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横浜ダービーを終えた今、横浜FCサポ歴14年の私が伝えたいこと。(小嶋すみれ)

本記事は無料公開になります。月刊マガジン「国内サッカーの現場より 竹中玲央奈のここだけの話」では定額制ですが、Jリーグ、大学、高校など幅広い現場を取材して得た裏話を中心に情報を発信しております。ご興味あるかあは、ぜひ一度覗いてみてください。

読者の皆様、初めまして。
レオナさんのアシスタントを務めさせていただいております、小嶋すみれ(@smr1118)です。

小学2年生から横浜FCを応援している大のJリーグファンで、現在は大学4年生です。

将来的にスポーツに関連する職に就けたらいいな…と漠然と考えていたタイミングでレオナさんと出会い、アシスタントを務めさせていただくことになりました。現在は主に当マガジンに関連する業務を担当させていただいています。

前回のひかるの記事に続き、今回も「国内サッカーの現場より 竹中玲央奈のここだけの話」特別編としてアシスタント・小嶋が記事をお届けさせていただきます。


拙い文章ですが、最後まで目を通していただければ幸いです。

今回私が発信したいこと、それは7月11日に開催された天皇杯2回戦、
【横浜F・マリノスvs横浜FC】の一戦で起きてしまったある件についてです。

横浜ダービーで起こった出来事はSNS上で拡散されたこともあり多くの方の目に留まったと思いますが、一部事実とは異なる情報も流れてしまっている現状があります。横浜FCゴール裏で一部始終を目撃した身として、そして横浜FCを愛するサポーターの1人として、この場をお借りして本件を記録させていただきたいと思いま

横浜FCサポーターが犯してしまった過ち

まず、なにが起こったのかを述べていきます。

平成30年西日本豪雨で亡くなられた方々に対する黙祷を行った際、ゴール裏中心部の一部横浜FCサポーターがチャントを歌い続けた上にチームを鼓舞する横断幕を掲げ、黙祷に参加しなかった。

これが今回の事案の概要です。


横浜FCサポーター側の弁明としては、
「黙祷を行うことに気付かなかったがために応援を続けてしまった。決して意図的に黙祷を妨害する目的があったわけではない」ということです。

黙祷に参加しなかったことに関しては、批判を受けて当然だと思います。
黙祷を行う旨はスタジアムでアナウンスされていましたし、大型ビジョンにも表示されていました。それなのに気が付かなかったという主張はおかしい、という意見はもっともです。

しかし、横浜FC側にイレギュラーな状況があったことも述べておきます。

普段横浜FCは、ホームゲーム開催時にニッパツ三ツ沢球技場を使用しています。

この日は天皇杯、相手が同じ横浜に拠点を置く横浜F・マリノスであるということから横浜FCはアウェイチーム扱い、つまり横浜FCサポーターはいつもと反対側のスタンドから応援しなければならず、普段の環境とは違う中での試合開催でした。

訪れたことがある方ならご存知だと思いますが、ニッパツ三ツ沢球技場のアウェイ側は大型ビジョンに背に向けて座席が並んでいます。そのため体の向きを変えなければビジョンの案内表示を見ることができません。

先ほど述べた通り、その日私は横浜FCゴール裏で応援をしていました。三ッ沢に通い始めて十数年になりますが、アウェイ側での応援というのは今回が初めて。様々な面で慣れないアウェイ側に悪戦苦闘、体の向きを変えながらビジョンを見たのは初めての経験でした。ずっとビジョンを見続けていたわけではなく、選手入場時にはピッチの方向に体を向けていたことから、私は黙祷の案内表示を確認することができませんでした。

ゴール裏中心部にいた人たちも私と同じ環境下だったので、黙祷の案内に気が付かなかったという主張は間違いではないと思います。

しかし選手たちがピッチに整列し、スタジアム内が静まり返った様子を見れば、何かが始まることを察し応援を中断することができたはずです。横浜ダービーという特別な一戦が横浜FCサポーターたちの冷静さを失わせてしまったのでしょうか。しかし、それも言い訳でしかありません。

黙祷実施時のゴール裏の様子

スピーカー付近に席を取っていた私とその周囲の方たちは、幸いにも黙祷を行うという会場内のアナウンスが聞こえたため、黙祷する姿勢をとりました。

しかしゴール裏中心部の方たちはチャントを歌い続けている。この状況を非常にまずいと感じ、「黙祷!黙祷!」と大声を出し、身振り手振りを交えながら中心部の方々に伝えようとしましたが、上手くいきませんでした。私以外にも多くの横浜FCサポーターが同じ行動を取っていたのですが、残念ながら中心部の方々に伝えることができませんでした。

そしてこのタイミングで、選手たちを鼓舞する意味を込めた横断幕「If you love Fulie Stand up(フリエを愛しているなら立ち上がれ)」が掲げられてしまったことが、ゴール裏中心部へのアピールがより伝わりづらい状況を生み出してしまったと思います。

コールリーダーの方が異変に気付き応援をリードする太鼓を制止した時には、すでに黙祷が終了する間近。こうして横浜FCのゴール裏は黙祷を無視した、という事実だけが残ってしまいました。

もっとあの時、私たちが中心部の方々に対してのアピールを強くしていればここまで大きな事態に発展することはなかったのではないか、という後悔とモヤモヤとした思いばかりが心に取り残されてしまいました。


SNS上の反応を見て

また、私の中でのモヤモヤがより増してしまう出来事もありました。
試合後にSNSを確認したところ、当然のことながら多くの批判の言葉の数々が。その中には横浜FCというクラブそのものを否定するような過激な言葉やゴール裏に対する誹謗中傷とも受け取れる言葉も見受けられ、非常に残念な気持ちになりました。

横浜FCのゴール裏は怖い、という印象を持っている方が多いと聞きます。過去に何度か問題を起こしてしまいクラブ側から処分を下されたことはJリーグファンに広く知られており、それが尾を引いているのかもしれません。

しかし、それは過去の話だということを伝えさせてください。

2006年頃から私はゴール裏で横浜FCを応援していますが、ここ数年横浜FCのゴール裏は良い方向に変化を遂げていると感じています。以前の排他的だった(と私は思っていました)雰囲気は改善されつつあり、より多くの仲間を巻き込み横浜FCをサポートしていこう!という姿勢を見せ、尽力していることが実感できます。それを客観的に証明することができないことが悔しいのですが…。

そんな変化を見てきたからこそ、彼らに向けられた過激な言葉に心を痛めました。批判されるべきは横浜ダービーでの一件であり、ゴール裏の存在そのものではないと私は思います。

そして、いくら言論の自由があるとはいえネット上の匿名性や手軽さを利用し、自由と無法をはきちがえてしまう方がいることを残念に思います。

7月17日現在、今回の一件に対するクラブ側からの正式なコメントは発表されていません。そのため本件に対する処分が下されるか否かわからない現状があります。

しかし横浜FCゴール裏中心部は、7月15日に行われたアルビレックス新潟戦にて自分たちの過ちを認め謝罪を行いました。


起きてしまった事実を消すことはできませんが、今後二度とこのようなことが起こらないように改善策を考え、行動に移していくことはできるはずです。同じ横浜FCを愛する仲間として私は、今後のゴール裏中心部を見守り支えていきたいと考えています。

最後に…

この記事を読み、不快な気持ちになった方もいるのではないかと思います。
しかし、横浜FCサポーター個人としての発信だけでは伝わりきらない事実があり、それをこの記事を通して伝えることが私にできる唯一のことだという考えのもと、執筆させていただきました。
その点をご理解いただければ幸いです。

最後まで目を通していただき、ありがとうございました。
今後とも当マガジンをよろしくお願い致します。



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