マッド・バッド・ローラン、アンド、アザー・ストーリーズ

街道を女ガンマンが行く。馬の後ろでは、修道服の女が夕陽を眺めている。

ガンマンはブラダマンテ、修道女はメリッサ。ブラダマンテは一目惚れした黒人ガンマンのルジェロを探していた。当然一悶着あったが腕力で何とかした。

「我が師マーリンの奴、適当抜かしたんじゃねえだろうな」

独りごちたのはブラダマンテではなくメリッサ。師へのリスペクトが酷いことになっている。

「次の町に行けばルジェロにあえる、そうだよな、メリッサ」

「ああ。くそったれのガリンペイロの町の監獄に、あんたの愛しのルジェロは取っ捕まってる。師によればね」

「素敵!」

女ゴリラがうかれてんなー、とメリッサは思ったが口にはしない。

と、道端で気障な美男が打ちひしがれていた。が、構わず行こうとする。

「おい! 助けろ!」

女ガンマンは嫌々馬を止め、魔女は(うわ、ややこしい奴が)と内心思った。

【続く】

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