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北海道での強風体験で改めて感じた強風の危険性と対策の重要性

こんにちは!レスキューナウ危機管理情報センターの村松です。

先日、私用で北海道の留萌地方に数日滞在する機会がありました。今回はそのときに遭遇した強風の体験について書いていきたいと思います。

留萌地方ってどんなところ?

今回訪れた留萌地方は北海道北部の西海岸側にあたります。
東京からは羽田空港から旭川空港まで2時間弱、そこから留萌地方の中心都市、留萌市の中心部までは車で約1時間半。やはり北海道は広いですね。
もちろん、レスキューナウは全国の危機管理情報を扱うため、東京から離れた留萌地方の情報も、24時間・365日監視し、配信しています。2023年の実績では、留萌市の気象情報や停電に関する情報などを配信しました。

留萌地方は、古くはニシン漁や炭鉱で栄えました。炭鉱は現在閉山して山沿いは人口が減少しており、主な市街地は留萌市をはじめ、海沿いにあります。
そして、日本海から激しい強風が吹き付けるため、特に海に近い場所には木の塀を作り、風から家や庭の植物を守っている家を何軒も見かけます。さらには、海沿いを走る国道232号沿いには背の低い植物が目立ちました。
こうした風景を見て、はじめはなんとなく、「強い風が吹くエリアで大変だな」程度に思っていました。

強い風が吹くエリアのため、風力発電機も多く建設されている

強風で空模様がめまぐるしく変わる

しかし、この強風への備えは決して他人事ではありませんでした。
滞在中には、北海道の西と南から来た2つの低気圧が発達しながらオホーツク海上へと移動。西高東低の「冬型」と呼ばれる気圧配置になりました。これに伴い、留萌のアメダス風速計観測で毎秒10メートルを超える風が吹き続けます。宿にいても不気味なくらい風の音が聞こえ、日本海には激しい白波が立っていました。
さて、こういう日は雲の流れもすさまじいです。雲は目に見えて速く流れ、空模様もめまぐるしく変化します。少し向こうに青空が見えていても雨が吹き付けてくるという状況に、この日は何度も遭遇しました。

強風で身体が浮きそうに

この日の移動で大変だったのは、常時同じ強さで風が吹いてくること。基本弱まることはありません。
風に向かって歩くのはまだいいのですが、風と同じ向きに歩こうとすると大変で、ちょっと風が強くなった瞬間に、身体が持ち上げられそうになる感覚がありました。当時のアメダスと見比べると、おそらく瞬間的に20メートル近い風が吹き、そのあとも15メートル近い風が吹いていたのだと思います。一回バランスを崩したら間違いなく転倒しますし、そのあと身体を起こせる自信はありません。そのため、足をかなり踏ん張って、風に流されないように歩きました。
このとき、空模様は晴れでしたが、周囲を確認するのも大変でした。そこで木の枝か何かが飛んできても避けられる自信はとてもありません。晴れていてよかったと思うと共に、もし雨だったら周囲の確認も困難であることは容易に想像がつくと共に、路面が滑って転倒する可能性もあったなと思いました。
こうして改めて「空模様関係なく、強風とはこんなに恐ろしいのか」と思わされました。

強風で海はしけており、白波が立っていた

強風時の車の運転とドアの扱いに要注意!

では歩かずに車で移動すれば安全なのかといえば、そんなことはありません。
この日は海沿いの国道232号で車を走らせている時間も多かったのですが、常時10メートル以上の風が吹き、車が風に煽られます。しっかりハンドルを握っていないとあっという間にハンドルを持っていかれそうになるので、かなり気をつけて運転をしなくてはいけません。
カーエアコンを外気導入モードにすると、エアコンの運転をしていなくても、どんどん風が入ってきますし、時々窓がヒューヒューと音を立てます。
そして、コンビニに立ち寄り、ドアをあけようとすると、車のドアが勢いよく全開になりました。幸い、隣の駐車スペースに車がいなかったために、事故にはなりませんでしたが、以降は可能な限り、風に向かうようにドアをあける向きに駐車しました。
あまり勢いよくドアが開くと、ドアの「ヒンジ」と呼ばれるドアとボディをつなぐ部品が損傷し、ドアが使えなくなることもあるそうです。ヒンジそのものの部品代は1万円もしませんが、交換にかかる工賃は数万円にもなる可能性があります。車にいれば決して安全ということはなく、何より事故を防ぐ観点からも、やはり天気予報をしっかりみて、20メートル以上の強風が予想される場合は、車での外出を控えた方がよさそうです。
また、バスや電車の公共交通も同じです。実際、過去には強風で鉄道車両が吹き飛ばされ、人が亡くなったという痛ましい事故もありました。
ですので、強風の日は極力外出を避ける、そしてちょっとした強風でも海沿いを走る公共交通機関が遅れや運転見合わせになることもあるというのは念頭におく必要があると思います。最近では、悪天候が予想される場合、事前に鉄道の運行計画を公表する例も増えています。乗換検索サイトなどで運行情報を確認しておくのも大切です。

留萌地方には今年3月までJR留萌本線が通っていたが、部分廃止となった。写真は旧留萌駅舎

最後に

日ごろ、首都圏でも海から少し離れた場所に住んでいる私にとって、今回の経験は非常に貴重でした。そして改めて、台風をはじめ、強風が予想される日はこれまで以上に外出を避けようと意識を新たにした次第です。

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