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総員、第一種戦闘配置!? ~ 危機管理情報センターの話

志村「(内閣情報)集約センターから第1報連絡です。アクアトンネル上り線で亀裂による浸水。詳細は不明ですが、車両数台が巻き込まれた模様です。先程、官邸連絡室が設置されました。緊(急)参(集)チームに参集指示が出ています」
矢口「了解した。総理は?」
志村「到着予定まで、28分あります」
矢口「今は情報が欲しい。下に降りよう」
志村「はい」

庵野(2016、S#7)。

映画『シン・ゴジラ』より冒頭の一幕です。

このあと主人公矢口蘭堂は、首相官邸地下にある危機管理センターオペレーションルームを訪れ、日本の存亡を巡る"巨大不明生物災害"の渦中へ飛び込んでゆくことになります。

ゴジラ映画としては公開当時の歴代興行収入第一位という快挙を成し遂げた本作において、まず観客の目を引くのが直後に登場するオペレーションルームの場面でしょう。

ちょっとした体育館ほどの巨大空間、その壁面を占めるこれまた巨大なスクリーンに、机へ所狭しと並べられたノートPCや状況を刻々と伝えるアナウンス、各省庁から出向したリエゾン担当者が忙しなく行き交う姿など「いかにも」な演出の連続が、幼少期から空想科学を食べて育った大きなお友達のハートを鷲掴みにしたわけですね。

序盤のたった3シーン、あわせても1分に満たない短い登場時間でありながら、「会議映画」とも称される本作の方向性を決定付けた場面として、作品冒頭で強く印象に残った方も多いのではないでしょうか。


みんな大好き「危機管理センター」

この『シン・ゴジラ』の「官邸危機管理センターオペレーションルーム」が、東京はお台場・有明の東京臨海広域防災公園〈そなエリア東京〉にあるオペレーションルームで撮影されたことはあまりにも有名――

――ですが、実際の官邸危機管理センターはその名の通り首相官邸地下に存在します。

レスキューナウ設立のきっかけにもなった1995年の阪神淡路大震災で政府の対応がひどく遅れた反省から、大規模災害などの緊急事態において情報の集約・分析を行い、首相や閣僚、官房、内閣情報調査室といった内閣の諸機能と連携することを目的に整備されたというこの施設、セキュリティの都合か公開されている情報が極めて少なく、一般の身でその全貌を窺い知ることはできませんが、内閣官房の資料を読む限りでは、警察・消防・自衛隊などのヘリテレ情報や、国交省の河川情報、気象庁・消防庁の防災情報といった各種情報を入手・集約するという機能からも、その実態が『シン・ゴジラ』劇中に登場したような、いわゆる「オペレーションルーム」であることは想像に難くありません。

災害などの緊急事態において、応急対処にあたる組織の長が円滑に意思決定を行うための拠点は、激増する膨大な情報を一元的に集約・精査・管理できる謂わば「指揮所」のような場所が望ましく、『シン・ゴジラ』劇中にも登場した東京都庁防災センターの災害対策本部室をはじめ、今や国・都道府県のみならず、政令指定市どころか町村レベルの自治体であっても開設するケースが相次いでいます。

さて、そんな行政・自治体の感覚では当たり前の存在となりつつある「危機管理センター」ですが、一部民間企業にも設置例があることをご存知ですか?

そう、弊社ウチのことです。


映画の世界へようこそ

レスキューナウ創業の地、不動前オフィス

ここは東京・品川区某所――

首都高湾岸線と京浜運河が南北を貫き、高度成長期を支えた輸送・物流拠点の姿を今なお残す大井・八潮地区とは反対側の武蔵野台地末端部。都内有数の歓楽街や商業集積地に近接しながら、目黒不動尊などの名刹が往時を忍ばせる閑静な住宅街の一角にそれは存在します(所在地は非公表です。ご容赦!)

C◯A本部と言われたら納得してしまいそう!?

ご来訪のお客様が口を揃えて「秘密基地みたい」と目を丸くするこの場所こそ、レスキューナウの誇る「危機管理情報センターRIC24」その東の拠点〈RIC-EAST〉です。

「え、こんなところに」とよく言われマス

今をときめくITスタートアップの中核であるからには、総ガラス張りの、さぞ近代的なビルに入居するのかと思いきや然に非ず、そこに会社があるとは気付かせもしない意表をつくロケーションは、まさに「地球防衛軍極東基地か、ネルフ本部か」といった趣き。

このSF映画ばりの〈RIC-EAST〉、そして大阪府某所の〈RIC-WEST〉、二拠点の体制でRIC24は24時間365日、文字通り休みなく危機管理情報を監視・配信しています。

駅チカのロケーションでアクセスも抜群
「2拠点体制」による冗長性の確保で災害への備えもバッチリ

そう、大変申し遅れましたが、この記事を執筆した私、危機管理情報部の松浦も、弊社危機管理情報センター〈RIC-WEST〉にて勤務しております。


レスキューナウ危機管理情報センターRIC24

左上から入ってきた情報が、RIC24を通って、右下から出ていく

これは当センターのロゴマークです。

このロゴは、センターへ流入した情報が人の手を経てお客様の元へ届けられるという当センターの日々の配信オペレーションそのものを表しています。

Artifcial Intelligenceたる人工知能AIの発達著しい今日、システムによる自動化を最低限のもの(一部完全自動化あり)に留め、情報が人から人へ伝えられるコミュニケーションによって成り立つ本質に則り、あえて人の手を介して配信する姿勢に拘る真髄がここにあります。

コロナ禍を経て、労働者の働き方にも変化が生じました。かつては出社してのオペレーションを前提としていた危機管理情報センターの勤務環境も今では大きく変わっています。

現在、当センターは東京のEAST、大阪のWESTの両RICに加え、Gather Presence社のGatherサービスを活用したバーチャルオフィス、以上3つの拠点で稼働中しています。発災時、20分以内にセンターへ参集する従来の体制は維持しつつ、今では多くのスタッフが自宅からバーチャルオフィスでの勤務に従事しています。


最後に

いかがでしたか?
映画に登場するような「危機管理センター」が民間企業にもあるというこの事実、ちょっと興味をそそられるのではないでしょうか。

レスキューナウは、日本唯一の危機管理情報の専門会社として、防災分野で様々なサービスを提供しています。防災・危機管理の重要性が叫ばれるなか、当社も事業拡大につきメンバーを積極採用しています。
災害や危険から安心な暮らしを守る事業をやってみたい、自分の価値観と共感できる部分がある、ちょっと興味が沸いたので話を聞いてみたい、ぜひ応募したいなど、弊社に少しでもご興味を持っていただけましたら、ぜひ弊社のリクルートサイトをご覧ください。


参考文献


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