【DQM3】ドラゴンクエストモンスターズ3のレビュー① ゲームプレイ編

はじめに

レビューをする前に、私のプレイ状況と感想の方向性を記載する。

  • ゲームクリア済み、推定プレイ時間7~80時間

  • 対戦・クイック対戦はせず、1人用モードだけ楽しむ層

  • ゲームとしての感想とストーリー(話のこと)の感想は別

  • ゲームとしては賛、ストーリーはかなり否の評価

最初に評価の結論を述べておくと、ゲームとしては面白いのでモンスターズのゲーム性が好きな人にはオススメ。ストーリーは細かいことを気にしない人なら楽しめるかもしれない。細かいことを気にする人の場合は…

三部構成を予定しているレビューのパート1となるこの記事では、DQM3のゲームプレイに焦点を当ててレビューしている。

ストーリーに絞った評価もする予定。

注意点

この記事はDQM3の12月26日アプデの前に書いたので、話題にした一部の項目(タマゴマラソン・配合のほこら等)は改善されているようだ。

ゲーム内容の感想

良かった点


  • 裏ボス討伐まではゲームとして非常に面白かった

    おもしろいという単純な感想が、このゲームのほぼ唯一にして最大の評価点だ。

    この後あらゆる欠点についてボロクソに書くが、それでもなおゲームとして面白かった。裏ボス討伐まで恐らく50時間ほどは非常に楽しく遊んでいた。その後の残り20~30時間は楽しくなかったわけだが、それについては後程。

    このゲームがなぜ面白いのか、言語化がとても難しい。貶すより誉める方が圧倒的に難しいので頑張って誉めておきたい。

    ・ひたすらモンスターを捕まえて配合するのが単純に面白い
    ・コマンドRPGとして絶妙なバランスなのかもしれない
    ・マップ探索がなんだかんだ楽しめている?
    ・マップを攻略する順番がある程度選べるので自由度を感じる
    ・もっと配合したいので次のマップに行きたい!と思える
    ・ボスが強いので、負けたからレベル上げ!というのがモチベーシ    ョンになった

    ふわっとした理由しか思いつかないが、このあたりが面白い理由だろうか。

    配合が楽しいというのは、おそらくモンスターの配置が絶妙に良くて特別な配合が自然とできるため、遊べば遊ぶほどパワーアップしている!という実感が得やすいという事だろう。

    つまり、『奇跡的なレベルデザインでユーザーを楽しい方向に誘導している』というのが、粗が目立ちすぎるこのゲームを面白いと評価させる魔法の正体ではないだろうか。

    この不思議な面白さは裏ボス討伐の50時間付近までしか続かないが、それまでは本当に夢中になって遊ぶことができた。娯楽あふれる令和の世で50時間も満足して楽しめるなら、十分に価値があるゲームだと思う。

  • DQ4の世界観やBGMで冒険できるのは良かった
    今作はDQ4の世界を舞台にしているので、DQ4の曲やマップが多く登場する。原作をプレイしたことのあるファンならグッとくるポイントだし、他のモンスターズシリーズと違っていつもの曲以外も流れるので多少マンネリが薄れている。

  • 1人用ゲームとして遊びやすく調整されている
    このゲーム単体の長所というわけではないが、過去作から遊びやすく改善されている点も評価できる。

    過去のモンスターズであったような、マイナス特性や霧などのストーリーでは基本使わない特技、異常な回復コストなどの対戦バランス調整用の要素が無くなり、ストーリーを1人用RPGとして普通に楽しめた。
    (これ自体はイルルカの時点である程度改善されていた記憶)

    また、複雑すぎた配合システムがシンプルになったので、対戦についていけない層に情報の波を押し付けて混乱させることも無くなった。

    おそらくはこれらの遊びやすくする調整によって、『捕獲・レベル上げ・配合』という究極のサイクルを妨害する物がほぼなくなったことが面白さの一因かもしれない。

    これらの変更は対戦が好きな層にとっては戦略の単調化や使えるモンスター数が少ない等の問題を生んでいそうだが、私は対戦には触れていないので良かった点として挙げる。

    過去作からの改善点は他にもあり、配合を面倒なだけにしていた性別や、スカウトアタック時の無駄なモーションが撤廃されたりもしているらしい。

    イルルカの時の『ご当地限定モンスターを捕まえないと配合が進まない』といった酷い限定要素が無くなり、普通のプレイで図鑑を埋められるようになったことも、当時それで激萎えした記憶があるので無くなってくれて嬉しい。なおバーガーコラボは完全にスルーしても全く問題なかったので苦情としても書いていない。ただしスルーするつもりでいても、通信対戦で該当モンスターに遭遇してライブラリにのせてしまうと、図鑑を100%にすることができなくなる酷い仕様がある。

  • モンスターのモデルが良い

グラフィックが悪いとよく言われる今作だが、モンスターのモデルやモーションは基本的に高品質だと思う。もちろんほとんどがdq11とdq10からの流用なのだが、dq10プレイヤーとして改めて眺めてみても質が高いと思う。逆に言うと3ds版から流用していると思われるモンスターは微妙なのでモデルの品質に格差がある。

ただし、あくまでモデル自体の出来は良いというだけで、モンスターズ用に作られたわけではないので、モーションが地味と感じる人もいるようだ。オリジナルボスのモーションが派手で良いのに使えないのは不満点かもしれない。


せっかくなので、モデルがどの作品から流用されているのか観察して発見したことを書いておこうと思う。

  • モデルはDQ11>DQ10>ライバルズ>DQ7・DQ8の優先度で流用されている。

  • 10と11に両方出ているモンスターはテクスチャなどが11用にアップデートされている。例えばデザートランナーは10のままなので、ぐんたいがに等11にも出ている10モデルのモンスターと比べるとわかりやすい。

  • グレイトドラゴンは10と11でモデル自体が違うらしく、11の物が採用されている。ちなみに11のモンスターはテクスチャがリアル調でFPSの高い動きが多く、10のモンスターはややデフォルメされた動きでウネウネと動き回り、移動モーションが特徴的な気がする。10は敵を全方位から何度も観察する機会があるので、それに耐えられるようにデザインされた動きなのかもしれない。レグナードを出す時は是非10のモデルでお願いしたい。

  • ライオネックも似ている部分が多いが、攻撃時の指で払うような動作がDQ10は指2本、11は指1本なので、11と10でモーションが違うようだ。DQM3では11のモデルが使われている。ちなみにどちらもPS2版DQ5のライオネックの攻撃モーション(指一本)に似せていると思われる。

  • ダークドレアムのモーションは10も11も同じのようだ。おそらく、10に登場していても、11の開発に渡すのが間に合わなかったモンスターはモデルが違うのだろう。11の発売日は2017年の7月29日。10に 登場したバージョンが、ダークドレアムは15年3月9日、グレイトドラゴン系は16年6月30日、ライオネック系は17年3月1日なので、少なくとも発売の1年前を過ぎるとモデルがコンバートできないと予想する。逆にドレアムは使いまわせたからガリンガはドレアムと同じモデルなのかもしれない。

  • ネクロバルサのモデルが10由来のものではなくどこからきたかわからない。普通に10のモデルの方が出来がいいと思うので謎。

  • キラーマジンガのモデルがキラーマシン2と同じになってしまっている。SFC版の6では同じ見た目の色違いだが、DQMJ2Pに登場したときに金槌のデザインが別になったらしい。

  • エビルプリーストとデスピサロ(モンスターの方)には10のモデルが存在するがおそらくライバルズのものが使われている。どう考えても10のモデルの方が出来がいいので、主要人物であるエビプリのモデルはそっちを使うべきだと思うが、16ヶ月前に登場したエビプリの最新モデルを使えなかったと言うことは、2年くらい前にはストーリーかゲームを作り始めていた?と妄想できる。10のモデルは待機モーションが派手なので画面的な都合が悪くてライバルズのモデルにした可能性もある。

  • エルギオスは10のモデルが存在するがなぜか使われていない気がする。ミルドラース・デスタムーア・エルギオスは過去のモンスターズからの流用っぽくないし、ライバルズにも実装されていないので、もしかしたら新造なのかもしれない。

  • ギュメイ将軍の呪文モーションやゾーマの眠りモーションなど、10のモデルでも10ではその動きをする条件が存在しなくて見られなかったモーションが見られる。存在しなかった動きをモンスターズ側で新たに設定しているだけの可能性もある。

  • ネルゲルのモーションは10での戦闘が特殊なので、モンスターズ用に変わっている気もする。元は本体・右腕・左腕の組み合わせで動きが変わる上に、戦闘フィールドの都合で上半身だけでプレイヤーに攻撃するようなモーション。

  • ディオロス以降の後半のボスモンスターたちは当然ながら新造モデル。モンスターズの戦闘に合わせてハッタリの効いたモーションだと思う。

  • 新モンスターのはなまきドラゴがかわいい。

悪かった点


上からダメな順に書いていく。

  • エラー落ちが多すぎる
    最も致命的な欠点。このゲームは基本的な部分の品質がすべて低いが、その頂点に位置するのがエラー落ちだ。

    私のプレイ環境を書いておくと、カートリッジ版とテレビ接続でプレイして、図鑑完成までに10回位は落ちたと思う。落ちすぎだと思う。

    特定のタイミングで落ちるバグがあるとかそういうレベルではなく、本当に落ちる。ゲームに没入しているときにいきなり落とされると非常に萎える。体感では上級エリア(特に煉獄)に入ったあたりから戦闘開始時にエラー落ちするようになったため、マップが重いと落ちると思われる。

    さらに悪いことに、仕様的にオートセーブを切ってリセマラをしないととてもやっていられない事象が複数あるため、最後にセーブしたのが数時間前なのに落ちた、なんてことも人によっては発生してしまう。というか一回やらかした。

    単にエラー落ちという現象だけでも酷く悪いが、エラー落ちを最も致命的と位置づけたのは、それを直さないで発売している制作環境がまともでないことの証明だからである。

    ロードが長いとかレスポンスが悪いとか、悪い所を全部配合すると最終的にエラー落ちが生まれる配合ツリーだから、エラー落ちが最強というわけだ。そしてエラー落ちが発生していると言うことは、進行不能バグやセーブデータ破壊バグなどのさらに致命的な上位バグが隠れている可能性も示唆している。進行不能バグはそれに近そうな挙動をチラホラ聞いた気がする。

    とはいえ論外レベルのバグはロード時間が長い等他の問題点に比べれば今後改善される可能性が高い。

  • DLCのモグダンジョンが有料のくせにクソ
    モグダンジョンというのは過去作にあった無料の必須システムを有料で切り売りしたDLCだ。つまりこのゲームの定価は7678円ではなく8998円。定価をDLCで詐称しているのがまず酷い。とはいえストーリーをクリアするだけなら無くても何とかなるのでまだ問題ではない。

    このDLCの何が悪いかというと、無料の機能を有料にして売っているくせに、機能が無料レベルのままな所だ。

    モグダンジョンは今まで遭遇したことのあるすべての魔物と出会える機能で、これが無いとメタル系の配合やSランク以上のモンスターの配合はとんでもなくマゾになってしまう。

    その出会う機能が低品質過ぎるのがモグダンジョンの問題だ。例えばFランクならFランクだけが出る層に入って探すことになるのだが、一度のマップに10匹ほどしか抽選されない一方でFランクのモンスターは何十種類もいる為、目的のモンスターがぜんぜん出てこないのである。入りなおせば配置はリセットされるので、ロードが長いこのゲームで出たり入ったりを繰り返して探すことになる。どうしてマップ内に再配置ボタンを置いてくれなかったんですか?

    あとモンスターにサイズがあるせいで、米粒みたいな大きさのモンスターが草に隠れて見えない事がよくある。しかし上位ランクのマップは草の生えていない洞窟マップなので小さくても隠れない。テストプレイしたときにマップを全部洞窟にして草を消そうと思わなかったのだろうか。

    これらの欠点は無料なら酷いなで済むが、有料のDLCなので酷いでは済まない。金を追加で取るなら使いやすくして時短とストレス解消を徹底してほしい。

    余談になるが、モグダンジョンがあることがこのゲームの寿命を縮めている原因だと思う。特に制限なく目的のモンスターを捕まえられるので、配合の障害がタマゴモンスターしかないのだ。これを有料で便利にするくらいなら無料で機能を制限したままの方がよかったのでは?と少し思うのだが、このゲームのファンは時間の無い社会人が大半だと思うので時短として必要な気もする。

  • DLCのエビダンジョンの存在意義が皆無
    エビダンジョンというのは、マスターズ版を買うとついてくる追加コンテンツで、モグダンジョンと違って必須ではない。というか全く不要だ。
    私もコードがあったから入れてみたものの、一回もプレイせずに終わった。なので詳しい内容は把握していないが、やらなかったのには理由がある。

    エビダンジョンはとにかく参加がめんどくさいのだ。ランク限定とか種族限定とか、ストーリーを進めているときに用意する余裕なんて全くない。ダンジョンは敵がある程度強いらしい。ゲーム中に難易度が段階的に解放されるわけではなくずっと共通ということは、序盤に意味不明な強さのモンスターに当たって萎える可能性が高い。仮にPTを用意しても追い返されるだけかもしれないなら最初から触らない方がいい。もちろん実際は難易度を分けてあるからいつ挑戦しても遊べるはずなのだが、上の部分まで一気に提示されると、難しそうなのがこんなにあるならいいやと感じてしまう。ついでに報酬も丸見えなので、そんなに良さそうじゃないから無視。クリアした後なら遊ぶ余裕が出来るものの、報酬がいまさら不要なアクセサリーと超元気玉なのでやる意味がない。

    更に悪いのはこのDLCが時短ではなくコンテンツな所だ。仮にこれが作りこまれていて楽しい内容だったら、何故コンテンツ不足の本編に入れないのかという話になる。詰んでいる。

    他二つのDLC、モグダンジョンと箱はどちらも時短できるDLCなので入れたら即使えるのに、エビダンジョンは時短には使えずコンテンツとしても興味を持てず、有料DLCの癖に本当に意味が無い。めんどくさすぎる入場制限を撤廃して、旅パで1時間に一回入って便利アイテムがもらえるとか、たまにタマゴモンスターが景品になるとか、カジュアルな時短DLCに直してほしいが、有料で売った物の内容を変えるのもめんどくさそうなのでずっとゴミDLCのままだろう。

  • タマゴマラソンが拷問レベル
    裏ボスを倒すとやることがいよいよ図鑑埋めの為の配合しかなくなるわけだが、それを妨害する巨壁がタマゴ限定モンスターだ。配合の終着点となるXランクのモンスターは配合を繰り返すだけでは作れず、タマゴからのみ入手可能なモンスターが必要になる。


    タマゴとはストーリーを進めるとフィールドに配置される物体だ。調べるとモンスターが入手でき、特別なスキルを憶えている場合もある。配合とか対戦とかを考えなければ、無償でレアなモンスターが手に入ることもある嬉しい要素と言えるかもしれない。

    問題なのはタマゴからしか出ないモンスターの抽選確率が非常に低いことだ。正攻法で入手しようとした場合、10回戦闘してタマゴを3個探してまた10回戦闘して…というのを出るまで繰り返すことになるわけだが、後述のタマゴマラソンで効率を圧倒的に高めた状態でもコンプリートまで10時間~20時間はかかってしまうといえば、正攻法でのタマゴモンスター入手がどれだけ絶望的かお分かりいただけるだろう。ついでに言うとモグダンジョンがある前提でこれなので、DLCを使わない場合は複数要求される限定モンスターを再びタマゴから回収する必要がある。

    この絶望的な作業を現実的に可能なラインに引き上げるのがタマゴマラソンだ。タマゴの配置が10回戦闘後のマップ進入時に決定される仕様を利用して、別のマップでセーブしてから作業マップでタマゴを探し、出なければリセットしてまた探す。配置リセットの為の戦闘をほぼカットできるので正攻法よりずっと早い。そして最後の一匹になったら、一回だけならさらに圧倒的に効率がいいマラソンポイントがあるので、そこで一点狙いをして終了。
    このタマゴマラソンのためにオートセーブを切る必要があるので、エラー落ちが致命的な被害をもたらす場合がある。セーブしてないのは自業自得という意見がもしかしたらあるかもしれないが、エラー落ちもリセマラ推奨なシステムもゲーム側が悪いと思う。

    私は図鑑をコンプリートするまでやったので、もちろんタマゴマラソンもやった。呪詛と虚無しか沸いてこない内容だった。これのせいでストーリーをクリアするまでの『たのしい50時間』が『拷問の10~20時間』の感情で上書きされてしまった。クリア後の軽い虚無とタマゴマラソン挑戦による拷問の後の虚無、どちらがマシだったのだろうか?

    正直な話、タマゴシステム自体が悪いわけではないし、タマゴ限定モンスターで足止めすること自体は仕方ないと思う。ガチャで足止めしないとクリアした瞬間に本当に一瞬でゲームが終わってしまうからだ。

    では何が悪いのかというと、リセマラという非生産的なゲームプレイを強いられる所だと思う。例えばクリア後のやりこみコンテンツでタマゴがもらえるから、それを攻略するためのモンスターを育成する、『捕獲・配合・育成』に絡めたコンテンツになっていればよかったのではないだろうか。クリアしたら狩り放題になったメタキンを使って本格的に育成をしようと思っていたのに、メタル狩り用のはぐれメタルとスカウト用のゴルスラ以外は一切不要だったのが味気なかった。配合して魔王を作って戦わせてみたかったのに、それ用のコンテンツが1人用モードには一切ないのだ。例えば現状では全く意味のないエビダンジョンがボスを倒すとタマゴが手に入るコンテンツになれば、多少はやりがいが出たのではないだろうか?ただ結局のところリセマラの方が効率が良ければ作業からは逃れられないのだが。

    戦闘で報酬を得て配合を進められると言えばもっともらしいが、過去のモンスターズにも似たようなシステムがあってそれが不評だったからマラソンになってしまった可能性もある。
    最近のポケモンはやっていないが、SVのレイドのようなコンテンツでモンスターを獲得する遊びが欲しかったということかもしれない。問題点もそれと同じになると思うので、もし似たようなコンテンツが実装されても素直に喜べなさそうだ。

    開発側からするとガチャは足止めとしての導入コストがかなり低いし、ユーザー側も時間と忍耐以外の障壁がなくて誰でも出来るお陰でなんだかんだマラソンしてしまう。

    手の込んだコンテンツを実装して足止めしたらユーザーが誰もやってくれない!とか、実は開発目線では割とよくある事なのではないだろううか?たとえば、裏ボスより強くてクソ厄介でただレベルを上げただけでは勝てないモンスターを10グループ位倒さないと最後の配合ができない、みたいなコンテンツが用意されていたとする。コアプレイヤーからは反応がいいかもしれないが、メインターゲットの初心者から難しすぎて出来なくて魔王が作れないのが不満、みたいな反応ばかり帰って来て、タマゴマラソンより結果が悪い可能性も割とあると思う。

    足止めを実装せずにボリュームが無くてすぐ終わった的な文句を言われたり、強いボスを実装して文句を言われたりするよりはマラソンのほうがマシ、というクレバーな判断でもあったのかもしれない。

    ……いや、開発期間が足りてないだけでしょ。

  • ロード時間が長い
    長いです。場所にもよるけど移動する度に2~3秒持ってかれます。これについてはプレイヤーの立場からだと短くしてくださいとしか言いようがないけど、一つ疑問がある。

    配合所がロザリーヒルズの塔の地下にある為ここに頻繁に移動することになるのだが、地下以外の部分には用事がほぼ無いので、ルーラする度に建物全体を読み込んでいるのは極めて無駄だと思う。ルーラ着地点から配合所まで遠いという苦情と合わせて、そもそものゲームの設計に問題を感じてしまう。

  • 全ての操作のレスポンスが悪い
    ロードが長い問題と若干似ているが、メニューを開いたり人に話しかけたりといった基本操作も反応が悪く、何をしても常に若干の間が空く。こういった細かい部分を最適化する時間が無かったものと思われる。

  • 探索マップでの処理落ちが酷い

  • 驚くべきことに常に処理落ちでガタガタしている。外のマップだけでなくダンジョンも重い。別にグラフィックがいいわけでもないのに異常に重いのはどうかと思う。

  • 操作性も悪い
    私だけかもしれないが、メニュー画面での操作がかなりややこしくて思ったように操作できない事がある。直感的には十字キーで目的の場所にコントロールを持っていこうとするのだが、大体のページめくりはLRになっているのでそれだと動かない。しかしモンスターの強さを見ているときに目的のモンスターまでLRで遷移しようとするとスキルをめくってしまう。このLR・十字キー・ZRZLを多用したページめくりが分かりにくい要因だと思う。

  • マップの視認性が悪い
    マップの色合いが濃すぎて過ぎてたまに人やモンスターがどこにいるのかわからなくなる。マップの構造が複雑だったり植物が考えなしに生えているのも必要な情報を見づらくしている。

  • カメラが倍速だと酔う
    倍速で戦闘を見ていると戦闘終了時のぐいーっと動くカメラで酔う。

  • モンスターがクリア後でも追いかけてくる(ステルスがない)
    クリア後に探索しているとモンスターが追いかけてくるのがものすごくうっとおしい。全部逃げるようになるとそれはそれで困るので、過去作のようなステルス機能が欲しかった。

  • 逃げが確定にならない
    モンスターが追いかけてくる+確定逃げ無しのコンボでタマゴマラソンを妨害するのやめてください。

  • 道を塞いでいたり、飛び出してきて強制的にエンカウントするモンスターがいる。竜の首ではそれにかなりイライラさせられた。

  • エビルプリーストの隠れ家が最悪すぎる
    他のダンジョンは多少分かりにくいとか仕掛けの待ち時間がうざいとかがあっても耐えられる範囲だが、ここだけは本当にダメ。素直に進めると詰むだまし討ちのような謎解きに加え、入り口と最奥を何度も往復させるレゲーの時間稼ぎを現代に蘇らせたかのような解答。ギミックは2方向で済むような内容なのに役物は4方向に回転する無駄仕様で、竜の首と違ってスイッチを押すたびに長い待ち時間が発生する。攻略サイトの回答を見てスイッチの最低回数を数えてみたら25回必要で、押すたびに約9秒間は操作不能になるので、最短の手順でも4分近く動けない時間が発生する。もちろん謎解き中もモンスターは追いかけてくる。

    私は入り口に戻らないと詰むというヒントだけを頼りに自力で説いたので、何度も無駄にスイッチを操作したし移動や戦闘にも時間を取られるので、クリアまでに2時間くらいはかかったかもしれない。どうしてもエビルプリーストが悪いことにしたい制作者がダンジョンにまでヘイトを込めたのか?と邪推してしまう酷さだった。

    謎を難しくするならスイッチは短い移動距離にまとめてほしいし、移動距離を長くさせたいなら進んで行けば素直に解けるような構想にしてほしい。あと考えさせるダンジョンなら敵の邪魔を入れないでほしい。

総じてこのゲームは、あの大手ゲームメーカーであるスクウェア・エニックスが出した大人気シリーズの最新作とは思えないほどに品質が低い。しかし奇跡的にゲーム面は面白い。

このゲームは物足りないと言われている部分を迂闊に足すとDQMJ3PやイルルカSPに逆戻りするし、いらないと言われている部分を素直に消すと虚無度が加速する。そして開発にかけられるリソースはあからさまに少ない。そしてストーリーはアレ。この詰んでる状況でゲーム部分だけは面白かったので、狙って調整して作ったならゲームデザイナーの人が奇跡だと思う。

もし大方の予想通りにつまらなくて低品質だったら、クソゲーにボッタクリDLCをつけて1万くらいで売り逃げする気だったということになる。結構売れていることを考慮すると、ちゃんとお金と時間をかけて開発すれば純粋に低品質な部分は直せたはずなので、本当に制作体制と経営陣はやばいと思う。

細かい不満


  • 牧場が配合所の隣に無くて不便。

  • 牧場に話しかける度にコメントが出るのいらない。配合じじいと同じように即施設に遷移してほしい。

  • 戦闘終了後元のフィールドに戻ると周囲にいたモンスターがいなくなるので、普通の狩りでレベル上げをするのが面倒。口笛が欲しい。

  • モンスターが消える仕様のせいで普通のレベル上げの効率が悪く、さらに超元気玉の存在によりメタキンがレベル上げ手段として強すぎるので、クリア前からメタキンマラソンを強いられてしまう。

  • 今いるマップに生息するモンスターをパっと検索できない。

  • 配合後半の殆どのスキルを内容を見ないままに流してしまった。対戦以外で使う場所とスキル保存用の悪魔の書が欲しい。

  • 4体配合がノーヒントな上に割に失敗したら終わりなので攻略サイトを見る前提になってしまっており、嫌がらせとしか思えない。ゲーム内で組み合わせが分かるようにしてほしい。

  • スカウト時に既に牧場にいてスカウト率が下がっているモンスターかどうか確認できない。

  • 配合検索で1種族だけ検索したい状況が結構あるが、他の種族を全部オフにするのが面倒。

  • モンスター図鑑に載っていて捕獲はまだのモンスターが分かりにくい。

  • DQ10で言うところのレミラーマと宝箱リストがないので、クソ複雑なマップなのにどの宝を取得済みなのか分からない。そもそも遠くから開封済みかどうかわからないツボは見かける度に割るハメになっていたので、アイテムキャリアーとして配置しないでほしい。

  • 死んだら上限なしで所持金半分をロストするデスペナルティは時代遅れ過ぎるので撤廃してほしい。すべてのレスポンスが悪いこのゲームでいちいち銀行に話しかけないとデスペナを回避できないというのは苦痛極まる。さらに言うと全滅してロストしたのは町に入った後に警告なしで強いボスと戦闘になるジンマー戦だけだったし、ほとんどの場所は一度行けばすぐ再訪できるようになるので、無駄な作業を強いるほどのゲーム的な価値が銀行とデスペナに存在しているとは思えない。失うのが1000Gとかならまだいいが、いつの間にか何万Gもたまっていることが多くて大量にロストするのは気分が落ち込む。

  • 全体マップ・ミニマップに話しかけられる人物がアイコンで表示されない。

  • ミニマップでどこが通れるのか分かりにくい。

  • どのスキルが発展したりSPスキルになるのかゲーム内で確認できるようにしてほしい。

  • 特性で強さが変わりすぎるので、上級に入るあたりから配合でモンスターを強化する意味がなくなってくる。

  • ボスがバーストするのは、バーストされるかされないかの運の要素が強くなりすぎるのでやめたほうがいい。

  • +値が無いせいかレベルを上げるだけでモンスターのパラメータがカンストしない。また配合を繰り返して強化した実感が得られない。+値そのものは他の問題点を引き起こしていたから無くなったんだと思うけど育成が寂しくなった。

  • タネでカンストさせる仕様になったのに、持っている種をまとめて使えない。あと後半配合したり戦ったりするゲームではなく捕まえて逃がして種を獲得するゲームになるのはどうかと思う。

  • 裏ボスを倒した瞬間にやることが無くなりゲームが終わってしまった。
    かといって裏ボスを倒さないとメタキンの出現率が上がらないのでさっさと倒したい。肝心の裏ボスは大分強そうだったけどメタキン狩りを楽にしたいのでみがわりシャンタクでさっさと倒してしまった。

  • 裏ボスを倒した瞬間にゲームが終わってしまうのはモンスター数が少ないのも原因。イルルカSPの配合上位にいたどこから来たのかわからないモンスター達はともかく、初代テリワンからいてモデルも使いまわせる四諸侯が消えたのはよくわからない。あとオリジナルボス系が作れないのは魔物ではなく人物だから仕方ないと無理やり納得するとしても、エスターク二種が作れないのは理解できない。ストーリーであれだけエスタークを従える!!とか言ってたのなんだったの?

  • 裏ボス扱いのしんりゅう・ダークドレアム・エスタークがXランクなの納得できるが、ゾーマがXなのはえこひいきでは?

  • 対人戦はやらないので自分が困ったわけではないけど、キラキラやサイズがパラメータとして表示されず手動で計算するしかないのは、現代のゲームとは思えない酷い仕様。

  • ロザリーとベネットのモデルの出来が悪い。ロザリーの見た目がアレなのはさんざん言われてると思うけど、ベネットもハゲっぽく見えるのでモデルの出来が悪い。

  • モンじいのモーションが動きすぎでこわい

あとがき

ゲームとしては面白いので、モンスターズが好きだった人なら買ってもいいと思う。DLCはストーリーだけならなくてもいい。買うならモグダンジョンだけ。

ストーリーの評価というかツッコミも頑張って書いているが、余りも説明不足なせいですべてのテキストにツッコミどころがあってやばいので一向に書き終わらない。とてつもなく長くなる予定なので先にゲーム部分のレビューだけ投稿した。

とりあえず言えるのは、DQ4の6章が嫌いな人はやらない方がいいかもしれない。

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