見出し画像

特別インタビュー 風間八宏が語る「考える力」の育み方 【PR】

画像1


本記事特集は10月16日にオープンとなったカロリーメイト「KEEP THINKING.」プロジェクトの提供となります。川崎フロンターレや名古屋グランパスを率いてJ1で104勝を上げた名将・風間八宏氏監修の「戦術クイズ」に挑戦し、優秀成績者には抽選でカロリーメイト(ブロック&リキッド)とオリジナルグッズが当たるというキャンペーンです。 ぜひ振るってご応募ください。


風間八宏氏の“思考”について3本のコラムを発信してきたが、ラストである今回は、特別インタビューをお届けする。風間さんが語るサッカーにおける「考え方」の育み方とは。



<PICK UP WORD>
私は家の横の神社で、「なぜ手のようにつかめないんだ」と思いながら裸足でボールを蹴っていました。74年のW杯を見た後は、自分の頭の中で神社の石ころを世界の選手に見立てて、「今のドリブルだと軽く取られたな」と考えながらプレーをしていた。そういう発想を含めて、自分でどこまで望むかが大事になってくると思います。



情報過多の時代で必要なこと


−-今回は「考える力」というテーマでお話をしたいなと。風間さんは体が大きくなくて足も速くない中、どうすればボールを相手に取られないのか、どうすれば抜けるのかということを考えながら練習していたとおっしゃっていましたよね。


私の頃は自分ですべて考えなければいけませんでした。今の子どもたちはいろいろなモノを与えられますよね。こういうトレーニングがある、考え方がある、という情報がたくさんある。それこそ、今なら私たちが“止める、蹴る”を教えます。ボールの回転や、芯を叩いたらこういう音がするぞ、と。色々とレクチャーしてあげられるのですが、私たちの時代はただ練習前に30分から1時間、インサイドキック、インステップ、アウトサイドとただただボールを蹴らされる。そこでは何も言われない。

 でも、そういった状況で知恵が生まれてくるんです。「どうすればこの1時間を楽に過ごせるか」と。雑に扱ってボールが横に後ろに行ってしまって、それを走って取りに行ったら体力も奪われる。だから、自分でいかに楽にするかを考えます。そこで知恵が生まれますし、正確にプレーすることが一番だ、と。ではその正確性はどうやって生み出すのか、と。

指導者になってからは、選手にわざと疲労度が高い状態で練習をさせることもあります(笑)。


--体力的にきついときに練習をすると、知恵がつくと。
そうですね。こういう状況に置かれると、私がいつも言っている「無駄をなくせ」ということをやることができるんです。プレーに無駄があるとさらに体力が奪われますから。子供達も選手たち自身も、普段から“もっと効率よくプレーする”ということを考えないといけないですね。


--今の子供達は得られる映像、教材もたくさんあるので考えなくてもやれそうな環境にいるのでしょうか。 昔の方が考える知恵があったのか、それともたくさん教材があるからそれを組み合わせて最適解を出さなければいけないので、考えることは増えたのでしょうか。

2つあると思います。情報を自分で処理する能力があれば今の環境は最高だと思いますけど、同じ映像を見ても間違った情報を入れたら下手になりますよね。だから自分が何をすべきか、何を見たいかというのが明確にあるとすれば良い。


画像3

 情報だけ入ってくることが多い時代だからこそ、その情報に惑わされずに“自分の目”をどう作るかが重要かなと。基準ですね。ただ、その目を持たない限り情報は毒にもなり得ます。そういう意味では、ちゃんと見極めるだけの知恵があるかないかで選手の成長は変わる。その部分を助けてあげることできれば、すごい選手も増えます。そのために私達がサポートをしなければいけないですよね。


「メンタルが弱い」のは考え方の問題?

--勝負所で力を発揮できなかったり、プレッシャーに弱かったりする選手は「メンタルが弱い」と形容されがちですけど、その状況をどう考えるかという“頭の使い方” “考え方” に関わってきますよね。

メンタルも全て頭から発信されるものなので、考え方でいくらでも変えられる。そこも知恵をつけなければいけない。その知恵をつけるためにサッカーがあるし、サッカーのために知恵をつけないといけない。今思うと、昔からそう考えてきたのかなと思います。60歳を間近にしてそれが明確になったところですね。

試合中に萎縮してしまう人は多いと思いますが、そういった選手に私は“4-4-2”という話をします。4が目的を達成しようとする意欲、もう1つの4が楽しもうとすること。自分がどういうことをやろうか、ということです。残りの2は不安。2割の不安があるほうが、ちょうど良い集中力になるんです。不安が大きすぎたら楽しみか目的、達成欲が減ってしまいます。

--不安を全くなくそうとするのが良いという人がいますけど、少しはあったほうが良いと。

フロンターレを率いていたとき、この話を選手にもよくしていました。僕らがボールを使わないで走るトレーニングはしないのですが、わざと先に行って、あたかもこれから素走りの練習をするようなと走るようにコーンを並べておいたんです。それを見た選手たちが「風間さん、今は1-1-8です」と言ってきました。それに対して「よかったな、じゃあ今日は良い練習できる」と。8は多いですけど、不安は必要です。そういう話をしていました。筑波時代も言っていましたが、自分のコントロールとは全て頭が行なうことなんです。

“メンタル”も“フィジカル”もすごい抽象的な言葉。だからこそ、それらを頭の中で整理していくと明確になるし、やるべきこともはっきりとしてきます。そこは自分で明確にしていけば良いんです。そのためには頭を働かせないといけないし、その知恵をつけないといけないんです。

画像4


「考える力」を育む2つの要素

ー考える力を活性化するためのポイントはどういう部分になるでしょうか。

面白いものを追求していくことが、最も頭を活性化させます。今、何が一番面白いのかに気づかなければいけない。5連敗していても毎回チャンスを相手よりも多く作っているとします。3割決めれば4点から5点取れているな、と。あれがゴールで終わったらすごい面白かっただろうな、と考えられれば徹底的にそこを追求していけば良い。そうやって考え方ひとつ変えるだけで、物事は前に進みます。


「じゃあ」「でも」と言ってネガティブな方を言う人もいますけど、そちらに向いてしまったら自分たちの良さがなくなってしまいます。その中でも良さを追求して、悪いところを消すという方法もあるんです。私はこちらの考えを選びますし、何より楽しいですからね。

苦手なことばかり考えていると、自分が考える楽しいものとはどんどん違うものになっていってしまいますから。

画像2

--最後に「考える力」をつけるためには何をすれば良いでしょう?

“楽しむ”ことと“追い込む”こと。この2つが考える力を身につけるに当たって必要な要素になります。楽しんで身につくことも少なくありませんが、どん底を経験した中で「絶対に這い上がる」という強い思いには意味があります。そのために何が必要か、を考えますから。怖がらずにそういう状況に身を置き、挑戦してほしいです。何かを怖がるのではなく、まずはやってみることが大事。自分で色々なことを考えて挑戦してください。

 そこで初めて“知恵”がつきます。だからこそ、失敗するか成功するかがわからない状況でも、まずやってみたほうが良い。失敗が9割で成功が1割という状況で、どこまで追い込んでできるか。成功する確立が1割しかなかったものを逆転できたら面白いですし、そうするためには頭を動かさないといけません。

 また、頭で考えると、暗示的に体も動いてくるものです。「自分はこうなれる」とずっと思い続けることが、成長に繋がっていきます。そこにある灯りを火種と捉えて「ここから燃やしていける」と考えるか、「あとわずかな灯火」と思うか。すべてを火種だと思ってトライしてほしいですね。

画像5


風間八宏氏が考えたサッカー戦術クイズに挑戦!

トップページ画像

風間八宏氏が監修した10問のサッカー戦術クイズ! 正解者の中から抽選で50名にカロリーメイトやカロリーメイトオリジナルTシャツ・ビブスなどが当たる!

詳しくはコチラ

<カバー写真:山本晃子>



読んでいただきありがとうございます。頂いたサポート資金は、より面白いコンテンツを届けるための遠征費や制作費に充てさせていただきます!