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ロード・エルメロイⅡ世の事件簿・読了

好きな、香りのする作品である。
舞台も、人物も、とても好ましい。
スピンオフだろうと、なんであろうと、独立して読めて面白ければ、
それでよい。

香りとは、アトモスフィアであり、
目に見えないものである。
けれども、私にとってそれが、一番、好きか嫌いかを判断させる、
鍵になる。

きらきらと光を受けて舞う、粉末。
ワインの底に溜まっていく、苦みの澱。
書物のページを枠取る、黄色い日焼けの後。
そんなものが大事な人にとって、
この本は、
良き友となるだろう。

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