見出し画像

動物と暮らすという事⑧

ペットショップでもらった仔犬の頃の写真❤️

私達の元に来た時はもっと大きくなっていたので、この姿は写真でしか知らない。

レオが来て、まず大変だったのはトイレトレーニングだ。半年間ものケージ生活で、排泄する場所と眠る空間が一緒だった為、仔犬をトレーニングするよりも長くかかった。
また食糞をしてしまう癖もあって、しばらくは目を離せない状態だった。
不安障害なのかアウアウ良く喋る子だった。
また感情が乏しく、ボーっとしていたり、人間の言葉を音として理解出来ないのか、躾のコマンドを覚えるのにAimerの倍以上かかった。
犬の社会化が全く無かった為、カーミングシグナルは出せず、また理解出来ず、他の犬に飛びかかったり、挨拶をスルーしたりと色々と大変な思いをした。

そして家に来てから気が付いたのだが、停留睾丸だった。ちょうど家に迎えた頃、6ヶ月になっていたので睾丸が降りてくる時期だ。
停留睾丸は遺伝で、優良ブリーダーなら繁殖はしない個体だと聞いた事がある。
両方とも腹腔内に停留している場合には、繁殖能力は無いと言う。腹腔内に留まった睾丸は腫瘍化し易い為、回復手術で取り除くことを獣医は進めているようだ。
レオは片方のみの停留睾丸だったが、ペットショップでの3万円という破格はこれが原因では?と思った。
私自身はレオが停留睾丸でも、そうで無くても家に迎えるつもりであったし、初めから去勢はする予定だったので回復手術で処置した。

あとはペットショップでのストレスのせいか、フケが酷くしばらく皮膚の状態は悪かった。

それでも日々が潤い、輝いていたと思う。

散歩をとにかく楽しんだ。
Aimerは散歩は好きでは無かった、殆ど歩く事無く、散歩はもっぱら服の中から顔を出す程度。
レオは良く歩き、歩道橋の階段が好きだった。
私がモタモタ歩いていても、早く駆け登りたいから引っ張られて私がコケたり(笑)
近所の自然公園にも毎週通った。
小枝を咥えて振り回すのが好きだった。

何をするにも一緒で、喧嘩もするが、良い友達だ。
人と接する事に若干抵抗がある私にとって、ベストフレンドとなってくれた。

動物は本当に愛情深い生き物だと思う。
私達人間が酷い事をしても、恨んだり憎んだりはしない。
ただ 今 の瞬間を生きているから、思考のある人間とは違う世界を見ているのだと思う。

過去を見ていないのだ。

人間は「あの時、こうしていれば…」とか「あの時の〇〇さんのせいで…」とか終わった事をよく引きずるものだ。
動物は違う。
脳の大きさだよ!と言ってしまえばそれまでだが、私は違うと思う。
動物達は私達人間に本当の愛を教えてくれる教師だと思っている。
人間が人間目線でしか世界を見ていない事。
自分達が世界で一番強くて偉いと思っている事。
どれだけ傲慢で欲深く、同じ種族で争い事ばかりするのかと思うと悲しい。
同じ地球の仲間として恥ずかしい。

犬や猫は争いごとを好まない。本当の争いを避ける為の彼らなりのサインやルールがちゃんとある。
他の動物だってそうだ、必要以上に狩はしないし、
繁殖の為の争いはあるかもしれないが、差別や偏見は無い。

レオのお陰と言うと大袈裟だが、彼の存在や身の回りで起こった出来事などで私の世界の見方は変わっていったのだ。
彼がいなければ、動物世界の事に興味を持つ事も無かっただろうし、ペット業界やブリーダーのダークサイドも知る事は無かった。
これら全てを知って理解している訳では無いが、動物達からたくさんの気付きをもらった。

と同時に動物を「ペットとして飼う」という事を今一度考え直そうと思った。
私はレオを家に迎えると決めた一番初めの選択が、安易な物で動機が不純であったのでは?と思わざるを得なくなった。

後になってみれば、色々な理由付けも出来たと思うが、最初の動機は「犬をペットショップで購入し、家で飼う」と「可愛い犬が家に来る❤️」と言う
ごく単純で、ありふれたものだったと思うのだ。

それが単に悪い事とは思っていなかったが、こうして病気になって振り返って見るとやはり安易であったと思うし、恥ずかしい。
飼うと決めたものの、犬の性質や生態、病気や生体についての知識はAimerを飼った時のもの程度で殆ど無く多少の勉強はした。
しかし11年飼って初めてこのクッシング症候群という病を知ったのだ。

しかも猫は少数だが、犬は罹患し易いという。
ダックスの関節疾患やコーギーのシニア犬に良く見られる病気がある事は知っていたが、クッシング症候群という難治性で治療のコントロールが難しい病気がある事は私は全く知らなかった。

動物と暮らすという事は、こう言った病気のリスクやデメリットもしっかり知っておかなければならないと強く思った。

⑨へ続く










この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?