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ワインに惹き込まれた経緯とそのススメ

この記事はKyoto University Advent Calendar 2020の12日目の記事です。

自己紹介

こんにちは、れおまると申します。京都大学工学部電気電子工学科3回に所属しており普段はお菓子作りやものづくりなどで楽しく遊んでいます。

今回はそんな僕の趣味の一つである「ワイン」についてお話していきたいと思います。

ワインとの出会い

ワインは醸造酒の一ジャンルでありその歴史は長く、紀元前4100年前のアルメニアでワインが製造されていた痕跡が残っているように人類の歴史に馴染み深いお酒です。

しかし当初の私はそんなワインを際立って好きであったわけではなくワインを買うのは大好きなハヤシライスを作るための料理酒としてスーパーで買う程度でした。そして微妙に余るのでそれを飲んでいたのでした()

それからしばらくして成人初めて帰省する機会があり、もう過ぎたけど誕生日プレゼントに何か欲しいものはないのと両親に聞かれたのですが当時これといって欲しいものはありませんでした。何もいらないよと言っていたところフォルジュ・ド・ライヨール社のソムリエナイフを誕生日プレゼントとしてもらいました。当時はそこまでワインを飲むこともなく、ましてコルクの開け方すらわからないような状態だったのでここまでワインにハマるとも思っておらず今思うと不思議なものです。(今思えばチョイスがナイスすぎですね🥺

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そしてその時見様見真似で抜栓したのがメドック格付け2級 シャトー・レオヴィル・バルトン 1999です。実家の6本しか入らないコンパクトなセラーでずっと眠っていたこのワインは今思えば成人祝いには名前の"れお”にちなんだ生まれ年のボルドーワインという気が効いたワインで父親に感謝しているのですが残念ながらまだワインのことが何もわからずスーパーやコンビニのワインに比べてタンニンが強くインパクトを感じたくらいの記憶しかありません。いつかもう一度味わってみたいですね。

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ワインへの目覚め

秋の風物詩ともいえるボジョレー・ヌーヴォーと同様にイタリアにもノヴェッロという新酒があり2つ合わせて飲む比べしようとの趣旨で同じクラスの友人3人で宅飲みしていました。その際抜栓したてではいつもの渋いワインとそこまで変わらないなと思っていたワインがほんの1,2時間程度置いていただけで見違えるほどに変化して丸みを帯びバランスの取れた美味しいワインへと変身していたのです。

沈殿などで色彩が変化するなど外見上の特徴が変化する飲み物などはありますが味がここまで変化しそして美味しくなるというお酒があることに大変驚いた瞬間でした。1年前のこのときこそがワインに関心を持った最初の瞬間です。

抜栓後のワインが時間とともに飲んで美味しい状態へと変化することを良くワインが「開いている」と表現されます。この状態は閉じている状態から開いたあとずっとそのまま楽しめるというわけではなく、そのままピークを過ぎると終わってしまうのです。このことからもワインは生き物であり変化の激しい飲み物といえます。ちなみにその原理は酸化によりワインに含まれているタンニンなどを変化させて酸味や渋みを和らげると同時に発酵時の亜硫酸を放出する効果などなどによるものによります。[1]

それからというものワインに関心を持ちコンビニで色々とワインを買ってみましたがなかなかあのときほどの感動が得られるものもなく、ワイン漫画で有名な「神の雫」なども全巻読んでみたもののその奥深さに圧倒され知識面が増えるのみでどこから開拓したら良いのかよくわからなくなってしまいました。(ちなみに神の雫は続編のマリアージュ 〜神の雫〜も含めて全巻読みましたがとても勉強になり面白いです。特に知識が少しついた2,3周目で読むのがこのワインは...!と楽しくなりあっという間に読めちゃいます)

さらなる深みへと

以前感じたような衝撃を再び感じたいと思った僕は、「ワインは飲むために深い知識が必要なものではなく飲んで学ぶもの」だと言われることから勇気を出して少しいいワインを買ってみようと決心し、購入したカロン・セギュール1996を友達の誕生日に開けることにしました。

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このときに味わった熟成ボルドーの味わいは今でも思い出せるくらい衝撃に覚えました。24年の熟成でここまで優しい味になるのかと。どうしても赤ワインというと渋い,飲みにくいというイメージを持っていたのですが熟成によって香りの華やかさとバランス、そしてタンニンの優しさがまるで違いました。初めて僕の手で抜栓したヴィンテージワインということもあり今でもこのときのボトルとコルクは部屋に飾っています。

カロンセギュールの生産年が一年違う1997年のものも試してみたのですが残念ながら全然印象が違い、1996ほどの感動が得られなかったので"当たり年"と言われるような言葉が存在しているようにヴィンテージの違いがここまで影響するのかということがしっかり感じ取れたことからもその深遠さに興味を持つようになります。

この瞬間から熟成ボルドーの魅力とワインの持つ神秘さに、より一層惹き込まれて今ではワインセラーを2台下宿に置くまでになってしまったのでした...

ボルドーワインにとどまらずブルゴーニュやシャンパーニュにもその後手を広げることとなるのですがその経緯を語ると冗長でキリがないのでこのあたりで割愛させていただきます。

ワインの魅力

ワインに使われる葡萄の品種は細かいものも含めると世界で数百種類以上ありそのすべてを把握するのは困難です。しかし品種が同じだからといって同じ味わいになるかといえばそうではありません。地方や生産者によってまるで味や個性は異なり、同じ地方だからといっても畑によってまるで味わいはまるで違います。特にフランスのブルゴーニュ地方のワインはこの傾向が顕著であり、単一品種(例えばピノ・ノワール)のぶどう100%で作ることから畑の個性がはっきりと反映され、それに加えて作る"人"の力で変わります。

それなら同じ生産者の同じワインならいつも味が同じなのかといえば生産年によっても葡萄の出来で味の優劣や味わいのピークはまるで異なり、ボトルの熟成,保管条件によってその品質も影響されます。

このことからも私はワインは生産者が生み出した飲める芸術品であり、同じものが二度と飲めるとは限らない一期一会の出会いであると感じています。だからこそなかなか得られることもない発見と驚き,感動が得られるワインの魅力(肯定的な意味で沼)に取り憑かれてしまいました。

上で触れたカロンセギュール1996の場合は24年でしたが,超熟型のワインでは100年前のワインでさえ熟成し美味しく飲めるというのに人の手によってコルクを開けた瞬間わずか数日で飲めなくなってしまいます。それはそれだけ変化し得る飲み物だからこそ飲んでいる間に顔を変えてくれる楽しさの裏返しでありそんな儚さも魅力に感じます。

ワインって高価なお酒じゃないの?

たしかにワインは高価な印象を持たれがちです。ロマネ・コンティなどはボトル200万円〜とかですし楽天でも偉大なヴィンテージのものだと簡単に3億円のワインが販売されています。しかしそんな世界最高峰の赤ワインであるロマネ・コンティが生み出される葡萄畑の広さはわずか1.81ヘクタールです。

ちなみに京大本部構内の広さは16.227ヘクタール,熊野構内が1.5081ヘクタールであることからもその畑の小ささがお分かりいただけるのではないでしょうか。全世界のワインファンなら一度は口にしてみたいそのワインが生み出される畑はわずかそれだけしかなく平均で6000本程度しか生み出されないことからもその希少性がはっきりします。

そんな事実からも分かるように味が格別であることは間違いないものの、価格と味が比例していないケースもあると私は感じます。(でもロマネ・コンティは飲んでみたいです🥺) 

さらにフランスワインでよくある"格付け"というものは頻繁に変わるものではなくボルドーの場合でいえばその殆どが1855年のパリ万博から変化していません。そのため仮に5級だからといって格付けが上のものに劣っているというわけではないのです。高級ワインと呼ばれるものは様々な要素が絡み合ってその価値が高まっているからこそその地位を得ているのであって、手頃なワインでもいわゆる高級ワインよりも美味しいワインは無数に存在します。

そんなことからまずは手頃なところからワインを開拓する喜びを感じてみるというのはいかがでしょう...!色々試してみると品種や生産地など自分が好みのベクトルがだんだんとわかってきて楽しさが増してきます。参考までに次章では私が京都から利用しているワインショップをいくつかご紹介します。

よく利用しているワインの入手先

・実店舗

- ワイングロッサリー

ボルドーやブルゴーニュだけでなく様々なワインを取り扱っているので実店舗で実際に見て買えるのは嬉しい。


- エーテルヴァイン

自然派ワインに強くオシャレな店舗の外観からは想像できないほどセラーにはたくさんのワインが並んでいます。漠然とした求めているワインの印象を伝えても優しい店員さんがオススメしてくれるので楽しい。


- やまや,リカマン 

どちらもラインナップと強みが異なるので意外とちょくちょく行くと開拓が楽しい.京都に多いリカマンだと修学院店や祇園店,ちょっと遠いところだとRAKZAN三条御前店は特におすすめ。

- カルディ

コストパフォーマンスに優れるワインもちらほらあって手軽に購入できるのも👍またワインチャンスボックスなるワインくじがとても楽しい。

・オンラインショップ

- ENOTECA 

実店舗もあり長い歴史を持つことから信頼のおけるワインショップであり現在はアサヒビールの子会社として運営されています。個人的に3本1万円セールや10本1万円セールなどのセールイベントがお気に入り。京都タカシマヤにも実店舗のテロワール by エノテカがあります。

- Firadis

インポータ(ワインの輸入業者)直営の通販サイトで手頃なものからヴィンテージワインまで幅広く取り扱っている。メルマガに登録すると毎日のように美味しそうに表現されたおすすめワインを送ってくるので財布の紐が緩みがち(ペアリングで合わせると美味しい料理とかお得なセール情報とか楽しい)

- 楽天など 

実店舗より安く購入できる場合も多く、色々探すと掘り出し物もけっこうあります。また福袋やワインくじといったイベント商品はネット販売ならではな感じがするので見極めて情報収集してみるのも楽しいです。

さいごに

ワインは抜栓後もその変化を楽しめることから比較的時間をかけて飲むことによりその味わいを楽しむことができます。そんなワインの特徴により友人と時間をかけてその感動を一緒に味わえ、その上ほろ酔いによる緊張感の緩みで恋愛話や将来の夢,他愛のないことまで腹を割って話せるというコミュニケーションツールとしての良さもあります。

まずは手頃な2000〜3000円台のワインからでもその美味しさとワインの持つ魅力に十分触れることができ、何かお祝い事のときなど勇気を出せるときはもう少し高いワインに挑戦してみると選択肢が更に広がりさらなる奥深さが待ち構えています。僕も実際偉そうに語れる身ではなくその魅力に気づいてまだ1年のまだほんの片鱗を知った程度です。

周りのワイン好き友達と京大ワイン同好会(@ku_wine)なるTwitterアカウントを開設しています。コロナが落ち着いてきたらワイン会などご一緒にワインの美味しさを共有でき味わえる場が開けたら良いなと思っています!

もしよろしければTwitterのフォローもお待ちしています!

さて明日はlzpelさんです!電子工作は僕も趣味の一つなのでとても楽しみです!ありがとうございました〜!

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