住宅ローンは「どこで借りる」ではなく、「どう借りる」!。

今日は、「住宅ローンを借りるにあたって注意するべきこと」について、僕自身の経験&その後の仕事上得た知識などからお話したいと思います。

金融機関に勤務している関係から、「住宅ローンはどこの金融機関がよい?」とよく相談を受けます。これは、正直「どこも一緒」と思います。金利はほぼ同じなので(笑)。ご自身の給与振込口座、家を建てる場所から近い店舗、もしくはATMのある金融機関が良いと思います。

大事なのは、「どこで借りるか」ではなく、「どう借りるか」なのです。

では、どう借りればいいのか?。

(1)借入期間は自身の「ライフプラン」に合わせる。


住宅ローンですが、借入期間は最大35年くらいです。だから「借入期間35年で!」は、ご自身の現在の年齢を考えて下さい。30歳未満の方は、35年でもまあOKかもしれません。65歳までに完済出来るので。それ以上の年齢の方は、「定年」までには完済する期間にしておきましょう。「退職金で返せばいいや」と安易な考えはNGです。
※定年が近いうちに65歳になるのでは?という前提でお話しています。 

(2)借入金額は「返せる金額」から考える。

昨今は空前の「低金利」!。変動金利はおろか、固定金利も1%を下回る時代です。これに現在の「住宅ローン減税」(10年間、毎年12月末の住宅ローン残高の1%を税額控除)を加味すると、「逆ざや」では⁉️。「これは、おいしい。借りるしかない❗️」、って考えるかもしれません。借りれるだけ借りようとする方もいるでしょう。ただ「相応な金額」の借入金額にしないと、毎月の返済が大変!。「住宅ローンの返済のために馬車馬の如く働く」なんてことになるかもしれません。それでも払えなくなると、せっかく購入したマイホームを手放すことに…。

              

(3)ボーナス返済は少なく。出来れば0円で。


ボーナス返済。ボーナスの支給される月(6カ月に1回)、毎月返済に「上乗せ」して返済する。これは危険です。理由は2つ。
①ボーナスは企業の業績による支払いの面が強く、カットされたり、支給されないということもある。
今回のコロナ禍の影響で、早いところは今年の夏からカットされる企業があるようです。夏は現状維持でも、冬はカットされる企業が多いでしょう。僕も住宅ローンを借りる直前に、大手取引先の倒産による赤字決算の影響からボーナスカットがありました。同業他社に至っては「80%カット」と衝撃のカット!。なので、僕の住宅ローンはボーナス返済はありません!。
参考までに、経団連の今年の夏季賞与動向の記事を貼っておきます。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2020061700846&g=eco

②ボーナス返済は、元金が減らない。
ボーナス返済の支払いは6カ月に1回。ということは、その間の元金は減りません。なので「総支払金額」は多くなります。ただでさえ、住宅ローンは「元利均等返済」で同じ返済金額でも、最初は利息の割合が多く、元金は減らないのです。

(4)繰上返済はオススメしない。


住宅ローンは相変わらずの「超低金利」。「借入はなるべく減らしたい」のが人間の性ですが、繰上返済した後に、マイカーローンや教育ローンを借りた場合、どうでしょう?。2つの借入が同時並行にあり、家庭のキャッシュフローは…。しかも、住宅ローンより金利は高いです!。どうしても繰上返済したい場合は、「住宅ローン減税」が終わった後。もしくは「全額繰上返済」が出来る時に実行しましょう。個人的には、積立NISAやiDeCoにまわして運用した方がいいような気がします…。


(5)いっそ建てない、分譲マンションを買わない。


「マイホーム建てます」→「そのマイホーム、(自分か配偶者の)親御さん同居しますか?」→「いいえ、しません。」→「じゃあ、今回建てるマイホームは、ご自身のお子さんは住むと思いますか?」。
土地と建物は「不動産」と言われます。「不」動産なんです!。「動かない」資産なんですよ!。売るにしても、買う人がいないと売れない。空き家問題、分譲マンションのタワマン問題…。推して知るべしかと…。

(5)は「極論」としていたのですが、今日の日経新聞の記事を見ると、払えなくなった時、住まなくなった時の「出口戦略」が大事になってきたと思います。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60920290Z20C20A6EA1000/


マイホームは「大きな夢」なので否定はしません。現に僕も家建てて、住宅ローンを借りていますから。ただ、「大きな『買い物』」ですので、よく考えてみましょう。

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