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選手や指導者に知ってほしい、自分のサッカー観を変えた風間八宏の言葉10選②【PR】


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<提供:大塚製薬>

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前回に引続き、風間八宏氏を継続的に取材してきた中で印象に残っており、かつ自身のサッカー観が変わった言葉を紹介していきたい。多くのプレーヤーや指導者に見てもらい、サッカーの本質や見方、捉え方が変わるきっかけになれば幸いだ。

では、残りの5つを紹介してこう。


⑥「ハンドボールにカウンターはほとんどない」

「カウンター狙いなんて戦術はない」と風間さんはよく言っていた。

相手のボールを引っ掛けてショートカウンター、という狙いを持ち、そのスタイルを標榜するチームをよく見る。ただ、ボールを持つ側が主導権を握るサッカーに於いて、持っていない側が攻撃の形を狙うということはできない。単純に言うとそういうことだ。

その話題の中で風間さんが口にしたのがこの言葉だった。

風間さんが重要視する“奪われない技術”は “手のようにボールを扱える”と言い換えることができるかもしれない。そういう意味では、ハンドボールは参考になる。実際に自分が観戦した際にも感じたものだ。

敵陣でボールを回して相手を揺さぶり、ディフェンスに密着されてるゴール前の選手にパスを入れても簡単には奪われない。そして、ほぼシュートで終わる。横パスを奪われたり、掴む際にミスして相手にかっさらわれることもほぼない。

渡す、受ける、渡すの連続を正確にやりつづければ、相手はカウンターなんて狙えない。そもそも、奪えない。そういうことだ。


ボールを持っている側に支配権・主導権はあり、高い技術で正確に攻撃をしかけられたら守る側に成す術はない。


⑦「質という抽象的な言葉ではなくて、それがどういうことかというのを突き詰めていっている。抽象的な言葉はグラウンドにはない」

①の「バイタルエリア」の話でも書いたが、風間さんの言葉の最大の特徴は、抽象的な表現を極限まで省くことだ。この言葉は「全体の質が上がっていますね」というような質問に対しての回答であるが、ぐうの音も出なかった。

「もっと質を高めていかないといけない」というコメントはよく選手から聞こえてくる。対外的なポーズとしてその言葉を使うのは良いだろう。メディアに対して全てを話す必要はない。ただ、それを噛み砕いて自身の中でその“質”は何を示すのかを理解していなければ成長に繋がらない。

そして、指導者も具体的にそれぞれの選手に何が課題なのか、自分たちが目指すところは何なのか、という部分について具体的に示さなければいけない。

個人的に最も抽象的だがよく使用される言葉は「メンタル」だと思っているのだが、風間さんがこの言葉を使うことはない。

⑧「1番ゴールに近い人には“点を取ってもらう”ではない。点を取らせないといけない」

①のところでとあるJクラブ強化部の方の「八宏は点を取れるチームを作れる」という言葉を引用したが、正確に言うと“チャンスを作れるチームを作れる” 力が風間さんにはある。

風間さんがチーム作りに着手するとき、まず後ろを整えるということはしない。勝つために必要なゴールを取るため、“最後の局面をどう崩すか”というところから入る。敵が近くにいて「マークが付いていて出せない」と思いがちな状況でもボールを扱う技術と受け手と出し手のタイミングを合わせればかいくぐるれることを教えるのだ。ここで選手の中での“フリーの定義”が変わってくる。

ひたすら認識をすり合わせ技術を高め、ペナルティエリアの3辺からゴール前へ侵入し決定機を多く創出することに風間さんは力を入れる。ゴール前でチャンスを多く作ることが、得点の大前提にある。独力に任せた再現性の低いスーパーゴールに頼るようでは、本当の意味での攻撃的なチームは生まれないし育たない。

思い起こすとフロンターレ時代の大久保嘉人は“触るだけ”のゴールもけっこうあった。そういうことなのだろう。

筑波大時代は木島悠や赤﨑秀平を、川崎フロンターレ時代は言うまでもなく大久保嘉人を、そして名古屋グランパスではジョーを。風間さんが率いたチームからは、必ず得点王が生まれる。


⑨「ストライカーはマグロ漁師だから。近所の魚を取るわけじゃなくて、1本取れれば良い。そのくらいの気持ちで取って貰えれば良い」


抜くスキルを教えるのは難しい、と風間さんは言った。

前回のnoteにもそれは書いた。そしてもう1つ、彼をもってしても難しいのが、ストライカーを育てることだ。

もちろん、シュートを狙う場所の意識変革とそこへ正確に蹴る技術を授けることで向上できる部分はある。ただ、相手を抜き去るのと同様に、得点をとるというのは特別な才能でもある。そして、当たり前だがFWの選手全てがその才能を持ち合わせている訳ではない。

だからこそ、前線の選手が得点機会を逸することがやや多くても厳しく咎めることはない。それよりも、その機会を創出できたことを評価する。

⑩「そのボール1億円だと思ったら、掴み方も変わる。取られたくもないだろう」

自分たちにとってのボールの大切さを示すときに出てきた言葉だ。ボールを奪われず、取られたら本能的に全力で奪い返しにいくある選手について話していたときに出てきた言葉である。

高い価値があるものを持つとき、手のひらの上にさらしておくことはしないだろう。拳の中に入れるように掴むか、体で抱え込むかもしれない。とにかく、安易に失わないように持つはずだ。奪われたらどうするか。全力で取り返しに行くだろう。

サッカーにおいてピッチ上に1つしかないボールも、それくらいの価値があるのだ。だからこそ「きみのボールはいくらだ」と風間さんは言い続けている。


ちなみに、冒頭で記したある選手とは大久保嘉人である。


奪われないためのボールの配置を考え、敵に触られないように常に頭を働かせる。そして、奪われた瞬間にスイッチが入り殺しに行くかのように相手からボールを奪い返しにいく。

彼にとってのサッカーボールは、1億円だ。だから、あのプレーができるのだろう。


【了】

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<カバー写真:山本晃子>

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