まれます。もっと言いやすい名前にしてくれ東海オンエア。

ただでさえGoogle Nest Hubが反応しやすいようにデバイス名や調べたい検索名を正確に言わなければならないのに、頑張って言い終わった頃には入力待機時間が終わっていたり、最初の音が無駄に大きくなってしまってYoutubeでsumikaの曲を流そうとしたら「セミ、家」で検索されてセミを家で生きたまま揚げ物にする動画が流れてきたりしました。

設定側で言葉を設定すれば、自分の言いやすい言葉を設定して望んだ動きをさせることも可能ですが、今後の手間を考えると1つ1つ設定するのは結構苦行です。最低限よく使うであろうデバイスの名称は

「Nest Mini」→「スピーカー」
「テレビ」→ 「リビング」
「Nature Remo」→ 「リモコン」
「Nest Hub」→ 「ホーム」

など変えてしまいましたが、結局検索をしたいときはクエリを口にしなければならないのでストレスに感じるときはあります。

想定よりマシだったところ
1番は待機時間が思ったより長いことです。会話としては明らかに不自然な間があっても、「OK Google」と言ってから3~5秒くらいは普通に待ってくれるので、吃っても全然反応してくれます。ただ一度それ以降を話し始めるとそこから止まるとすぐに動作に入ってしまうという欠点はありました。

また音声認識の精度が非常に高いので、かなり小声でも十分に反応してくれて独り言程度の声量でも使えます。自分は声量を絞ればどもりも少しマシになるので割と嬉しかったです。

あと吃音者の方はNest MiniよりディスプレイのついているNest Hub以上のものを買うのを強く勧めます。ディスプレイ付きのものは今どこまで認識できているかを画面で表示してくれるので、吃って待機時間が過ぎてダメだったのか自分の発音が悪くて正しく聞き取れなかったのかが分かって精神衛生上とても良いです。

まとめ

結果的にスマートスピーカーは買って良かったと思っています。
家にいるのは朝夜が多いので、寝起きの頭だと吃音も出にくくそこまでどもりがネックになっているという印象はありませんでした。ピンポイントで調べ物をしたいときは吃音と相まって操作性の悪さがちょっとストレスですが、それならスマホかPCで調べればいいだけなのでその棲み分けは少しずつ覚えていけばいいと思っています。

吃音の程度にもよるとは思いますが、ガジェットを触るのが好きな吃音者なら結構おすすめです。スマホで撮った写真がトップにすぐ表示されたり、「今日の予定は?」と聞けばカレンダーに入っている予定をを読み上げてくれるので、機能面は申し分ないと思っています。一番嬉しいのは、「おはよう」というだけで今の時間と今日の天気予報・気温・直近の予定・最近のニュースをガシガシ読み上げてくれることです。朝が弱い自分にとってはいきなり声がするだけで一気に目が覚めるのですごく良かったです。


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